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会津若松市 の取り組み

「産官学」の知見とノウハウを結集し持続可能な施設運営を実現する

企画政策部 企画調整課 企画政策グループ 主任主事 小山 淳
[提供] 日本管財株式会社

各自治体とも「総合施設管理計画」の策定を完了し、公共施設ごとに最適な配置や運営方法などを検討する「個別施設計画」の立案段階に入った。ただ、それを推進するには高い専門性が必要なこともあり、進め方について悩む自治体は多い。そんななか、学識者や民間企業の協力をえて推進しているのが会津若松市(福島県)だ。担当者に、個別施設計画立案の取り組み状況を聞いた。

※下記は自治体通信 Vol.16(2018年12月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

会津若松市データ

人口: 12万841人(平成30年10月1日現在) 世帯数: 4万9,939世帯(平成30年10月1日現在) 予算規模: 785億5,122万5,000円(平成30年度当初 ※水道事業会計を除く) 面積: 382.99km2km² 概要: 福島県の西部に位置し、磐梯山や猪苗代湖など豊かな自然に恵まれた城下町。
戊辰戦争で激しい戦場となった鶴ヶ城(若松城)、白虎隊の墓石がある飯盛山など歴史資産も豊富。会津漆器や会津清酒など伝統産業のほか、IT関連産業も盛ん。平成5年には、日本初の「コンピュータ理工学専門大学」として会津大学が市内に開校している。

―個別施設計画立案の進ちょく状況を教えてください。

 まずは、約380の公共施設の現状を「見える化」した『施設カルテ』を作成しました。これは、個別施設計画を立てるうえでの基礎資料となるもの。このカルテを活用しながら、3地区でワークショップを開催しました。ワークショップでは、地域活動の状況確認を行いながら、地域活性化や課題解決につながる施設の活用法などを住民同士で話し合っていただきました。今後は、それらの意見を参考に個別計画を立て、具体的な再編や長寿命化に取り組む予定です。

―進めていくうえでのポイントはなんでしょう。

 施設ごとの分析や運営管理の検討が必要な個別計画の立案にあたっては、施設管理の専門知識や専門家ならではのアイデアが不可欠。そこで当市では、前橋工科大学の堤洋樹准教授をはじめとする学識者と、日本管財などの民間企業が参画する産学プロジェクトと協働することにしました。

―どのような効果がありますか。

 たとえば『施設カルテ』は、今後の再編や運営管理の指標になるようわかりやすいカタチで提供できました。具体的には、各施設の「管理評価」と「利用評価」を、「A」から「D」の4段階で表示。私たちが施設ごとに集めていた「稼働率」「修繕内容」「収支状況」などの情報と、産学の専門知識を融合して作成したものです。施設の現状がひと目でわかり、庁内での検討はもちろん、住民との意見交換において、「評価をもとに議論ができるのではないか」と期待しています。

 また、施設再編は、どうしても「サービス低下」のイメージがつきやすく、行政と住民の対立になりかねない。そんななか、産学が「第三者」の立場から前向きに提案してくれるため、ワークショップもスムーズに進んでいます。

―これからの方針を聞かせてください。

 今後も順次進めるワークショップなどにより、住民の意見を取り入れながら個別施設計画を立案していきます。その際は、産学の専門的知見や支援をもとに、住民とともによりよい施設の再編や活用案をつくっていきたいと考えています。「産官学」が一体となって生み出す計画の積み重ねが、将来にわたる持続可能な公共施設の運営につながるはずです。

自治体の主体的な計画立案を「産学一体」で支援する

―自治体の間で個別施設計画の立案は進んでいますか。

 なかなか進んでいませんね。というのも、施設ごとに立案する難しさがあり、施設マネジメントの専門知識をもつ職員も少ないからです。「どう着手すればいいかわからない」といった声が多いです。

―取り組みを進めるには、どうすればいいでしょう。

 施設マネジメントの専門家に意見を聞くのもひとつの手段です。たとえば施設情報のまとめ方も、たんに内容の網羅ではなく施設の状況や課題をわかりやすく開示することが必要。それが、ワークショップでの議論活性化につながります。会津若松市の『施設カルテ』は、まさしくその目的を果たすもの。この作成方法を自治体が覚えることで、今後の施設評価にあたっての「ノウハウ」となります。私たちはこのような支援を、民間企業と連携して提供しています。

―どのような支援なのですか。

 文部科学省の研究プロジェクト(※)の一環で活動し、9つの自治体を支援しています。「学」の立場からは、たとえば施設再編の重要性や効率的運営の考え方を幅広く伝え、その理解をさらに深める取り組みをします。民間企業は、実現性の高い再編プランや運営方法などを考案。そして、支援するうえで私たちが重視しているのは、「自治体の主体性」です。

※文部科学省の研究プロジェクト:正式名称は「地域を持続可能にする公共資産経営の支援体制の構築」プロジェクト。
 会津若松市、前橋市、鴻巣市、秩父市、長野市、御前崎市、犬山市、池田市、廿日市市の9自治体で展開している

―どういったことでしょう。

 自治体が、施設再編や効率的な運営を自ら考え、方向性を出せるように私たちがサポートするということです。自治体が自らできるようになれば、今後も課題として続く施設再編をより多く解決できます。たとえば会津若松市の先行3地区では、不足している「子育て」や「福祉」の施設を充実させるために、既存の施設をどう再編するかについての考え方を職員にアドバイスしています。私たちが再編プランを考えるのではなく、あくまでもそのためのヒント。自分たちで実際に考えることが「ノウハウ」の積み上げになりますから。

 この産学プロジェクトをベースに、年内にもNPO法人を起ち上げ、支援の輪を広げる方針です。

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