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東京都品川区の取り組み

非常用電源の確保①

備蓄倉庫に水・食料だけでなく、電気も配備してライフラインを強化

品川区 防災まちづくり部 防災課長 中島 秀介
[提供] 株式会社シーンズ

※下記は自治体通信 Vol.20(2019年10月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


昨年9月に起きた北海道胆振東部地震では、スマートフォンの電源が切れ、通信手段が途絶えて不安にかられる被災者の様子が各種メディアで報じられた。この報道で、災害時における電力確保の重要性があらためて認識されたなか、品川区(東京都)では、避難所の備蓄倉庫に大容量蓄電池を配備してその対策に乗り出した。同区担当者に、非常時における電力確保の取り組み状況を聞いた。

品川区データ
人口:40万468人(令和元年8月1日現在) 世帯数:22万4,729世帯(令和元年8月1日現在) 予算規模:2,598億1,118万8,000円(令和元年度当初) 面積:22.84km² 概要:東京湾に面した臨海部と山の手に連なる台地からなり、古くから交通、交易の拠点として栄えてきた。「大森貝塚」など歴史に名を残す史跡も数多くあり、弥生時代や古墳時代以降を含めると24ヵ所の遺跡が存在する。江戸時代には東海道第一の宿としてにぎわい、明治時代に入ってからは、京浜工業地帯発祥の地として発展。近年は、工場跡地などの再開発により新しいまちがつくられ、産業や文化の伝統を守るとともに、情報発信都市として伸展している。
品川区
防災まちづくり部 防災課長
中島 秀介なかじま しゅうすけ

災害時のスマホ充電問題で、電気の重要性を再認識

―品川区における災害時の非常用電源確保の取り組み状況を教えてください。

 区の本庁舎や防災センターに非常用発電機を整備して、災害時に対策本部としての機能が果たせるだけの電力を確保できるように準備しています。そのほか、小学校など52ヵ所の区民避難所にも、建物の非常用電灯や保健室などへ電気を供給できるように、非常用発電機を設置しています。

 これらの取り組みは、東日本大震災が発生する前から率先して行ってきましたが、昨年9月に起こった北海道胆振東部地震の状況を見て、さらなる対策が必要だと感じました。

―どういった対策でしょう。

 被災者の重要な情報収集手段である「スマートフォン向けの電気を供給する」という対策です。地震があった現地では、大規模な停電が長時間続いたことでスマートフォンの充電がなくなってしまい、多くの住民が自治体庁舎に押し寄せたと聞きました。「どうにかして充電できないか」「家族と連絡が取れない」と困り果てている様子を、各種メディアが取り上げているのを見聞きし、「被災者が情報収集できるように、充電できる準備もしなければいけない」と感じたのです。

―それをどう進めたのですか。

 まずは、災害時に被災者が集まる52ヵ所の避難所で電気を供給すれば、多くの方々に対応できると考えました。

 その場合、「蓄電池による電気の供給が最適だろう」という結論になりました。なぜなら、災害時には職員の人手が限られるため、避難所運営にはどうしてもそこに集まった方々の協力が必要だからです。電気の供給を手伝ってもらう際、燃料が必要な非常用発電機だと管理が難しいのですが、蓄電池は管理する手間も少なく、そのまま使えるので安全です。このように、蓄電池のメリットは多いのですが、クリアしなければならない問題もありました。


主要駅に集まる帰宅困難者に、電気の供給態勢を整備する

―どういった問題でしょう。

 供給できる電力容量の問題です。私たちが1ヵ所の避難所で想定している数百人ぶんを対象とした、可搬性のある大容量の蓄電池を探したのですが、なかなか見つかりませんでした。据置型の大型蓄電池であればそれだけの電気を供給できますが、私たちは区民避難所のほかにも、大井町駅、大崎駅、五反田駅、目黒駅の区内主要4駅周辺に集まる帰宅困難者に対して、電気を供給できる態勢も計画しています。そのため、「大容量電力で可搬性のある蓄電池」が必要だったのです。

 そこで、今回採用したのが、蓄電容量が5,656Whの『PG-6000』と、蓄電容量が2,962Whの『PG-3000』です。

―どのような蓄電池ですか。

 メーカーの試算では、前者は一度に565台、後者は296台のスマートフォンをフル充電することができます。両方ともスーツケース型の形状で、キャリーバーとキャスターがついているため、簡単にもち運ぶことが可能です。そのほか、太陽光発電パネルを接続して蓄電池に充電できるため、かりに電力供給のインフラが復旧しない場合でも発電し続けることができるのです。

 今回、多くの帰宅困難者に対応することが想定される主要4駅向けに『PG-6000』を、52ヵ所の区民避難所と10ヵ所の区有施設には、『PG-3000』を採用しました。

―非常用電源の確保を通じた被災者支援策について、今後の方針を聞かせてください。

 日常生活においても、スマートフォンが使えなくなれば不安を感じるものです。災害時にそうなってしまえば、自分がいる近くの被害情報さえ入手できず、家族や友人の安否確認も取れなくなるため、不安感はなおさら増すでしょう。万が一災害によって停電が発生しても、当区が蓄電池を備蓄することで、災害時でも落ち着いて、安心して生活できる環境を提供します。

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