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BCP対策の観点からも、施設情報の一元管理は重要に

支援企業の視点②

公共施設の包括管理②

BCP対策の観点からも、施設情報の一元管理は重要に

鹿島建物総合管理株式会社 営業本部 官民連携推進部 部長 柴田 孝行
株式会社イー・アール・エス 代表取締役社長 古澤 靖彦
株式会社アバンアソシエイツ 取締役 プロジェクト推進部長 清代 整
[提供] 鹿島建物総合管理株式会社

※下記は自治体通信 Vol.20(2019年10月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


前ページでは、公共施設の包括的な管理に取り組む東大和市の事例を紹介した。ここでは、鹿島グループで建物管理、BCP対策、施設活用コンサルティングを手がける3人の専門家を取材。あらためて、自治体における公共施設運営の課題、包括管理を導入するメリット、さらに包括管理が地震時のBCP対策につながる関係性などを聞いた。

鹿島建物総合管理株式会社
営業本部 官民連携推進部 部長
柴田 孝行しばた たかゆき
株式会社イー・アール・エス
代表取締役社長
古澤 靖彦ふるさわ やすひこ
株式会社アバンアソシエイツ
取締役 プロジェクト推進部長
清代 整きよしろ せい

自治体の悩みの根源は、施設情報の未整備

―自治体では、今後の公共施設の運営についてどのような方針を掲げていますか。

柴田 多くの自治体が「施設の統廃合」「施設の長寿命化」の推進を掲げています。今後の人口減少で財政状況が厳しくなることに対処しようとするものですが、「具体的にどう進めればいいのかわからない」と悩む自治体は多いですね。

―それはなぜでしょう。

柴田 これまで自治体では、公共施設の管理業務について、それぞれの施設を担当する部署が別々に取り組んできたため、施設の現状や管理水準が共有されてこなかったことが大きな要因です。そのほか、定期的な人事ローテーションのため、担当職員が建物管理の専門知識を有していないケースが多く、効率的に管理業務を進めることができなかった。

 一方で、施設の統廃合や長寿命化対策に取り組むには、すべての施設の管理情報を一元化し、それぞれの施設の「修繕内容」「工事時期」「利用状況」「維持管理にかかるコスト」などを横断的に把握することが必要です。それを実現するひとつの手段が、私たちのような専門事業者が施設管理を手がけ、情報を一元管理する「包括管理」です。


施設情報の相対比較で、優先順位をつけて対応できる

―包括管理を導入する自治体は増えていますか。

清代 ええ。現在は10自治体ほどの導入にとどまっていますが、導入を検討している自治体は多いです。これから人口が減少していくなかでは、公民連携でまちを支えていく体制づくりが必要不可欠です。それは、平常時の「いつも」からシームレスに災害時の「もしも」に移行できる体制であることが大切です。そういう状況のもと、「包括管理」と「震災時の対応」を一緒に手がけることが重要であると、私たちは提唱しています。

―詳細を教えてください。

清代 たとえば、包括管理者による「震災時における優先的な施設巡回点検の実施」があげられます。

柴田 地震発生後に施設の安全確認を行ううえで、「耐震工事が実施ずみで、設備に不具合はない」という公民館と、「耐震工事が未着手で、設備に不具合がある」という庁舎があれば、庁舎を優先的に巡回点検するという判断ができます。

 災害時は住民の安全確認や災害対策本部の業務などで、自治体職員の人手は不足します。そのなかで、施設の安全性を迅速に確認しなければ、たとえば避難所に指定されている施設を開設できません。そういったときに、情報の一元管理で施設情報を相対比較できれば、何十施設とある公共施設のなかで、どこを優先的に巡回するかを判断しやすくなります。私たちが、今年4月から施設の包括管理を行っている東大和市では、地震時を想定した施設管理体制の強化策として、同じ鹿島グループのイー・アール・エスが開発した『建物被害情報ピンポイント配信システム』を導入しています。情報の一元管理による優先順位をつけた対応を、さらに的確にするシステムとして評価されています。


地震発生から30分後には、施設の被害状況をメール配信

―システムの詳細について教えてください。

古澤 文部科学省所管の国立研究開発法人・防災科学技術研究所が発信する、250mメッシュ単位の震度情報をもとに、各施設の震度や点検の要否を推定して伝えるものです。発信される震度情報には立地ごとの地盤による震度への影響が考慮されており、さらに建物の構造種別、高さ、築年数などの建物個別情報を加味し、独自の計算式を使って被害を推定します。地震発生から30分後には、各施設の被害状況や点検の要否について、必要性の高い順から「緊急」「要」「否」といったカタチでわかりやすくメール配信します。かりに複数施設が「要」となっていれば、一元管理された施設情報を相対的に評価して、どの施設から優先して点検すべきかを決められるでしょう。再来年の3月末まで、自治体のみなさまにはランニングも含めてコストフリーでご利用いただけるスキームを紹介しています。

