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大分県別府市の取り組み

RPA本格導入への準備

実証実験では見えない、真にRPAを使いこなすための条件とは

別府市 企画部 情報推進課 課長 浜崎 真二
[提供] アジアクエスト株式会社

※下記は自治体通信 Vol.21(2019年12月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


業務効率化の「切り札」として本格導入期を迎えたRPAだが、いま本格導入を前にした一部の自治体に、継続的に導入効果を出すことの難しさを指摘する向きがある。RPA試行で高い成果をあげ、注目を集めている別府市(大分県)も、そうした自治体のひとつである。その理由とはなにか。RPAの本格導入にあたり、継続的に導入効果を得るために必要な施策について、同市担当者の浜崎氏に聞いた。

別府市データ
人口:11万7,217人(令和元年9月30日現在) 世帯数:6万2,571世帯(令和元年9月30日現在) 予算規模:1,028億2,100万円(令和元年度当初) 面積:125.34km² 概要:九州の北東部、瀬戸内海に面した大分県の東海岸のほぼ中央に位置する。古くから日本を代表する温泉地として賑わい、歴史と文化あふれる国際観光温泉文化都市。大地から立ちのぼる「湯けむり」は別府を象徴する風景として市民や観光客から親しまれている。市内には、別府八湯と呼ばれる8つの温泉エリアが点在し、毎分8万7,000ℓを超える温泉は、日本一の湧出量と源泉数を誇る。
別府市
企画部 情報推進課 課長
浜崎 真二はまさき しんじ

「シナリオの完成度」や「稼働率の維持」という問題

―別府市が行ったRPA導入の検証内容を教えてください。

 昨年11月から6ヵ月にわたって、2部署15業務を対象にRPAの試行を実施しました。ここで検証を試みたのは、RPAによる業務時間の削減効果にくわえ、市職員による「シナリオの内製化」の可能性でした。導入後に職員が日常的に使いこなすためには、シナリオを職員が自作できることが、ひとつの条件になると考えたからです。

―試行の結果はいかがでしたか。

 15業務で年間1,265時間を要していた作業時間が、わずか187時間へと85.2%の削減効果が得られました。また、15業務すべてのシナリオを内製化することもできました。この結果、RPAの全庁展開に乗り出すことを決め、新たに2部署を適用対象にくわえました。一方で、その本格導入の段階で、実証実験だけではわからなかった課題が浮上しました。

―課題とはなんでしょう。

 RPAは、導入効果が高く、導入のハードルは低いものの、継続的に効果を出し続けるのは意外に難しいという現実です。たとえば、シナリオ作成にしても、RPAを動かすだけならば職員でもできましたが、全庁展開に際してシナリオを量産化する局面になると、ひな形となる初期作成のシナリオの完成度が厳しく問われます。量産化作業の生産性やその後のメンテナンスコストの大きな差につながるためです。また、RPAの稼働率の問題も重要です。ひとつの部署で数十業務を継続的に適用できるのであれば、その部署にRPAを1台導入しても、稼働率は高く維持できます。しかし、複数部署で運用する場合、中央サーバで集中管理したり、精密な運用スケジュールを策定するなど、技術的なノウハウが必要になります。


導入支援企業の重要性

―そうした課題をどのように解決したのですか。

 RPAを熟知し、民間での大規模導入事業も経験しているシステム開発会社と提携し、RPAの導入支援を依頼しました。まずは、RPA推進プロジェクトを立ち上げてもらい、量産化のひな形となるシナリオを新たに作成してもらいました。その精度が極めて高く、ムダを排したシナリオが作成されたため、量産化作業の生産性が高まると期待しています。

 また、試行の段階でRPAの可能性を感じる反面、自治体には手書き文書や不定形書類が多く、適用できない業務が多いことにも気づいていました。それに対し、提携先のアジアクエストからはAI-OCRの適用が提案され、RPAと組み合わせた効果検証も実施することになりました。これにより、RPAの適用範囲が広がれば、稼働率の維持にも効果を期待できます。

―RPA活用に向けた、今後のビジョンを聞かせてください。

 当市では、内製にこだわりRPAを推進していきたいと考えていますが、専門的な知識を持つ企業の支援は重要だと思っています。今後は、アジアクエストと連携し、人材育成をはじめ、最新技術と組み合わせるなど、RPAの導入効果をさらに高める施策に力を入れていきます。当市では、「デジタルファースト宣言」を行い、全庁的なIT活用の推進を打ち出しています。今回の提携を通じて民間での導入実績も参考に、ITの導入を住民サービスの向上に役立てていきたいですね。

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