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福井県鯖江市

人事評価制度の整備①

人事評価に民間の知恵を導入し、新たな時代を担う職員を育てる

鯖江市長 牧野 百男
[提供] 株式会社あしたのチーム

※下記は自治体通信 Vol.25(2020年8月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


平成26年の地方公務員法改正により、能力・業績にもとづく人事管理の徹底を図るべく、人事評価制度の導入が義務づけられた。だが、昨年の総務省調査によると、導入はまだ半数程度にとどまるという。そうしたなか、鯖江市(福井県)ではいち早く民間手法の導入を検討し、実証実験を行った。市長の牧野氏に、その背景などを聞いた。

鯖江市データ
人口:6万9,348人(令和2年6月1日現在) 世帯数:2万4,801世帯(令和2年6月1日現在) 予算規模:468億610万円(令和2年度当初) 面積:84.59km² 概要:福井県のほぼ中央に位置し、北は福井市、南は越前市に隣接している。地場産業の眼鏡フレームでは、国内の96%以上の生産シェアを誇る産地の中心地に成長。いまや鯖江産「めがね」は、「SABAE」の名とともに広く世界に知られている。
鯖江市
鯖江市長
牧野 百男まきの ひゃくお

行政は「最大のサービス産業」住民の満足度追求が使命

―鯖江市では、これまでどのような考え方のもと人事評価を行ってきたのですか。

 私はかねてより、行政を「最大のサービス産業」と位置づけています。自治体をひとつの会社にたとえると、株主は住民。いかに株主である住民の満足度を高められる行政サービスを提供できるかが、自治体には問われています。従来のように、納税の対価として決められた行政サービスを粛々と提供するだけではいけない。そうなると、人事評価も民間企業の手法を参考にし、職員の成果を適正に評価し、モチベーションを高められる仕組みが必要と考えてきました。

 しかし一方で、評価手法をめぐっては、考慮すべき民間企業との違いも小さくありません。

―どういうことでしょう。

 最大の違いは、利益=数字というかたちで成果を数値化することができないことです。また、業務は多岐にわたり、統一した基準で評価をすることが難しい環境でもあります。そこで当市では、平成29年度にサテライトオフィス「鯖江ランド」を開設した、あしたのチームの支援を受け、自治体向けの新たな人事評価制度の研究に着手したのです。具体的には、平成30年度から累計3,000社以上での導入実績を誇る同社の人事評価制度を、一部の部署で試験的に導入することにしました。

―どのような評価制度ですか。

 従来、当市が行ってきた「能力態度評価」に代わり、「コンピテンシー(行動特性)」を評価基準の中心に据え、コンピテンシーにもとづく「行動目標」の達成度合を評価する制度です。必ずしも数字で成果を表現できない自治体業務において、コンピテンシーは多くの職員に適用できる新しい評価基準になりえると判断しました。

 従来の制度とは異なり、一人ひとりの職員が、自ら具体的かつ明確な行動目標を設定でき、自己評価も求められることから、職員のモチベーションを引き出せるよう設計されています。目標設定や評価者コメントを作成する段階では、あしたのチームからのアドバイスももらえるとのことでした。


自己管理・自己決定できる職員を育てたい

―結果はいかがでしたか。

 試験導入は6ヵ月という限られた期間でしたが、多くの収穫が得られました。特に重要な成果は、人事評価における職員の当事者意識を高めると同時に、業務に対する「主体性」を引き出せたことです。この主体性という特性は、これからの自治体職員のあり方を考えるうえで、非常に重要なキーワードになると認識しています。じつは、私はこれからの時代の自治体職員には、「自己管理・自己決定できる能力」こそ、もっとも必要とされると考えてきました。

―詳しく聞かせてください。

 財源もマンパワーも限られるなかで、今後も持続可能な行政を実現するためには、住民に行政の一翼を担ってもらう必要があると考えています。当市が「市民主役条例」を制定し、市政への住民参加を積極的に促しているのもそのためです。そうした時代の自治体職員に求められるのは、市民参加の場をいかにつくっていけるか。そこでは、現場に密着し、住民の立場で主体的に考え、行動し、解決策を探る能力が必要です。

 自治体という組織は、なかなか自己管理・自己決定できる職員を育てにくい環境にあります。そうした職員を育てるための仕組みが多く取り入れられている、あしたのチームの人事評価制度は、今後多くの自治体で必要とされるのではないでしょうか。

―人事評価制度の改革を、今後どう市政に活かしていきますか。

 人事の要諦は、いかに適材適所を実現するかにあります。そのためには、職員の納得感をともなう適正な評価が必要です。今回の試験導入では、民間手法をそのまま行政に当てはめることの限界も学びましたが、「民間での優れた成果は積極的に導入すべき」という基本スタンスを役所内で共有できたことは大きな成果です。今後もさらに研究を進め、当市がめざす「共創社会」を担う職員の育成につなげていきたいですね。


人事評価制度の整備
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支援企業 株式会社あしたのチーム

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