 東大和市では、このシステムの導入から1ヵ月経過した5月に、やや大きな地震を観測しました。そのときは、すべての施設が「否」の判定だったため、緊急で特別な対応をせずにすんだようです。


対応状況をその場で入力し、リアルタイムに情報を共有

―システムの活用で効率的な地震対応が可能になりますね。

柴田 そのとおりです。さらに当社では、災害時における施設の被害対応状況を担当者がその場でタブレット端末から入力し、社内で共有するシステム『Nadiss®』を構築しています。施設の状況が即座に共有・集約できるため、災害対策本部で情報を確認し、今後の対策の検討が迅速にできるのです。昨年11月から本格運用し、東大和市の施設も含めて全国で管理している2,700棟に対応しています。

―自治体における今後の支援方針を聞かせてください。

清代 まちづくりのコンサルティングを手がける当社は、経済・財政動向、人口動態、SDGs(※)への対応といった社会的課題に配慮しながら、公共施設の統廃合・複合化などの提案ができます。さらに、公民連携による最適な住民サービスの提供を提案していきます。まちづくりにかんする悩みごとがあれば声をかけていただき、自治体のみなさまと一緒に課題を解決できればと思います。

SDGs:平成27年の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標」の略称。健康や教育、まちづくりなど、令和12年までに達成すべき国際社会共通の17の目標からなる

古澤 現在の地震情報の配信にくわえて、今後は雨量や浸水危険度、雪氷など自然災害にかんする情報を各自治体へリアルタイムに流せるシステムを構築する予定です。自治体のBCP対策につながる情報発信を強化していきます。

柴田 当社は公共施設の包括管理、イー・アール・エスはBCP対策、アバンアソシエイツは施設の統廃合計画の策定支援など。自治体が公共施設を持続的に運営していけるよう、私たち鹿島グループの力を結集してサポートしていきます。



避難所指定されている施設は
一刻も早い安全確認が必要に
鹿島建物総合管理株式会社
設立昭和60年12月
資本金1億円
売上高575億円(平成30年度)
従業員数2,313人(平成31年3月末時点)
事業内容建物総合管理事業
URLhttps://www.kajima-tatemono.com/
お問い合わせ電話番号 営業本部 官民連携推進部
03-5228-5165(平日8:30~17:30)
お問い合わせメールアドレスkt-pre@kajima-tatemono.com
株式会社イー・アール・エス
設立平成10年11月
資本金2億円
売上高5億3,000万円(平成30年度)
従業員数21人(平成31年4月時点)
事業内容リスクマネジメントサービス、デュー・デリジェンスサービス、土壌環境サービス、エネルギーマネジメントサービス
URLhttps://ers-co.co.jp/
株式会社アバンアソシエイツ
設立昭和61年8月
資本金5,000万円
売上高2億円(平成30年度)
従業員数17人(令和元年7月時点)
事業内容都市計画・地域開発・地方創生・公共施設マネジメントなどのコンサルタント業務、エリアマネジメント業務など
URLhttps://www.avant-a.jp/
柴田 孝行 (しばた たかゆき) プロフィール
昭和53年、広島県生まれ。近畿大学卒業後、平成13年に鹿島建物総合管理株式会社へ入社。平成14年に鹿島建設株式会社へ出向。帰任後、官民の施設を対象に建物管理計画の策定や建物管理業務の新規受注営業に携わる。平成29年から現職。
古澤 靖彦 (ふるさわ やすひこ) プロフィール
昭和36年、東京都生まれ。昭和59年、早稲田大学理工学部を卒業後に鹿島建設株式会社へ入社。同社技術研究所在任中に東京大学生産技術研究所に研究員として従事。平成7年、同大学より博士(工学)取得。以降、不動産開発、営業部門などを経て株式会社イー・アール・エスへ出向、平成29年6月から現職。
清代 整 (きよしろ せい) プロフィール
昭和38年、兵庫県生まれ。早稲田大学理工学部建築学科大学院卒業後、昭和63年に鹿島建設株式会社へ入社。開発事業本部において、オフィスやマンションなどの開発事業に携わる。平成29年から、株式会社アバンアソシエイツへ出向と同時に現職。
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