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神奈川県×民間のキーパーソン対談

ショート動画を活用したPR策①

『TikTok』を通して、県政の取り組みを多くの人に知ってもらう

神奈川県知事 黒岩 祐治
ByteDance 執行役員 公共政策本部長 山口 琢也
[提供] ByteDance株式会社

※下記は自治体通信 Vol.23(2020年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


近年、さまざまなメディアやSNSが台頭しており、自治体としても新しい媒体を活用した広報活動に取り組んでいる。そんななか、神奈川県ではモバイル向けショート動画プラットフォーム『TikTok(ティックトック)』に注目。これまでとは一線を画した、最先端の広報活動に取り組み始めた。知事の黒岩氏に、『TikTok』を提供しているByteDanceの山口氏を交えて詳細を聞いた。

神奈川県データ
人口:919万8,646人(令和2年2月1日現在) 世帯数:417万29世帯(令和2年2月1日現在) 予算規模:4兆1,944億5,500万円(令和2年度当初案) 面積:2,416.30km² 概要:日本列島のほぼ中央、関東平野の南西部に位置し、北は首都東京都に接しており、東は東京湾に、南は相模湾にそれぞれ面し、西は山梨、静岡の両県に隣接している。全国の主な湖のなかで7番目に高い位置にある芦ノ湖をはじめ、相模湖、津久井湖、丹沢湖、宮ヶ瀬湖など水資源利用のための人造湖があるのが特色。426kmの海岸線は変化に富み、東京湾側京浜地帯は高度に発達した港湾となっている。
神奈川県知事
黒岩 祐治くろいわ ゆうじ
ByteDance株式会社
執行役員 公共政策本部長
山口 琢也やまぐち たくや

“インパクトの強さ”が、戦略的広報に活かせると判断

―神奈川県における広報施策の位置づけを教えてください。

黒岩 法令に基づいてしっかりと政策を実現するのはもちろん、県民のみなさまに神奈川県は何をやっているのかをしっかりお伝えする。それは、政策を実行するのと同様に大事だというのが私の基本的な考えです。そこで私は知事に就任して以降、“戦略的広報”という考えを打ち出し、広報に相当チカラを入れてきました。

―どのような取り組みを行ってきたのですか。

黒岩 たとえばポスターやパンフレットなどを、デザイン性やインパクトといった観点からくまなくチェック。県民のみなさまに、それを見た瞬間にどう思ってもらえるか。行政から一方的に“伝える”広報から、“伝わる”広報にしようと取り組んできました。

 なかでも、私がテレビ業界出身ということもあり、動画のもつチカラを有効活用したいと考えていました。そこで、平成28年から神奈川県のWebサイトに「かなチャンTV」というインターネット放送局を開設。県庁職員から希望者を募り“県庁アナウンサー”として登用するとともに、私自身も出演。神奈川県に関する、さまざまな情報を発信してきました。

―そんななか、『TikTok』に注目した理由はなんでしょう。

黒岩 正直に言うと、最初はよくわかりませんでした(笑)。軽快な音楽に合わせて、出演者が踊っている動画なんです。ただ、妙なインパクトがあるな、と。このインパクトの強さは“戦略的広報”にも活用できるのではと、令和元年の11月にByteDanceと連携協定を結び、『TikTok』を活用しようと考えました。

山口 これは、『TikTok』のコンセプトにもつながるのですが、いまや生活者は情報を吸収するのに時間をかけなくなってきているんですね。たとえば、赤信号で止まっているときや電車が来るのを待っているとき。そのわずかな時間に、スマートフォンをパッと見て情報を得ている。動画に関して言うと、およそ30秒でみなさん飽きちゃうんです。その短時間で、いかに興味を惹きつけるか。そうした昨今のライフスタイルに対応しているのが、『TikTok』の特徴。知事は情報を伝えるプロでもあるので、そういった点に注目していただいたのだと思います。


