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ドライブレコーダーを活用した、運転診断・講習会の実施

映像で危険な運転を可視化して、高齢ドライバーの事故を未然に防ぐ

一般社団法人高齢者安全運転診断センター 専務理事 石田 浩
[提供] 一般社団法人高齢者安全運転診断センター

高齢ドライバーの重大事故が相次いでいることから、高齢者へ運転免許証の自主返納を呼びかける風潮が、社会全体で強まっている。そんななか、高齢者安全運転診断センター専務の石田氏は、「自主返納の呼びかけは大切」としつつも、「それだけでは根本的な解決にならない。自分の運転を客観視できるドライブレコーダー(以下、DR)を活用した対策を進めるべき」と語る。石田氏に、提言の詳細を聞いた。

※下記は自治体通信 Vol.19(2019年8月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

運転を客観視できない高齢者。地方では車を手放せない現実も

―自治体は高齢ドライバーの事故防止対策をどう進めていますか。

 大きく分けてふたつあります。まずは、高齢者に運転免許証の自主返納を促す取り組み。もうひとつは、交通安全の講習会などを開き、安全運転の意識を高めてもらう取り組み。前者は事故抑制に直接つながりますが、公共交通機関が発達していない地方部では、車がないと生活できない高齢者は多い。そして、高齢者は長年の運転経験から「自分の運転に問題はない」と思いがちに。今後も多くの高齢者が運転を続ける以上、高齢者に自分の運転能力を客観視してもらうことが必要だと思います。

―なぜ「運転の客観視」が必要なのでしょう。

 自分がどんな運転をしているかがわかれば、安全運転の意識が高まるからです。たとえば家族から「運転が危ない」と注意されても、どうしても他人事のようにばくぜんととらえる高齢者は多い。しかし、実際に「左折の際に左後方の確認が不十分な癖がある」など、自分の危険な運転を目の当たりにすれば、「安全運転を心がけよう」と自覚する。そこで当社では、DRを活用した運転診断サービスを提供しています。高齢者がいつも運転する車に車内外の様子を撮影できるレンタルDRを装着し、約2週間走行してもらいます。その映像をもとに安全運転のレベルを診断するのです。

―利用者は増えていますか。

 昨今、高齢者の重大な事故が頻発している影響もあって利用者は増えています。しかし、もっと多くの高齢者に安全な運転を心がけてもらうには、さらなる広がりが必要だと考えています。

危険な運転映像を通じて、自分の運転を振り返る

―どうすれば普及するでしょう。

 当社は、自治体に協力して、危険な運転を記録したDRの映像による安全運転講習会を開いています。この講習会を通じて、自分の運転を客観視できる運転診断サービスの重要性を伝えていきたいと考えています。私たちの講習会は、参加者から「講師が交通安全の重要性を一方的に話すだけのものではなく、実際の運転映像をもとにした内容なので、しっかりと頭に残る」と好評です。DRの映像を見てもらい、「みなさんなら、どう運転しますか」などを題材に全員で議論してもらいます。自分の運転を振り返ることになり、ほんの数秒のわき見運転が事故につながるケースでは、「数秒程度のわき見運転は自分もしている」と口をそろえます。

―映像を自分の運転と重ね合わせているのですね。

 そのとおりです。だからこそ、「自分の運転は大丈夫だろうか」と、講習会後に運転診断を申し込む参加者が多いのです。自分の運転を客観視できる高齢ドライバーが増えれば、そのぶんだけ事故を防げる。高齢ドライバーの事故防止対策を強化したい自治体のみなさんは、ぜひご連絡ください。

「目に焼きつく」講習内容で、安全運転の意識が確実に向上

 当法人の事業のひとつに、地域の高齢者に食事を車で届けるサービスがあります。配達ボランティアの平均年齢は60歳代後半。ボランティアには交通安全講習会に参加するよう促していたなか、ボランティアのひとりから「DRを使った珍しい講習会がある」と紹介され、利用してみました。

 その講習会は、DRの映像をベースに、参加者全員で事故の回避に向けた運転のあり方を議論する内容で、「安全運転の大切さが目に焼きついた」という感想が出るほど。最後には、「慣れた道ほど注意すべき。普段の配送に気をつけよう」と声をかけ合っていました。この講習会で、ボランティアの安全運転の意識は確実に高まったと思います。

ドライバーの「表情」もチェックしてこそ、運転診断はより的確になる

 高齢者安全運転診断センターが提供する「運転診断サービス」の開発にあたっては、高齢者の運転特性とDRの映像分析を研究している東京大学と神奈川大学の研究室が協働参画しました。

 この運転診断は、走行状況だけでなく車内の運転手の様子もDRで同時に録画し、双方の映像を照らし合わせて安全運転のレベルを診断することが特徴です。そのため、「スピードの出し過ぎ」といったたんなる数値データの分析だけでなく、「歩行者があわや飛び出しそうになっていたのに、驚いた表情をせず気づかずにそのまま運転していた」など、事故につながる危険があったことを双方の映像から分析できるのです。そのほか、加齢による視野の狭小化といった高齢者の身体的特性も考慮して、「この交差点での安全確認は、もっと身を乗り出してしっかりと行うべき」といった具体的なアドバイスも診断書に盛り込みます。

 この診断サービスを多くの高齢ドライバーに活用してもらい、安全な運転を続けてほしいですね。

この記事で支援企業が提供している
高齢者安全運転施策の資料をダウンロードする

石田 浩(いしだ ひろし)プロフィール

昭和36年、兵庫県生まれ。昭和62年、保険事故調査専門会社の株式会社審調社に入社。大阪、福岡で事故調査実務に携わる。平成11年より、日本ならびに中国で安全運転支援活動を開始。平成29年、一般社団法人高齢者安全運転診断センターを設立、専務理事に就任。

久保 登(くぼ のぼる)プロフィール

昭和37年、東京都生まれ。東京大学大学院機械工学系修了。船舶・自動車・鉄道などの交通分野の研究に携わる。一般社団法人高齢者安全運転診断センター理事。

一般社団法人高齢者安全運転診断センター

設立 平成29年4月
事業内容 ドライブレコーダーを活用した高齢者向け安全運転診断事業、運転診断にもとづく安全運転指導および教育事業
URL https://kooansin.or.jp/
お問い合わせ電話番号 03-5753-0087(平日9:00〜17:00)
お問い合わせメールアドレス support@kooansin.or.jp
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