全国の自治体トップ・職員・議員に贈る
自治体の"経営力"を上げる情報サイト
自治体通信Online

民間企業の取り組み

国際放送を活用した地域のPR

世界中で視聴可能なテレビ番組で、各国の多様な層を誘致せよ

株式会社日本国際放送 代表取締役社長 城本 勝
[提供] 株式会社日本国際放送

※下記は自治体通信 Vol.21(2019年12月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


増え続ける訪日外国人をいかに地方に呼びこみ、地域の活性化につなげるかが、自治体の課題となっている。NHKの子会社で、テレビの国際放送を手がける日本国際放送の城本氏は、「来てほしい外国人の層に合った情報発信手段で、地域の魅力を伝えることが大切」と提言する。訪日外国人を迎える地域の動向や、有効な情報発信手段について、同氏に聞いた。

株式会社日本国際放送
代表取締役社長
城本 勝しろもと まさる

受け入れ環境の充実が、訪日外国人の増加要因に

―訪日外国人の増加をめぐる地方の動向を聞かせてください。

 私はNHKの記者や解説委員などを通じて35年間、地方自治や地域の課題を取材してきましたが、とくに最近、地方を取り巻く環境は激変していると実感します。

 訪日外国人数は平成25年に1,000万人を超えたことが話題になりましたが、昨年は3,000万人を突破。わずか5年間で3倍へと急速に増加しました。訪日外国人が足を運ぶ範囲も、東京や大阪、京都といった大都市から、日本中の地方へと広がってきているのを実感します。

―そうした傾向は今後も続きそうでしょうか。

 情報通信の発達や交通インフラの整備、インバウンド誘致に注力した政府の施策が継続するなか、今後も訪日外国人の増加は続くとみられます。とくにこの先の数年は、東京オリンピック・パラリンピック(以下、東京五輪)や大阪・関西万博など、国際的な大規模イベントが目白押しです。地方で食事やスポーツ体験、温泉入浴などを楽しむ「コト消費」への関心が高まっているのも、自治体にとって追い風になっています。

 このように、海外からより多くの旅行客を受け入れる環境や機会が充実するなか、各自治体はいかにそれぞれの地域の魅力を世界に発信し、地域経済の活性化につなげるかが課題となっています。

―訪日外国人を呼び込むにあたってのポイントはなんでしょう。

 それぞれの地域を訪れる外国人がどのような層なのか見極めたうえで、地域の魅力を発信することが大切です。

 たとえば若者に対しては、SNSを使ったプロモーションがここ数年で非常に注目されています。SNS上で多くのフォロワーを抱え、影響力をもつ「インフルエンサー」を活用できれば、若者を中心としたユーザーに情報を急速に拡散できます。

 一方で、東京五輪といった大型イベントを目的に日本を訪れる人々を考慮すると、テレビによる情報発信も有効なプロモーション手段として注目できるでしょう。SNSを含むWebとテレビは、情報発信手段の、いわば車の両輪なのです。


生活にゆとりのある世代は、テレビの視聴傾向が高い

―テレビが有効なプロモーション手段となるのはなぜですか。

 スポーツを観戦する人や年齢が比較的高い層は、テレビをよく視聴する傾向があり、今後はそうした層が日本を訪れる可能性が非常に高いからです。

 東京五輪のような大きなスポーツイベントが目的で日本を訪れるのは、まさに先ほど言った、スポーツ好きで、時間や生活にゆとりのあるシニア層。「せっかく日本へ行くのだから、競技会場がある都市だけでなく、ほかの地域にも足を伸ばしたい」と考える人が多いようです。そのため、こうした訪日外国人を呼び込むには、テレビの国際放送を通じて地域の魅力を海外に発信することが重要になってきます。

―具体的にどのような媒体で情報を発信できるのでしょう。

 幅広く世界に情報を同時に発信できるテレビ国際放送の活用が有効でしょう。たとえば、「NHK WORLD-JAPAN」は、世界160の国と地域、3億世帯において24時間視聴が可能です。おもに外国人を対象とし、番組はすべて英語で放送されています。そして、視聴者層の多くは日本への関心が高く、非英語圏においては英語が理解できる層が多いのが特徴。地方で積極的に消費してくれる外国人を誘致するには、有利な情報発信手段といえるでしょう。

 NHKの子会社である当社は、この「NHK WORLD-JAPAN」のなかで毎週金曜日に当社独自の放送枠を設け、日本の情報を伝える番組を制作・放送しています。

―番組の詳細を教えてください。

 たとえば、日本の地方における魅力を発信することに特化した『Catch Japan』。放送時間が30分の番組で、これを「観光」「食」「技術」「環境」といった約5分単位のセグメントに分割し、それぞれ異なる地域の魅力を発信しています。短時間のコンテンツに分割することで、スポンサーとなる自治体は制作費を抑えつつ、NHKグループの映像制作ノウハウを活かして地域の情報を発信できるのです。

 そして、放送に際して当社は各国で視聴モニターも実施。放送終了後には、視聴者30~50人ぶんの感想を、番組の総評とあわせて日本語のレポートにまとめ、無償で提供しています。

