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車を活用した移動電源の確保で災害時の避難所生活を守る

株式会社ダイヘン 参与 エネルギーソリューション部 部長 上田 太朗
技術開発本部 EMS開発部長 主席技師 服部 将之
[提供] 株式会社ダイヘン

災害発生時の停電に対し、非常用電源確保の重要性はますます高まっている。そんななか、パワーコンディショナなどを手がける電気機器メーカー・ダイヘンは「多くの自治体が設置する非常用発電機では、長時間使える電力を確保することは非常に手間がかかる」と話す。その理由および新たな電源確保の方法を上田氏と服部氏に聞いた。

※下記は自治体通信 Vol.16(2018年12月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―自治体における非常用電源対策の進捗はいかがでしょう。

上田:消防庁の発表によると、90%近くの自治体が、災害に備えて非常用電源を設置しているといわれています。しかし、ほとんどの自治体が設置しているのは、非常用発電機。これだと、停電が発生した際、長時間使用可能な電力を供給するには非常に手間がかかるといわれています。

服部:その理由として考えられるのは、燃料の問題。消防庁は自治体に対し、「72時間使用可能な燃料を備蓄する」ように推奨していますが、逆にいえば、その時間しか電力を供給できなくてもいいという解釈もできます。もちろん、使用可能な時間は長ければ長いほどいい。ただ、「72時間以上の燃料を備蓄すればすむ」という単純な話でもありません。

―詳しく教えてください。

服部:燃料の保存と発電機のメンテナンスには、想像以上の費用が自治体にかかってしまうのです。発電機の燃料は、軽油や重油がメインになりますが、使用しなければ、軽油は6ヵ月、重油は3ヵ月で劣化します。ですから期限が切れた燃料は、入れ替えなければならない。また、発電機は、年に1回の点検が義務づけられています。こうした負担は、自治体にとって少ないものではありません。

―自治体に負担がかからず、電力を確保する方法はありますか。

服部:たとえば、EVやPHVなどの電気を充放電できる移動電源を使用することです。いま、自動車業界ではV2X(※)が注目され、技術開発が進んでいます。車は移動手段としての乗り物だけではなく、ほかの目的にも使用される時代になりました。その用途に、非常用電源としての利用が着目されているのです。

上田:そこで、当社は非常時にEV・PHVから長時間使用可能な電力を確保できる、充放電スタンドと蓄電池を一体化させた「V2Xシステム」を開発したのです。

※V2X:Vehicle to everythingの略。自動車で情報をやりとりする技術やシステムのこと。また、EVをはじめとした蓄電池をもつ自動車と、住宅・ビル・電力網の間で電力の相互供給を行う技術やシステムの総称

学校などの避難所に非常用電源の設置を

―「V2Xシステム」で長時間使用可能な電力を確保する仕組みを教えてください。

服部:非常時には駐車されているEV・PHVの車載蓄電池から重要設備に供給するのです。ステーションコントローラに内蔵されている蓄電池には50kWhまでの電力を蓄えることができ、EV・PHVがない間も、この蓄電池からの電力供給が可能です。不足すれば、EV・PHVの自走入替によって、継続的な電力供給が可能になります(下図参照)。

上田:また、非常用電源の設置場所も問題となっています。いつ、どこで起こるかわからない災害ですから、必要なときに利用できなければ価値も半減します。そこで、当システムは駐車スペース1台分で設置できることもあり、学校や公民館への設置を提案しています。非常用電源が設置されている学校は、全国で44%と多くありません。まずは、避難所にて必要最低限の生活を送るための電力確保が先決だと考えています。

―今後、どのように自治体を支援していきたいと考えていますか。

服部:当システムは非常用電源の役割を果たす一方で、日常はEV・PHVの給電スタンドとして活用することができます。蓄電池を内蔵していることで、ピークカット(※)による電気料金の削減をすることも可能です。

上田:このシステムを利用することで、政府が推奨する「スマートコミュニティ(※)」実現に向けて、その一端を担うことができたらと考えています。

※ ピークカット:電力会社からの購入電力のピークを低く抑えるように施設内の電力を制御すること
※ スマートコミュニティ:電力の有効利用や再生可能エネルギーの活用などから、都市の交通システムや住民のライフスタイル変革まで、複合的に組み合わせた社会システム

上田 太朗(うえだ たろう)プロフィール

昭和40年、大阪府生まれ。関西大学工学部(現:システム理工学部)卒業後、昭和63年に株式会社ダイヘンに入社。産電電機事業部 技術部(受変電システム設計)を経て、ダイヘン電機システム株式会社取締役を兼務。

服部 将之(はっとり のぶゆき)プロフィール

昭和46年、兵庫県生まれ。関西大学工学部(現:システム理工学部)卒業後、平成7年に株式会社ダイヘンに入社。現職では、太陽光/蓄電池用の系統連系インバータ、およびエネルギーマネジメントシステムの開発に従事する。

株式会社ダイヘン

設立 大正8年12月
資本金 105億9,600万円
売上高 1,494億4,800万円(平成30年3月期:連結)
従業員数 3,861人(平成30年3月31日現在:連結)
事業内容 電力、溶接・メカトロニクス、半導体関連機器事業など
URL https://www.daihen.co.jp/
お問い合わせ電話番号 06-7175-8599(平日8:30~17:00)
お問い合わせメールアドレス info.electric@daihen.co.jp

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