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大分県大分市の取り組み

「PFI的手法」による公共施設整備

官民が連携した「攻めの整備・運営」で、再開発エリアのにぎわいを広げる

大分市 企画部文化国際課 文化施設担当班グループリーダー 参事 幸野 佳枝
[提供] 日本管財株式会社

※下記は自治体通信 Vol.20(2019年10月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


エリア一体の再開発事業を進めるうえで、「中核施設」の存在は欠かせない。今年5月に発表された「都市景観の日」実行委員会主催の「都市景観大賞」で、国土交通大臣賞を受賞した大分市(大分県)の「大分駅南地区」では、PFI方式(※)を参考にした「中核施設」の整備が行われた。施設の運営を手がける同市担当者に、事業の概要と、PFI方式を参考にした施設整備がどのような効果をもたらしたかを聞いた。

※PFI方式:Private Finance Initiativeの略。民間企業が事業主体となって、公共施設の設計、建設、運営、維持管理などを行うもの

大分市データ
人口:47万8,499人(令和元年7月末日現在) 世帯数:22万1,999世帯(令和元年7月末日現在) 予算規模:3,160億6,900万円(令和元年度当初) 面積:502.39km² 概要:九州の東端、瀬戸内海の西端に位置し、周辺部を高崎山、九六位山、霊山、鎧ヶ岳、樅木山などの山々が連なり、市域の半分を森林が占めるなど豊かな緑に恵まれている。交通では、日豊、久大、豊肥の鉄道3線や高速道路など県内外からの主要幹線道が合流しており、また、豊後水道を経由して内外に通じる海上交通が発達し、東九州における経済活動の一大拠点を担っている。
大分市
企画部文化国際課 文化施設担当班グループリーダー 参事
幸野 佳枝ゆきの よしえ

PFI方式を想定し、懸案の大規模開発事業に着手

―「都市景観大賞」で、今年は大分市が国土交通大臣賞を受賞しましたね。

 はい。平成8年から20年間にわたる「大分駅南地区」における「大分駅周辺総合整備事業」で生まれた、良好な都市景観が評価されました。じつは、大分駅の南地区は、行政機関や商業施設が集積する北地区とは対照的に開発が遅れていました。北地区とは線路で分断されていたため一体的な開発ができず、十分に活用されない国鉄跡地などの土地が広大に残っていたのです。そこで、中心市街地との一体的な発展と都市機能の強化を目的に、再開発事業に乗り出しました。

―事業の概要を教えてください。

 区画整理事業や駅の高架化による駅南北の一体化、さらに通常の道路でも珍しい幅員100mのシンボルロード「大分いこいの道」を整備しました。大分の玄関口にふさわしいこの開放感のある空間が、良好な都市景観をつくりあげています。

 そして、この空間と一体となって機能する複合文化交流施設「J:COMホルトホール大分」を同時に整備したことは、駅周辺街区における利便性の高さを実現し、評価ポイントのひとつになりました。

―施設の整備はどのように進められたのでしょう。

 民間企業の創意工夫を取り入れるため、官民連携の事業手法を考えていました。なかでも近年、法制化以降、全国的にも公共施設整備・運営で事例が増えているPFI方式の活用を想定していました。

―PFI方式の活用を想定した理由はなんですか。

 施設整備や整備後に提供する公共サービスを、民間企業へ一括発注できるため、専門的なノウハウ・技術を最大限に活用できることです。そして、一括発注によって総事業費の削減が期待できます。そのほか、建設資金を事業期間全体で分割できるので、財政事情に大きく左右されない整備が可能に。一方、事業公告などの手続きが必要なため、整備を迅速に進められない側面もあります。

―そういったなか、どのような整備手法で進めたのでしょう。

 民間への一括発注でえられるメリットと、整備事業の迅速化を優先し、PFI方式の一種であるBTO方式(※)を採用しながらも、建設資金は一括調達してPFI法を適用しない、いわゆる「PFI的手法」をとることにしました。そのなかで、公共施設運営やPFI方式の活用に多くの実績をもつ日本管財を代表とする、民間12社の企業グループを事業者に選びました。

※BTO方式:Build Transfer Operateの略。建設・資金調達を民間企業が担って、完成後は所有権を公共に移転し、その後は一定期間、運営を同一の民間企業に委ねる方式

144億円から125億円へ、総事業費を削減

―「PFI的手法」を活用した効果はいかがでしたか。

 期待以上の効果がえられました。整備面では、一括発注によって当初144億円を想定していた総事業費を125億円に削減でき、工期も当初計画を大きく下回りました。

 さらに、整備後の運営でも、ケーブルテレビ局など公共施設と関連性の高い施設を誘致し、イベントも多数開催。交流が深まる場をめざし、文化・情報の発信拠点としての機能強化につながっています。まさに、官民連携の「攻めの運営」で、世代を問わず施設利用者が横断的に交流する施設運営が実現しています。


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