神奈川県のSDGsに対する取り組みを伝える『TikTok』の動画

アップロードして2ヵ月で、総再生数100万回を達成

―実際にどのように活用しているのですか。

黒岩 まず第一弾として、SDGs推進を伝える動画を制作しました。神奈川県は、SDGs最先端自治体として国のモデル事業に都道府県で唯一選ばれています。これをアピールしよう、と。私は昨年、ニューヨークの国連本部に行って神奈川県のSDGsの取り組みを英語でスピーチする機会があり、その最後を「mission! passion! action!」と締めくくった。つまり、SDGsを使命感と情熱をもって、行動に移していこうと言ったわけですが、すごく反響が大きかったんです(笑)。帰りの飛行機で「このフレーズはいいじゃないか」と考え、ByteDanceに相談したところ、イメージにピッタリの曲ができ、動画が完成しました。

山口 動画では、知事と職員の方が「mission! passion! action!」を音楽と振り付けとともに連呼して、「SDGsをがんばります」と。この動画が繰り返されるのです。これだけだと詳細はわかりませんが、「SDGs」というキーワードは耳に残るはず。「SDGsってなんだろう」と思った人が後で検索してくれたら、というのが狙いです。

―反応はいかがでしょう。

黒岩 開始してまだ2ヵ月ですが、神奈川県庁『TikTok』アカウントの動画再生数は合計100万回を達成。予想をはるかに上回る広がりに、驚いています。自治体が「大事なんで知ってください」というスタンスでは、これほど受け入れてくれませんからね。そういう意味で『TikTok』がもつパワーってすごくあると思いますね。観た人からも「知事自ら『TikTok』で発信していると応援したくなる」と、想定よりもかなり高評価をいただいています。

―『TikTok』における今後の活用方針を教えてください。

黒岩 第二弾として、県民がともにリスペクトしあいながらつながっていく社会の実現を目指した「ともに生きる社会かながわ憲章」の普及動画をつくりました。また、スピード感をもって情報を流せる『TikTok』の特性を活かして、今後は災害情報といった緊急事態にも使っていきたいですね。

山口 『TikTok』は、各ユーザーにとって興味のある動画がどんどんおススメされるという仕組みがあります。さらに、フォロワーがゼロでも“バズる”可能性があるのも特徴のひとつです。こうした特徴も活かしながら、自治体のPRを支援していきたいですね。



世界で累計16億ダウンロードを突破(※)した、150の国と地域に展開するモバイル向けショート動画プラットフォーム。ユーザーが撮影した動画に音楽を組み合わせて、60秒までのオリジナルムービーを制作し、シェアできる。近年は若者だけでなく幅広い年齢層のユーザーが増え、グルメや旅行、教育やスポーツなどコンテンツも多様化。さらに、社会的な問題や課題の解決に貢献するため、自治体との連携も徐々に拡大しつつある。

『TikTok』
https://www.tiktok.com/ja/

(※)sensor tower調べ


黒岩 祐治 (くろいわ ゆうじ) プロフィール
昭和29年、兵庫県出身。昭和55年に早稲田大学政治経済学部を卒業後、株式会社フジテレビジョンに入社。昭和63年から「FNNスーパータイム」「報道2001」のキャスターを21年間務める。ワシントン駐在も経験。平成21年、同社を退社。国際医療福祉大学大学院教授を経て、平成23年、神奈川県知事に就任。現在は3期目。
山口 琢也 (やまぐち たくや) プロフィール
昭和44年、大阪府出身。大阪外国語大学(現:大阪大学)卒業後、ソニー株式会社に入社。内閣官房情報通信技術(IT)担当室にてIT国家戦略立案に携わった後、日本マイクロソフト株式会社、シスコシステムズ合同会社、グーグル合同会社にて公共政策・政府渉外部長を歴任。Facebook Japan株式会社の執行役員を経て、平成30年から現職。
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