
群馬県草津町の取り組み
クラウドPBXの導入
庁内回線網の運用を改善させた、電話交換機の「クラウド化」
ベルツこども園長 山本 琢夫
※下記は自治体通信 Vol.23(2020年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
業務環境を改善させるために、いかにICTの成果を導入するか。いまや多くの自治体の共通した課題であろう。老朽化した機器や設備の更新は、そのひとつの重要なきっかけになる。そうしたなか、草津町(群馬県)では、公共施設の電話交換機(PBX)の老朽化に伴い、PBXのクラウド化に踏み切り、電話網の運用改善を実現した。同町担当者や施設運営者に、その効果などを聞いた。

導入・運用費を抑えられ、メンテナンス負担も軽減
―「クラウドPBX」を導入した経緯を聞かせてください。
草津町総合保健福祉センターは、健康や福祉に対する住民ニーズの高まりを受け、保健と福祉の機能一体化を目的に設立された複合施設です。保健センターと介護予防拠点部門を含んだ社会福祉協議会の機能が収容され、平成6年から運用してきましたが、近年施設の老朽化が目立ってきました。特に修繕が必要とされたのが電話設備であり、番号通知設定の導入といった新たな対応を視野に平成30年8月、PBXの交換に踏み切りました。
―どのようなPBXでしょう。
クラウド方式を選定しました。すでに町内のこども園でクラウドPBXの導入実績があり、機器の故障やメンテナンスの負担を軽減できるといったメリットを聞いていたからです。そのうえで、導入費用や5年間の維持・運用費を比較し、もっとも競争力が高かったアイルネットのシステムを導入しました。
―導入効果はいかがですか。
センター内の各々の部門で使用する24台の固定電話を内線でつなぎ、センター内の情報連携が強化されています。社会福祉協議会の職員は外出する機会も多いので、今後は職員保有のスマホを内線網に組み込むことも可能です。将来的に、本庁舎のPBXもクラウド化し一体運用できれば、複数拠点間の内線化が実現し、役場全体の電話網は大きく効率化されますね。


無線対応の「クラウドPBX」を導入し、保育士のPHS端末を内線として運用

大規模な配線工事は不要、故障リスクも回避できた
―いち早く「クラウドPBX」を導入したそうですね。
はい。もともと町立保育園であった当園は、休園した民間の幼稚園の機能を吸収するカタチで平成29年に「こども園」として施設を拡張しました。その際、施設内の電話網を拡張するにあたり、安価に導入できるPBXを探していたところ、アイルネットの「クラウドPBX」サービスを知りました。
―導入の決め手はなんでしたか。
屋外でも使えるPHSを内線に組み込める無線対応型だったことが決め手でした。こども園では園外活動が頻繁にあり、保育士は事務所や保護者に携帯電話を使って連絡をとる場面が多くあります。それまでは個人所有の携帯電話を使っていたのですが、施設の拡張を機にPHSを内線として導入しようと。無線対応のクラウドPBXは、大規模な配線工事が不要なため設置費用を抑えられます。さらに、草津町は温泉の影響で硫化水素濃度が高く、電子機器の故障が多い地域です。PBXを自前で持たずにクラウド化することで、故障リスクを回避できるのも、導入を決めた大きな理由でした。
―導入効果はいかがでしょう。
PHSを5台運用していますが、保育士からの評判はとても良いですね。そのため、令和2年7月のPHSサービス終了後は端末をスマートフォンに切り替え、現在の運用体制を継続していきたいと考えています。

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