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体育館床のメンテナンスに不適切な、水拭きやワックス掛けを行っていませんか

体育館床のメンテナンスに不適切な、水拭きやワックス掛けを行っていませんか

文部科学省・スポーツ庁の提言

体育施設の維持管理①

体育館床のメンテナンスに不適切な、水拭きやワックス掛けを行っていませんか

文部科学省 大臣官房文教施設企画・防災部施設企画課 専門職 田中 郁子
スポーツ庁 参事官(地域振興担当)付 施設企画係長 齋藤 平
[提供] 株式会社GRIP

※下記は自治体通信 Vol.24(2020年6月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


平成18年度から平成27年度までの間、体育館の床板の剥離による負傷事故が7件発生。消費者安全調査委員会の調査の結果、木製床の使用にともなう劣化のみならず、床板の過度な水分の吸収やその乾燥の影響などが要因と考えられた。消費者安全調査委員会の「事故等原因調査報告書」などを踏まえ、平成29年5月、文部科学省とスポーツ庁から「体育館の床板の剥離による負傷事故の防止について(通知)」が通知された。両省庁に、適切な床の維持管理法を聞いた。

文部科学省
大臣官房文教施設企画・ 防災部施設企画課 専門職
田中 郁子たなか いくこ
スポーツ庁
参事官(地域振興担当)付 施設企画係長
齋藤 平さいとう たいら

正しい維持管理について、今後も周知していく

―適切に床を維持管理する方法を教えてください。

田中 以下、大きく5つの取り組みを通知文書に記載しています。「適切な清掃の実施(水拭き及びワックス掛けの禁止)」「日常点検・定期点検の実施、記録の保管及び速やかな応急措置」「維持管理を外部委託する際の適切な仕様の設定」「長期的な改修計画の策定、計画に基づく改修の実施及び補修・改修記録の保管」「施設利用時における注意事項の利用者への周知」です。

 たとえば、水拭きおよびワックス掛けは、不具合発生の観点からは原則として行うべきではありません。そのことなど、消費者安全調査委員会の「事故等原因調査報告書」を参考に適切な清掃の方法を定め、書面で実際に清掃を行う担当者にわかりやすく周知し、実施を徹底する旨を記載しています。

―体育館の維持管理における今後の支援方針を聞かせてください。

齋藤 施設の安全管理や事故防止のため、講習会への積極的な参加や関連書籍の情報などで、関係者は維持管理に関する知識習得に努めていただきたいと思います。また自治体職員には、体育施設管理士といった施設管理に関する資格取得を勧めるのも有効だと考えています。これからも引き続き、講習会などを通じて周知していきたいです。

大阪学院大学高等学校(大阪府)
バスケットボール部副顧問
畠山 貴行はたけやま たかゆき

―体育館床の維持管理においてどんな課題がありましたか。

 どちらかと言うと滑りやすい床だったので、いかに練習の際に滑らないようにするかが課題でした。そのための対策として、基本的に練習前後にモップでの乾拭き。そして2週間に1度、水を絞った雑巾を下に敷いたモップ掛けと3ヵ月に1度ワックス掛けを行っていたのが正直なところです。

―昨年6月から新しい床のメンテナンス剤を導入したそうですが、感想はいかがでしょう。

 感覚として、だいぶ止まり具合が違うという印象ですね。バスケットボールは切り返しが多いので、そこで「ズルッ」と滑ると初動が遅れるほか、なによりケガにもつながりますから。それがないぶん、生徒も競技に集中できているようです。今後は、こまめに新しいメンテナンス剤を塗るのはもちろん、体育館を開放すると砂が入ってきたりするので、換気のバランスをとっていきたいですね。

福岡第一高等学校(福岡県)
校長代理/ バスケットボール部監督
井手口 孝いでぐち たかし

―体育館床はどんな状態だったのでしょう。

 部活動以外に、授業や諸行事など使用頻度が高くて。特にバスケットボールでは1トンほどの移動式ゴールを使いますが、それを設置した床はやはり傷みがひどかったです。水が床にはよくないことは以前から知っていましたので、頻繁にモップ掛けをするのはもちろん、トイレに行く際はバスケットシューズが入るくらい大きなスリッパを用意するなど、私でわかる範囲のメンテナンスは行ってきたつもりです。ただ、使用頻度が高いと、どうしても摩耗してきますよね。

