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「音声・多言語対応のスマホガイド」を、周遊促進の切り札に

「音声・多言語対応のスマホガイド」を、周遊促進の切り札に

福岡県の取り組み

観光事業の活性化①

「音声・多言語対応のスマホガイド」を、周遊促進の切り札に

福岡県 人づくり・県民生活部 文化振興課 世界遺産室 宗像・沖ノ島遺産係長 日永田 一郎
[提供] 表示灯株式会社

※下記は自治体通信 Vol.25(2020年8月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


観光客の受入環境整備や周遊観光の促進は、自治体にとって重要施策のひとつと言える。この実現に向けて、福岡県の世界遺産「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」では、スマートフォン用のガイドシステムを導入した。担当者の日永田氏に、システムを活用しようとした背景やシステム選びのポイントなどを聞いた。

福岡県データ
人口:510万9,906人(令和2年6月1日現在)世帯数:232万6,415世帯(令和2年6月1日現在)予算規模:2兆8,075億877万7,000円(令和2年度当初)面積:4,986.51km²概要:福岡市、北九州市の2つの政令指定都市をもつ。かつては大宰府政庁や鴻臚館(こうろかん)が置かれ、古くからアジアおよび九州の玄関口としての役割を果たしてきた。農林水産業も盛んで、昨年15年連続で販売単価日本一を達成したいちごの『あまおう』、出荷数九州一の『はかた地どり』、天然ふぐ、たけのこなど、全国区のブランドも多い。また、自動車、水素エネルギー、バイオ、IoT、航空機など成長産業の育成にも力を入れている。
福岡県
人づくり・県民生活部 文化振興課 世界遺産室 宗像・沖ノ島遺産係長
日永田 一郎ひえいだ いちろう

周遊観光を訴求して、来訪者の増加を図る

―「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」において、どのような取り組みをしていますか。

 平成29年7月に、ユネスコの世界遺産に登録された本遺産群の保存・管理にくわえ、積極的に遺産価値の発信や来訪者の受入環境整備を行っています。そのほか、WebサイトやSNSを活用した情報発信、インバウンド向けの多言語解説も充実させています。

 平成29年度の来訪者数は前年度比約3割増となりましたが、平成30年度は、世界遺産登録時に急増した反動によって、前年度比で2割ほど減ってしまいました。

―なにか改善策を施しましたか。

 イベント開催など情報発信を強化するとともに、来訪者の周遊性を高めるため、現地で利用できるガイドシステムの導入を検討しました。というのも、本遺産群は8つの構成資産が広域に点在し、さらに船で行く場所もあるなど交通の利便性があまりよくありません。そのため、一番アクセスのよい「宗像大社辺津宮」だけを観光して帰る人が少なくないからです。したがって、周遊観光を訴求できれば、「このルートを周ってみよう」という動機づけや、「次回はここを訪れよう」といったリピートにもつながると考えました。

 そこで、地図情報をもとに観光促進事業を手がける表示灯のシステムを活用したWebサイト『世界遺産スマホガイド みちびき沖ノ島』を構築し、令和2年3月末から公開しています。

滞在時間に合わせて、最適な観光ルートを選べる

―システム選定のポイントを教えてください。

 「いかに周遊性を高められるか」です。その点、表示灯のシステムでは、来訪者がスマートフォンで出発時間や滞在予定時間を設定すれば、船やバスなど現地の交通機関を組み合わせて遺産群を巡る「おススメの周遊ルート」を検索できます。さらに、ルートに沿った遺産群の各スポットにおける解説は、音声読み上げ機能つきの4言語対応(※)で、インバウンド対策も講じられています。

 また、Webサイトなので、ユーザーはアプリのダウンロードが不要で、すぐに利用できる点も評価のポイントでした。

※4言語対応:日本語、英語、中国語(簡体字)、韓国語

―今後、このシステムをどのように活用していきますか。

 新型コロナウイルス感染症の収束後、このシステムを活用して多くの方々に来訪していただき、本遺産群の価値について理解を深めてもらいたいです。そのためにも、まずは積極的にPRしていきます。

 将来的には、周辺エリアの観光情報もくわえ、遺産群を中心に多くの来訪者が当該地域を周遊しやすくなるように利便性を高めていきたいですね。


観光スポットを発掘できるシステムで、周遊性は高められる

支援企業の視点

観光スポットを発掘できるシステムで、周遊性は高められる

表示灯株式会社
執行役員 都市整備開発事業担当 西島 史顕
執行役員 スマートビジネス推進事業部 事業部長 小畠 伸和
[提供] 表示灯株式会社

※下記は自治体通信 Vol.25(2020年8月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


表示灯株式会社
執行役員 都市整備開発事業担当
西島 史顕にしじま ふみあき
表示灯株式会社
執行役員 スマートビジネス推進事業部 事業部長
小畠 伸和おばた のぶかず

