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公園と公共建物をひとつにまとめ「地域マネジメントを行う」という発想

東京都港区 の取り組み

公園と公共建物をひとつにまとめ「地域マネジメントを行う」という発想

公園と公共建物をひとつにまとめ「地域マネジメントを行う」という発想

赤坂地区総合支所 まちづくり課 まちづくり係 浅沼 美和子
[提供] 鹿島グループ

 公共施設の管理を一括してひとつの事業者にまかせる「包括管理」は、管理業務の効率化によるコスト削減や同一基準の管理レベルを確保する手段として、自治体の間で導入機運が高まっている。各自治体が定めた「公共施設等総合管理計画」でも、その有用性を指摘する内容が目立つ。さらに、管理業務の専門家からは、「図書館や公民館などの公共建物と公園をあわせた包括的な管理は、その地域を活性化させ、より地域価値を高める施設マネジメントにつながる」といった意見が出始めている。

 これまで、公園の管理と公共建物の管理は「別もの」と考える風潮があったなか、「ふたつを一体的に管理する相乗効果によって、地域間でにぎわいが出るまちづくりが実現できる」というのだ。そこで本企画では、まず公園の包括管理で住民同士の交流の機会を増やそうと取り組む港区(東京都)の先進事例を紹介するとともに、「公園と公共建物の包括管理」と「にぎわいを生み出すまちづくり」の関係性について、専門家の見解を紹介する。

※下記は自治体通信 Vol.17(2019年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

東京都港区データ

人口: 25万8,093人(平成31年3月1日現在) 世帯数: 14万6,187世帯(平成31年3月1日現在) 予算規模: 1,844億3,182万2,000円(平成30年度当初) 面積: 20.37km² 概要: 東京23区のなかでも、千代田区と中央区とともに都心3区に位置づけられる。新橋や虎ノ門には多くのオフィスビルが建ち並び、日本の中心ビジネス街の一角を形成。東京タワーや竹芝桟橋のほか、徳川家の菩提寺である増上寺といった歴史的建造物もある。

一元的な管理によって業務をさらに効率化できる

―公園を包括的に管理する目的はなんでしょう。

 まず、公園や児童遊園の管理で指定管理者制度を導入し、専門性のある民間事業者とともに、効率的に管理していく体制をめざしています。そのなかで、さらなる地域密着型の施策展開や住民のニーズへの迅速な対応などを目的に、2017年度から港区内の5支所ごとに、グループ化した指定管理者制度を導入しました。赤坂支所では、13ヵ所の公園・児童遊園の管理委託を公募し、2021年度までかたばみ興業を中心としたグループ企業に管理を委託しています。

―包括的な管理によってどのような効果が生まれましたか。

 ひとつの事業者が業務を履行するため、一定レベルの管理品質が確保されるとともに、安定的な維持管理体制を継続できています。それにくわえて、イベント開催でにぎわい創出効果も生まれています。指定管理者制度の導入は、管理品質の向上とともに、「民間事業者のノウハウを活用したにぎわい創出」も大きな目的でした。ある公園で行ったフラワーイベントでは、小さな子ども連れの母親が、「とても楽しく過ごせたので、また来たいです」と話してくれました。

―住民同士の交流が活発化しているようですね。

 はい。私たちもイベントを通じた地域の方々との交流のなかで、「落ちたどんぐりなどは清掃せずに残してもらえると、子どもに遊び方を教えることができる」など、よりよい公園管理の参考になる意見をもらえています。今後も区民と協働で、みなさんがもっと身近に感じる公園をめざします。そして、多くの人でにぎわう公園を発信源に、周辺の公共建物と共同イベントなどを企画し、エリア一帯のにぎわいを生み出せればと思います。


東京都港区 の取り組み

公園と公共建物をひとつにまとめ「地域マネジメントを行う」という発想

堅実な管理を積み重ね住民が安心して集える空間にする

かたばみ興業株式会社 緑化造園本部 PP-Xチーム 木村 文哉 / 支援自治体:東京都港区
[提供] 鹿島グループ

※下記は自治体通信 Vol.17(2019年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

 私たちが掲げる公園管理のテーマは、「安心・安全な公園管理、公園のにぎわい創出、港区・区民・当コンソーシアムによる三位一体のパークマネジメント」です。その実現のために、まずは公園をキレイにし、来園者に快適に過ごしてもらう空間の創出が重要。そこで、毎日の巡回業務ですべての公園の管理状況を点検したうえで、その内容をデータ化してシステムに蓄積しています。このシステムを活用し、さらに魅力的な公園になるよう、中長期的な視点に立った管理計画の策定を進めているのです。

 イベントは、周囲の施設や事業者とのコラボレーションを増やし、より多くの人でにぎわう企画を立てています。たとえば、紅葉が美しい公園でのライトアップイベントの際、近くの有名な華道の流派に協力をお願いし、紅葉のライトアップにマッチする作品を展示してもらいました。当社が所属する鹿島グループには公共建物を管理する会社もあります。今後、公園と公共建物とのイベント共催による相乗効果で、さらなるにぎわい創出が期待できるでしょう。

木村 文哉(きむら ふみや)プロフィール

平成3年、岡山県生まれ。北里大学卒業後、平成26年にかたばみ興業株式会社入社。造園工事を中心とした業務に携わる。平成29年から港区立赤坂地区公園等管理事務所の副所長を担当。

かたばみ興業株式会社

設立 昭和16年5月
資本金 1億円
売上高 30億5,000万円(平成29年度)
従業員数 111人(平成31年3月時点)
事業内容 造園工事の設計・施工・管理、土木建築用資材の販売など
URL https://www.katabami.co.jp/