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ムリのない包括管理の第一歩は、本庁舎の委託管理から

ムリのない包括管理の第一歩は、本庁舎の委託管理から

群馬県沼田市の取り組み

公共施設の持続的運営

ムリのない包括管理の第一歩は、本庁舎の委託管理から

沼田市 総務部 財政課 FM推進係 副主幹 戸部 隆之
[提供] 日本管財株式会社

※下記は自治体通信 Vol.21(2019年12月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


公共施設の持続的な運営に向けて、施設の包括管理に対する導入機運が自治体の間で高まっている。その一方で、管理に携わる担当部署との調整が進まず、導入に踏み切れないケースも。そんななか、沼田市(群馬県)では、段階的に対象施設を追加する方法で包括管理の導入に取り組んでいる。担当者に、その詳細を聞いた。

沼田市データ
人口:4万7,599人(令和元年9月末日現在)世帯数:2万576世帯(令和元年9月末日現在)予算規模:391億9,592万8,000円(令和元年度当初)面積:443.46km²概要:群馬県の北部に位置し、赤城山や武尊山など「日本百名山」の山々に四方を囲まれ、市街地は、市域を南北に貫流する利根川とその支流により形成された河岸段丘上に広がる。河岸段丘上に沼田城址があることから、「天空の城下町」と呼ばれる。気候は比較的降水量が少なく、夏冬・昼夜の寒暖の差の大きい内陸性気候に属し、果樹や野菜の栽培が盛ん。豊富な降雪量から、首都圏に近いスキー場としても有名。
沼田市
総務部 財政課 FM推進係 副主幹
戸部 隆之とべ たかゆき

施設の総量を40%減らすには、管理状況の相対比較が必要に

―沼田市における公共施設の維持管理方針を教えてください。

 今後40年間で、公共施設の総量を40%削減するとともに、施設の長寿命化対策に注力します。というのも、当市では合併や人口減少などの理由で、市民ひとりあたりの施設面積が全国平均値よりも約5割大きいからです。今後予想される少子高齢化による財政難を考えれば、総量の大幅削減に取り組まざるをえません。そして、建築後30年以上経過する施設が10年後には全体の9割に達するため、長寿命化対策が急務となります。

―具体的対策を教えてください。

 当市がこれまで行ってきた施設の管理体制を見直します。施設の総量を削減するためには、対象施設や削減する時期、削減量の規模などの検討が必要です。そして、施設を少しでも長く使用するには、点検・修繕業務を計画的に進めなければなりません。これらの実現に向けて、すべての施設の管理状況が集約される「包括管理」の導入が必要だと考えました。

―それはなぜですか。

 情報の集約化によって各施設の状況が相対比較できるため、全体最適を意識した「公共施設マネジメント」の推進が可能になるからです。当市はこれまで、約340の公共施設を33の担当部署で個別管理していたため、情報が共有されずにいました。一方、施設を包括的に管理すれば、設備点検の状況や修繕内容などが網羅的に把握できるようになります。さらに、専門知識をもった事業者が業務にあたれば、管理レベルの向上も期待できると考えました。包括管理の導入にあたっては、すべての施設を一気にその対象とはせずに、徐々に広げることにしたのです。

持続的な施設運営だけでなく、住民サービスの向上にも寄与

―なぜ包括管理を段階的に進めることにしたのでしょう。

 すべての施設の担当部署との調整を終わらせてからだと、包括管理のスタートが遅れるからです。じつは、包括管理を導入するには、公募段階で一定数以上の対象施設を提示する必要があると思っていましたが、サウンディング型市場調査(※)で、対象施設を徐々に広げる方法でいいとわかりました。そこで、まずは平成31年3月に竣工する新本庁舎の管理業務を包括委託することに。というのも、本庁舎の管理業務には、設備管理・警備・清掃など管理にまつわるさまざまな業務が含まれるため、今後の包括管理の推進にあたって、本庁舎でのノウハウが各施設に応用できるからです。

 公募では、本庁舎の管理業務の包括委託にあたり、「今後、包括管理が想定される施設」を例示しました。その結果、すでに複数の自治体で包括管理の実績がある日本管財を事業者に選びました。

※サウンディング型市場調査:事業の内容や公募条件などを決定する前段階で、公募により民間事業者の意向調査を実施し、諸条件の整理を行うもの

―今後、包括管理をどう推進していきますか。

 包括管理の第一歩は踏み出せたので、今後は担当部署との調整をムリなく進め、対象施設を段階的に増やしていきます。管理業務の委託によってこれまで職員にかかっていた業務負担が軽減され、観光や福祉の分野などニーズが高まる住民サービスの向上に資源を配分できるようになります。包括管理の推進は、施設の持続的な運営に向けた取り組み以上の効果があると考えています。

 

支援企業の視点

包括管理の枠組みをつくれば、対象施設は徐々に広げられる

日本管財株式会社
営業統轄本部 東日本開発営業部 部長代理 門脇 淳
営業統轄本部 東日本開発営業部 新井 春花
[提供] 日本管財株式会社

※下記は自治体通信 Vol.21(2019年12月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


日本管財株式会社
営業統轄本部 東日本開発営業部 部長代理
門脇 淳かどわき じゅん
日本管財株式会社
営業統轄本部 東日本開発営業部
新井 春花あらい はるか

―自治体の間で、なぜ包括管理の導入機運が高まっているのでしょうか。

門脇 施設の統廃合や長寿命化対策が自治体に求められるなか、施設の状況を一元管理できる包括管理の導入が、推進のための第一歩と考えられているからです。しかし、庁内調整に時間がかかることもあり、導入は十数の自治体にとどまっています。「『自分たちで管理する予算が減ってしまう』といった理由で、施設管理に携わる部署から合意を得られない」と悩む自治体は多いですね。

―どうすればいいのでしょう。

新井 調整できた部署の施設から、段階的に包括管理を始める方法が有効です。「最初にどのくらいの施設を対象にすべきか」という問い合わせをよくいただきますが、沼田市のように本庁舎だけでもいいと思います。まずは包括管理をスタートさせ、枠組みをつくることが重要です。その後に庁内調整を進め、対象施設を増やすほうが推進しやすいと思います。

―今後の自治体支援の方針を聞かせてください。

門脇 当社は、産学連携で包括管理の推進に取り組んでいるため、学識経験者から客観的に、包括管理の重要性や効果の高さを施設担当者に伝える支援もできます。施設の持続的な運営のために包括管理の導入を考えている自治体のみなさんは、ぜひ当社にお問い合わせください。

門脇 淳 (かどわき じゅん) プロフィール
昭和53年、兵庫県生まれ。大阪学院大学卒業後、平成14年に日本管財株式会社入社。業務部門を経て、現在の新規受託営業に携わる。
新井 春花 (あらい はるか) プロフィール
平成5年、岩手県生まれ。新潟大学卒業後、平成28年に日本管財株式会社入社。人事部門を経て、現在の新規受託営業に携わる。
日本管財株式会社
設立 昭和40年10月
資本金 30億円
売上高 979億2,900万円(平成31年3月期:連結)
従業員数 9,492人(平成31年3月現在:連結)
事業内容 建物総合管理事業、保安警備事業、環境施設管理事業、プロパティマネジメント事業、マンション管理事業など
URL https://www.nkanzai.co.jp/
お問い合わせ電話番号 営業統轄本部マーケティング推進部
03-5299-0851(平日9:00〜17:00)
お問い合わせメールアドレス eigyo_market@nkanzai.co.jp