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日野市(東京都)/青梅市(東京都)/久留米市(福岡県) の取り組み

「テストセンター」の利用により“母集団確保”と“業務効率化”を実現

[提供] 株式会社日本経営協会総合研究所(NOMA総研) 

日本の雇用環境は売り手市場が続いており、自治体でも職員の人材確保に苦慮しているケースは多い。そのなかで、日野市・青梅市(東京都)、久留米市(福岡県)の3市は、従来の試験方式から全国の専用会場を利用するテストセンター方式の切り替えに踏み切った。3市の担当者に、導入経緯や効果などを聞いた。

※下記は自治体通信 Vol.17(2019年4月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―採用で注力していることを教えてください。

 多様な人材採用に主眼を置き、受験者の母集団確保に力を入れています。その背景には、人口減少をはじめとした問題に対して、われわれが高い意識をもっていたことがあります。多様な人材を確保しなければ時代の変化に対応できない。ましてや、従来の採用を踏襲するだけでは、住民に対するサービスも低下してしまうと感じていました。そこで早期から改革に取り組み、平成26年度に学力重視の公務員専門試験を廃止。平成29年度にはテストセンターの利用を決めました。

―どのような変化が見られましたか。

 それまでの受験者数は、毎年250人から300人ほどでしたが、平成26年度に公務員専門試験から適性検査に切り替えたことで、受験者数は537人に増加。また、テストセンター利用の初年は1,436人まで増えました。これまでは近隣の地域からの応募がほとんどでしたが、受験者の最寄りの会場で受験できるとあって、全国からの応募が増えたことが数字にも表れています。

―今後の方針を聞かせてください。

 テストセンターの利用で、母集団を確保できることはわかりました。今後は就職希望者に対して、日野市の魅力を発信することに力を入れていきます。「日野市で働きたい」と志願する受験者を増やすことが、市民に対してよいサービスを提供することにつながると考えています。

―採用試験の変更に踏み切った経緯を教えてください。

 青梅市では「母集団の形成」「採用担当職員の業務過多」という、ふたつの課題を抱えていました。まず、採用に当たって当市が望んでいたのは、地方分権によって年々負担が大きくなる自治体業務に対して、迅速に対応できる人材の確保。しかし、売り手市場の傾向にある昨今、他自治体との競争が激しくなる一方で、母集団の確保すら厳しいのが現状でした。また、従来のやり方では試験会場の手配のほか、会場までの交通手段となるシャトルバスの手配、試験当日の立ち会いなど、担当職員の業務が増えていました。そこで、解決策として平成31年度の採用試験にテストセンターの利用を決めたのです。

―利用効果はありましたか。

 受験者数が前年にくらべて100人以上伸びたうえに、全国からの応募が増えたことが母集団形成を狙う当市にとっていちばんの収穫でした。同時にテストセンター利用に切り替えたことで、職員の負担となっていた準備や試験当日の業務がなくなり、業務改善に結びついています。これまでは9月に実施されていた公務員専門試験に向けて6月頃から準備に追われていましたが、試験方法切り替え後、市として初めて就職フェアに参加して学生と触れ合うなど、有効に時間を使えました。今回の利用は、次年度以降の対策に大きくつながると思います。

―採用試験で抱えていた課題はなんですか。

久留米市では多様な人材を求めていることから、夏期、秋期、冬期の年に3回、合計で30種類を超える試験を実施し、120人を超える採用を行っていました。職種も多岐にわたり、試験実施の回数や募集人数も多いことから、担当職員の業務負担の増大が課題でした。また試験当日の運営は人手不足もあり、他課の協力も不可欠でした。これらを打開するためにもテストセンターを利用しました。

―導入時期を教えてください。

 平成29年度冬期の試験から利用しました。受験者は最寄りのテストセンター会場で受験するため、試験会場や試験問題の手配、試験の立ち会いといった業務はなくなり、職員の負担は大きく軽減されました。これを機に、平成30年度からは夏期、秋期の一部職種の一次試験でもテストセンターの利用を開始しました。

―そのほかに効果はありましたか。

 応募者数が増加しました。秋期に行った民間等経験枠では、263人の応募があり、平成29年度と比較して100人ほど受験者数が増加。応募者層もかつては8割が久留米市と近郊の在住者で占められていましたが、それ以外の受験者も増えました。テストセンターの有益な点は、遠方の受験者も都合に合わせて受験できるところ。これは、当市が求める多様な人材の確保につながるものと考えています。

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