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香川県観音寺市 の取り組み

住民の安心安全を守るため防災無線整備は「実効性」を見極めよ

総務部 危機管理課 防災企画係 係長 深川 陽介
[提供] 東京テレメッセージ株式会社

東日本大震災が契機となり、自治体による防災対策はその後大きな進展を見せた。代表的な例が防災行政無線の整備だ。国の支援制度が2020年度に適用期限を迎えることから、各自治体の整備計画はいまピークを迎えている。そうしたなか、同制度を有効活用し、「実効性」の観点から整備計画を見直す自治体が増えている。観音寺市(香川県)もそのひとつだ。担当者にその背景を聞いた。

※下記は自治体通信 Vol.17(2019年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

香川県観音寺市データ

人口: 6万396人(平成31年3月1日現在) 世帯数: 2万5,069世帯(平成31年3月1日現在) 予算規模: 434億1,261万3,000円(平成30年度当初) 面積: 117.84km² 概要: 香川県の西南部に位置する。市の中央部には三豊平野が広がり、東部から西部に向かって財田川、柞田川などの河川が流れ、河口付近に市街地が形成されている。また、島しょ部を有し、三豊平野にはため池が多数点在するなど、観音寺市の地勢の大きな特色となっている。平成の大合併により、平成17年10月11日に旧観音寺市、旧大野原町および旧豊浜町が合併し、新「観音寺市」として発足。西讃地域の中心都市として重要な役割を担っている。

―観音寺市ではどのように防災無線を整備してきたのですか。

 当市は、山間部、有人離島などを有するうえ、平成17年の合併により市域が広がったことで浮き彫りになったのが、情報伝達網の必要性でした。そこで、60MHz帯同報系デジタル防災行政無線の屋外拡声子局を市内147ヵ所に整備し、平成28年度から運用を開始しました。

 しかし、屋外放送は気象状況や地理的条件に影響を受けやすく、運用直後から「聴き取りにくい」という住民の声が相次いだこともあり、屋内で利用する戸別受信機の整備が急務でした。当初は屋外放送の60MHzシステムを利用する戸別受信機の整備を進めていたのですが、いくつかの課題が見えてきました。

―具体的に教えてください。

 ひとつは、電波が弱いため、受信感度が低い地域が出てきてしまうこと。受信機に備えつけのアンテナでは感度は十分ではないため、建物に外部アンテナを取りつけなければなりません。そうなると、家屋を毀損してしまうため、住民の不満や戸別受信機の普及が難しくなることが予想されました。もうひとつは、整備事業費の増大。工事費にくわえ、戸別受信機自体の価格も安くはなく、市内に3000台程度整備する計画を考えると、財政負担の重さに頭を悩ませていました。そこで、さまざまなシステムを比較検討した結果、「280MHzデジタル同報無線システム」を選定したのです。

―選定の理由はなんでしょう。

 先ほどの2つの問題をいずれも解決できることがわかったからです。受信感度の問題では、280MHzシステムは電波強度が強く、建物内への浸透性が高い電波特性もあって、受信機単体で十分に電波を受信できる。外部アンテナが不要なのです。さらに、受信機自体の価格は60MHzシステムの約3分の1と低く、整備費用を大きく抑制できることもわかりました。

二重投資の懸念はなかった

―観音寺市ではすでに60MHzシステムを導入済み。二重投資になる懸念はなかったのですか。

 それはありませんでした。60MHzシステムで整備するよりも、全体の事業費が大きく削減できるわけですから、むしろ事業費の節約につながると判断しました。

 さらに、防災行政無線を整備する際には、充当率100%で交付税措置をとれる「緊急防災・減災事業債制度(緊防債)」を活用できますが、新たに整備する280MHzシステムにもこの制度が活用できることも、整備の後押しとなりました。

―導入後の効果はいかがでしょう。

 住民からの「聴き取りにくい」という声はなくなりました。また、メーカーの協力によって、60MHzシステムと280MHzシステムを統合運用できるワンオペレーションを可能にしたことで、運用上の負担もありません。現在では二重投資の懸念どころか、2つの周波数帯を併用することで、万一の際に備えたリスク分散につながったと評価しています。

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