―周遊観光の促進策で悩みを抱える自治体は多いですか。

西島 多い印象です。自治体や観光協会のサイト上で「おススメの周遊プラン」などを紹介しても、「メインの観光スポットしか訪れてくれない」と。「ほかにもある地元の魅力を楽しんでもらいたい。なんとかしてそれを伝えたい」という強い想いを感じています。

―どうすればいいでしょう。

小畠 当社では、観光客の新たな観光スポットの発見につながるお手伝いができます。今回、開発を支援したWebサイト『世界遺産スマホガイド みちびき沖ノ島』は、当社の音声・多言語対応の道案内サービス『ここからGO!』を活用。スマホで出発時間や滞在予定時間を入力すると、現地交通の時刻表と組み合わせたおススメ周遊ルートを検索できます。ルートごとに道案内や遺産群を多言語音声でガイドするので、外国人も新たな観光スポットに誘導できます。アプリのダウンロードは不要で、現地ですぐに利用可能。道案内や音声ガイドは、写真や解説文をいただければ数日でサービスとしてご提供します。

―今後、自治体をどう支援していきますか。

西島 デジタルサイネージなどリアルに存在する観光案内板を「ハブ」に、スマホで利用できるこのWebサービスを組み合わせることで、情報のやり取りを通じた周遊観光促進をさらに支援できます。多言語による二次交通(※)案内など各種サービスの構築にも柔軟に対応するので、周遊観光促進の受入環境整備をご検討中の自治体の方は、ぜひ当社にご相談ください。

※二次交通:空港や鉄道の駅などから観光目的地までの交通のこと

西島 史顕 (にしじま ふみあき) プロフィール
昭和39年、山口県生まれ。平成28年、表示灯株式会社に入社。訪日客受入環境整備などの業務に携わる。
小畠 伸和 (おばた のぶかず) プロフィール
昭和38年、大阪府生まれ。平成29年、表示灯株式会社に入社。Webビジネス企画開発などの業務に携わる。
 

北海道 千歳市・恵庭市の取り組み

観光事業の活性化②

多くの人でにぎわう「道の駅」を、観光情報の発信拠点にする

千歳市 観光スポーツ部 観光課 課長 吉見 章太郎
恵庭市 経済部 花と緑・観光課 課長 小路 弘樹
[提供] 表示灯株式会社

※下記は自治体通信 Vol.25(2020年8月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


最初のページでは、周遊観光の促進に取り組み、観光事業の活性化を図る福岡県の事例を紹介した。ここでは、デジタル観光案内板を「道の駅」に設置することで、観光事業の推進に取り組む千歳市(北海道)と恵庭市(北海道)の事例を紹介する。両市の担当者に、「道の駅」に観光案内板を設置する目的と、期待する効果を聞いた。

千歳市データ
人口:9万7,823人(令和2年7月1日現在)世帯数:5万663世帯(令和2年7月1日現在)予算規模:804億3,000万円(令和2年度当初)面積:594.50km²概要:北海道の中南部・石狩平野の南端に位置し、「北海道の空の玄関口」である新千歳空港がある。市域の東部は農村地区で、西部には水と緑あふれる支笏洞爺国立公園に属する支笏湖がある。
恵庭市データ
人口:7万8人(令和2年6月末現在)世帯数:3万3,978世帯(令和2年6月末現在)予算規模:481億1,301万5,000円(令和2年度当初)面積:294.65km²概要:札幌市と新千歳空港のほぼ中間に位置する。支笏洞爺国立公園を後背地とした恵庭渓谷は、「白扇の滝」や「ラルマナイの滝」などが点在し、市の観光スポットとして有名。
千歳市
観光スポーツ部 観光課 課長
吉見 章太郎よしみ しょうたろう
恵庭市
経済部 花と緑・観光課 課長
小路 弘樹こうじ ひろき

「道の駅」の集客力を、観光促進事業につなげる

―「道の駅」にどのような役割を期待していますか。

吉見 新千歳空港がある千歳市では、空港利用者が札幌や富良野などの主要観光地へ行く前に、「まずは立ち寄ってもらう」ことを目的として、「道の駅」を平成16年に開設しました。平成27年のリニューアルでは国内最大級の淡水水族館を併設したほか、フードコートの充実などにより、いまでは年間約100万人が来場しています。