世界で主流な動画配信手段で、継続的に情報を発信する

―フィードバックをその後の施策にも活用できるのですね。

 ええ。このほか、テレビとWebの両輪による情報発信の支援として、制作した映像を繰り返し視聴できる仕組みも整えています。たとえば、『Catch Japan』の専用サイトや、「You Tube」「Facebook」の公式ページのほか、「Roku TV」や「Apple TV」などメディアストリーミング端末に動画を配信。Webを活用する若年層にもアピールできます。

 さらに当社では、コンテンツの著作権を共有するカタチで、制作した映像をスポンサーである自治体に無償で提供。番組の映像を展示会のブースで上映したり、公式サイトやSNSで動画を配信したり、二次利用してもらえます。英語以外の言語で、字幕をつけるサービスも行っています。


外国人との共存・共生も、自治体の課題に

―自治体に対する今後の支援方針を聞かせてください。

 国際化が否応なく進むなか、これからは、旅行やビジネスで日本を訪問する外国人だけではなく、日本で働く外国人も増えていくでしょう。そうなると、各地の自治体は、海外だけでなく、国内に滞在する外国人に対しても、さまざまな情報を発信する必要性が高まっていきます。

 NHKグループは、地震や台風などの災害における外国人向けの放送や、日本語学習の番組の制作も行っています。こうした、グループが培ってきた映像制作と国際放送のノウハウを活かし、自治体におけるさまざまなニーズに合わせるカタチで、地域のみなさんと外国人との共存・共生にも貢献していきたいと考えています。


「すべて訪れてみたい」地域の紹介に海外から反響

 海外から旅行客を呼び込む機運が高まるなか、姫路市(兵庫県)もインバウンド観光に注力する自治体のひとつだ。同市は、世界文化遺産の姫路城だけでなく、近隣地域の魅力も海外に広めようと、『Catch Japan』向けに映像を制作。今年8月末に、世界に向けて放送した。

 映像のテーマは、「WhiteTour(“白”の旅)」。シラサギが羽を広げたような姿から、“白鷺城”の異名をもつ姫路城のイメージに結びつけ、日本国際放送の制作スタッフが企画した。姫路城の紹介から始まり、日本酒の原材料となる白い米や、和菓子、姫革細工など、白を基調としたアイテムを散りばめ、市内の酒蔵や地場産業も紹介した。

 日本国際放送が26ヵ国の視聴者を対象に実施したモニターによると、オランダに住む編集者の50代女性は、「姫革細工の美しさに惹き込まれた」との声を寄せた。また、アメリカの大学講師の30代女性は、「日本のほぼすべての城を訪れたことがあるが、姫路城周辺の情報は知らなかった。次に日本へ行くときは紹介された場所をすべて訪れてみたい」と感想を伝えた。


幅広く世界へ発信できる魅力

 姫路市観光企画課の担当者は番組の放送について、「広く世界中に情報発信できること」に魅力を見出している。番組では、姫路城が英国ウェールズのコンウィ城、フランスのシャンティイ城、ドイツのノイシュバンシュタイン城など、世界の名城と交流があることにも触れており、「当市と友好関係をもつ幅広い国の視聴者に姫路を知ってもらいたい」と期待する。

 今後は、映像をプロモーションビデオとして、海外でのPR活動や、旅行代理店への提案にも活用したい考えだ。

城本 勝 (しろもと まさる) プロフィール
昭和32年、熊本県生まれ。昭和57年、日本放送協会(NHK)に入局。政治部記者、解説副委員長、福岡放送局長などを歴任する。平成30年、株式会社日本国際放送の代表取締役社長に就任。
株式会社日本国際放送
設立平成20年4月
資本金3億9,000万円
売上高81億1,309万6,000円(平成31年3月期)
従業員数85人(平成31年3月現在)
事業内容テレビ国際放送向け番組の企画・制作、衛星放送を使用したテレビ国際放送、インターネットを活用した海外向けテレビ国際放送の送信など
URLhttps://www.jibtv.com/
お問い合わせ電話番号 03-3464-8916( 平日10:00〜17:00) 企画営業 高橋(康子)、末廣
お問い合わせメールアドレスcatchjapan@jibtv.com
この記事で紹介している
広報・広聴ソリューションに関する資料をダウンロードする
自治体通信メール版

「自治体通信オンライン」の最新記事や、イベント情報などをいち早くお届けします。

※このサイトは取材先の企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。ユーザーは提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。自己の責任において就職、転職、投資、業務提携、受発注などを行ってください。くれぐれも慎重にご判断ください。

【特別号】~いま注目のRPAを読み解く~
街路灯リニューアル専用ポール QQポールで街路灯リニューアル
資料一覧ページ
コンシェルジュ
[PR]

自治体の取り組みを探す

課題から探す
地域から探す

自治体通信

自治体通信

自治体通信は経営感覚をもって課題解決に取り組む自治体とそれをサポートする民間企業を紹介する情報誌です。
自治体関係者の方に無料配布しております。

自治体通信への取材希望の方

自治体通信編集部では、「自治体の"経営力"を上げる」というテーマのもと紙面に登場いただける自治体関係者・自治体支援企業の方を募集しております。

取材のご依頼はこちら
地域別ケーススタディ
課題別ケーススタディ
【特別号】~いま注目のRPAを読み解く~
街路灯リニューアル専用ポール QQポールで街路灯リニューアル
資料一覧ページ
コンシェルジュ
調達インフォ
[PR]
pagetop