―新しい床のメンテナンス剤を使った感想を教えてください。

 「キュッ」という止まる感覚が、ほどよいと感じています。逆に他校の体育館に行くと、ウチより滑るので苦労することも(笑)。体育館を守っていかねばならないという想いがあるので、生徒とともに床管理も含めた体育館全体の掃除は今後も徹底して行っていきます。

 PPP事業(※)における指定管理者制度や、PFI事業(※)への積極的な取り組みにより、多くの運営実績、施工実績などを残しているミズノグループ。特に指定管理者制度においては、公共施設の管理運営を全国150物件以上で実施している。そんな同グループは、利用頻度がもっとも高い体育館の床面について、利用者の安全面への不安を感じていた。

 「施設の老朽化や湿度環境などの変化により体育館床面の反り返り・剥離が発生し、その都度研磨・補修を行っていました」と話す同グループの担当者。

 また、通常のメンテナンスはモップでの乾拭きのみで、滑ることが多くなっていた。そんなときに、上記2校が導入している、メンテナンス剤の存在を知った。

 「機能性やコストはもとより、競合や類似商品がない点に魅力を感じ、当社が管理する運営施設への導入および販促活動の協力も行うことになりました」(担当者)

 今後も床面のみならず、スポーツ環境において顧客が不安に感じるすべてを解決したい意向だ。

※PPP:Public Private Partnershipの略。公共サービスの提供において、なんらかの方法で民間企業が参画する手法を広くとらえた概念
※PFI:Private Finance Initiativeの略。PFI法にもとづき、公共施設などの建設、維持管理、運営などを民間企業の資金、経営能力および技術的能力を活用して行う手法


ミズノグループが管理している体育館

支援企業の視点

体育施設の維持管理②

適切な維持管理を行うには、従来の常識を変えるメンテナンス剤が必要

株式会社GRIP 代表取締役 猪俣 康治
[提供] 株式会社GRIP

※下記は自治体通信 Vol.24(2020年6月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


前のページでは、文部科学省およびスポーツ庁からの提言にくわえ、床面に新しいメンテナンス剤を導入した学校の声、さらにそのメンテナンス剤を活用したミズノグループの取り組みを紹介した。このページでは、その新メンテナンス剤を開発したGRIPを取材、体育館床における整備の専門家である代表の猪俣氏に、適切な維持管理方法を、現在の状況を含めて聞いた。

株式会社GRIP
代表取締役
猪俣 康治いのまた こうじ

正しい処置法が、浸透しているとは言えない

―近年、体育館床の維持管理において、適切なメンテナンスは行われているのでしょうか。

 正直に言って、行われていないケースはまだまだあるという印象ですね。私たちは年間かなりの体育館を見て回りますが、メンテナンス方法を正しく理解している施設担当者は少ないです。やっかいなのは、「ワックス掛けが正しい処置だ」という認識が広まっている点。正しい処置をしているかどうかのアンケートで「している」と書いている場合でも、実際の処置方法は「ワックス掛けです」というケースは本当に多いのです。

 体育館床の維持管理で重要なのは「清潔であること」「床表面の光沢・スベリなどを最適な状態に保持すること」「破損および摩耗箇所が放置されていないこと」の3つ。木が収縮し、老朽化を起こす可能性が高い「水拭き」「ワックス掛け」は厳禁なのです。

―どう処置すれば適切なメンテナンスができるのでしょう。

 一般的には、ウレタン樹脂塗装を行うことがもっとも正しい処置だと言えます。しかし、それにはまず高額なコストがかかります。施工にも日数がかかり、3、4日ほど体育館が使えない期間が発生。そして、専門業者でしか行えないというデメリットもあります。