小路 千歳市の隣に位置する恵庭市も、「空港利用者に、まず来てもらう『道の駅』にしよう」と。千歳市同様、年間来場者は100万人前後にのぼり、さらに、隣接地には当市が取り組む「花のまちづくり」の拠点となる公園を整備中です。

―多くの人が訪れていますね。

吉見 ええ。空港に近いという立地も影響していると思います。そこで、この集客力に着目し、「観光情報の発信拠点にすれば、域内における観光事業の活性化につながるはず」という話が観光課内で出ました。

小路 恵庭市でも同様の話が出ました。近年は、多くの人が集まるようになった「道の駅」自体をひとつの観光地として位置づけ、集客活動に力を入れてきました。ところが、「道の駅」を拠点にした観光情報の発信などについては、目立った取り組みをしてこなかったのが正直なところです。

ランニングコストが不要な、デジタル観光案内板を導入

―どのような方法で観光情報を発信しようと考えたのでしょう。

吉見 豊富な内容のコンテンツを発信し、多くの方に訴求したいと考えました。また、外国人観光客のために多言語で表示したいと。そんなとき、地図案内板の製作で豊富な実績がある表示灯から、「デジタル観光案内板を活用すれば可能」という話を聞きましたが、ひとつ懸念がありました。

―それはなんですか。

吉見 費用の問題です。最初の設置費用は補助金を活用して予算化できましたが、コンテンツ更新などのランニングコストを毎年確保するのは難しいと考えていました。そんななか表示灯は、「地域店舗などの情報を広告でデジタル観光案内板に掲載し、その収入でランニングコストが賄われるため、市の財政負担はない」と。それで導入を決めたのです。

小路 その際、恵庭市は、千歳市から「広域で観光情報を発信しましょう」という提案を受け、両市における連携協定の取り組みの一環として、お互いの観光情報を共有し、「道の駅」や空港に設置したデジタル観光案内板で発信しています。

 新型コロナウイルス感染症の収束後、「道の駅」は必ず多くの観光客でにぎわいを取り戻します。デジタル観光案内板で観光情報をみてもらい、両市の施設や店舗、観光地に足を運んでもらいたいですね。

 

広告つきの観光案内板なら、コストをかけることなく運用できる

支援企業の視点

広告つきの観光案内板なら、コストをかけることなく運用できる

表示灯株式会社 札幌支社 インフラ開発課 担当課長 川上 詞史
[提供] 表示灯株式会社

※下記は自治体通信 Vol.25(2020年8月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


表示灯株式会社
札幌支社 インフラ開発課 担当課長
川上 詞史かわかみ のりふみ

―自治体の間で「道の駅」を観光情報の発信拠点にする機運は高まっていますか。

 年々高まってきていますね。特に北海道では「道の駅」自体のプロモーション活動に注力する自治体も多く、たくさんの人が集まる場に。そのため、「周辺地域の観光情報を訴求する絶好の拠点」という考えが広がっていると感じます。観光庁でも「道の駅」における多言語案内整備の補助事業を行っており、今後さらにこの機運は高まると考えています。

―今後の自治体支援の方針を聞かせてください。

 魅力的な観光情報の発信に向け、観光案内板に掲載する情報を適宜更新できるようにするほか、システム運用などの支援を行います。観光案内板で広告事業が行えれば、そのための費用を捻出できるため、自治体の負担はありません。「道の駅」を拠点に、観光事業を活性化させたいと考えている自治体の方からのお問い合わせをお待ちしています。

川上 詞史 (かわかみ のりふみ) プロフィール
昭和45年、北海道生まれ。平成27年に表示灯株式会社に入社。鉄道駅・自治体における広告営業を経て、現在は、自治体向けに新規案内板を設置する業務などに携わっている。
表示灯株式会社
設立 昭和42年2月
資本金 1億5,323万6,400円
従業員数 489人(令和2年6月末現在)
事業内容 交通広告、屋外広告、メディア広告の取り扱いおよび企画・制作、環境・交通・公共施設・商業施設・誘導案内サインの企画、開発、設計、製作、施工
URL https://www.hyojito.co.jp/
問い合わせ先 第一開発本部 シティイノベーション事業部
03-3797-4711(平日9:00~17:45)
info@hyojito.co.jp
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