浦添市 の取り組み

各自治体で、公共施設の具体的な運営方針を決める「個別施設計画(以下、個別計画)」の策定に向けた検討が進んでいる。そんななか、修繕履歴や運営コストなど公共施設にかかる情報を一元化する動きが出ている。今後の施設整備を効率的に進めるための取り組みだ。浦添市(沖縄県)もそのひとつ。全施設の管理状況を把握できるシステムを導入した同市の取り組みを、担当者に聞いた。
※下記は自治体通信 Vol.17(2019年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―個別計画策定の進ちょく状況を教えてください。
初めに、約140の公共施設について、今後40年間で見込まれる建て替えや改修にかかる更新費用を試算したところ、総額913.8億円、1年あたり22.9億円となりました。人口減少や財源悪化が予想されるなか、持続可能な公共施設運営のためには、更新費用の圧縮を意識した個別計画の策定が重要です。それに向けて、まずは全公共施設の基本情報、収入、コスト、修繕履歴などを一元管理することに着手しました。
―なぜ施設情報の一元管理に取り組んだのですか。
これまでのように情報が未整理のままだと、効果的な個別計画を策定できないと考えたからです。たとえば、これまでは各施設にかかる管理費や人件費、設備メンテナンス費といったコスト情報のほか、来館人数や事業収入など利用状況にかんする情報が分散していたため、今後の施設運営のあり方を検討しにくい状況でした。そこで今回、各施設の情報を一元管理できるクロスポイント・コンサルティング社のシステム『XP FM』を導入したのです。
―そのシステムを導入した理由はなんでしょう。
まずは、分散している既存の施設情報を※CSV形式などで抽出するだけでよく、データ移行にかかる手入力作業を極力減らせることです。さらに、集約後は施設情報の管理だけでなく、データから建物の劣化、管理状況などを自動分析し、施設の継続利用や廃止といった方向性も示してくれる。これから個別計画を策定するうえで参考にできる指標です。
―システム化による情報の一元管理でなにを期待しますか。
各施設のライフサイクルコストの情報を共有できるため、全庁横断的に運営方針を検討できるようになるはずです。そうすれば、施設ごとに優先順位をつけた修繕計画を策定でき、財源を効率的に活用できるようになります。かりに修繕で大きなコストがかかるようなら、「統廃合を考えてみては」といった提案が生まれるでしょう。もしくは、廃止ではなく民間企業と協力した活用策の検討も考えられます。今後、施設運営のなかでこのシステムに情報をどんどん蓄積させて、最適な公共施設マネジメントを推進していきたいですね。
※CSV:抽出システムからデータを出力し、取込先のシステムにデータ移行する作業のなかで使用するファイルフォーマットのこと

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