 そこで、管理者に負担をかけることなく、3つの維持管理条件を満たす処置が必要だと考えた当社は、以前から新しいメンテナンス剤の開発に着手。そして、平成30年11月にリリースしたのが体育館床のメンテナンス剤『NONSLIP』シリーズなのです。

開発を可能にしたのは、30年にわたる経験とノウハウ

―詳細を教えてください。

 ワックスでもウレタン樹脂塗装でもない、まったく別のアプローチで開発されたメンテナンス剤です。水分をいっさい使用していないので、床面を傷める心配がない。また、ワックスと異なり、ウレタン塗装時の剥離作業を必要としません。グリップ力が劇的に回復するうえに、作業も床に塗布するだけなので誰でもでき、施工後の翌日には利用することが可能。シックハウスの学校版「シックスクール」にも配慮しているので、安全です。そうした効果が、ウレタン樹脂塗装よりかなり低コストで実現できるのです。

―なぜそのようなメンテナンス剤を開発できたのですか。

 当社は、30年近くにわたって、体育館床の研磨塗装工事に特化した会社もあわせて運営しております。その間に培ってきた経験と、長年にわたって施設担当者の困りごとを解決してきたノウハウがカタチになったと言えるでしょう。

―導入実績を教えてください。

 リリース直後からミズノグループに性能を認めてもらい、同グループの運営施設への導入および販売促進の協力を得ることで、導入実績はここ1年で飛躍的に増えています(上図参照)。体育館に限らず、フィットネスジムや介護施設、公民館、幼稚園のプレイルームといったところまで導入が広がっています。

 また、入札による自治体への導入実績も進んでいるほか、世界ハンドボール選手権や国体会場でも採用されています。

―自治体に対する今後の支援方針を聞かせてください。

 体育館床のメンテナンスのほか、正しい処置法の啓蒙活動を自治体の方と協力して広めていきたいですね。また、体育館のささくれ補修も行いますし、ワックスが塗布されている床にも塗布できる『NONSLIP PRO』を販売予定です。

 当社には体育施設管理の資格を有するスタッフが複数在籍しているので、予算や営繕計画にあわせた適切な処置を提案できます。体育館床でお困りの方は、どんなささいなことでも遠慮なく相談してくださればうれしいですね。

猪俣 康治 (いのまた こうじ) プロフィール
昭和49年、鹿児島県生まれ。体育館改修工事専門業者である、有限会社ダンケルに入社。現場作業員として経験を積んだ後、平成26年、代表取締役に就任。メンテナンスに関する手法とメンテナンス剤を企画・開発。平成30年、株式会社GRIPを設立し、代表取締役に就任。その後、まったく新しいコンセプトのメンテナンス剤『NONSLIP』シリーズを全国へリリース。体育館の、正しいメンテナンスの啓蒙活動を行っている。
株式会社GRIP
設立 平成30年7月
従業員数 11人
事業内容 体育施設床のメンテナンス剤『NONSLIP』シリーズの開発・販売、体育施設床メンテナンスのコンサルティング、体育館の改修工事
URL https://www.gripgrip.co.jp/
お問い合わせ電話番号 03-5776-3817(平日 9:00~17:00)
お問い合わせメールアドレス info@gripgrip.co.jp

New 2020/05/26
体育館フロアのメンテナンス
体育館フロアメンテナンスのご提案
安全性が不可欠な体育館フロアのメンテナンス。平成29年5月29日の文部科学省の通知により体育館フロアへの「水拭きおよびワックス掛け」は禁止となりました。「NONSLIPシリーズ」は床板を傷める原因となる水分・ワックス成分を一切含んでいない全く新しい発想のメンテナンス剤です。商品の主な特長は「床面のグリップ力を劇的に回復」、また「誰でも簡単に短時間かつ低価格でメンテナンスを行える」ことです。販売開始から約1年半で全国1,200を超える学校・スポーツ施設で導入されています。「NONSLIPシリーズ」は安全なスポーツ環境の整備から施設の長寿命化を可能にします。日本の室内スポーツの底上げは「床」から。
導入自治体 船橋市(千葉県)
支援企業 株式会社GRIP
無料プラン:無償商品サンプル有