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いま整備を急ぐべきは「いざという時」に使える無線網

一般社団法人防災行政無線研究所
代表理事 磯江 公博/理事 佐藤 忠裕
[提供] 一般社団法人防災行政無線研究所

去る9月6日の北海道胆振東部地震を受けて北海道全域を襲ったブラックアウトにより、多くの自治体で災害用通信網が遮断されてしまったという。通信網における「災害対策の脆弱性」という課題を突きつけられた格好だ。災害時、真に求められる情報伝達手段とはどのようなものか。本稿では、防災行政無線研究所の代表理事、磯江氏と理事の佐藤氏に話を聞いた。

※下記は自治体通信 Vol.16(2018年12月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―国が後押しする防災無線のデジタル化は順調に進んでいるのでしょうか。

磯江:順調とはいえません。財政負担の問題にくわえ、昨今の大規模災害を受けて、自治体は、「災害時の防災無線はいかにあるべきか」という、新たな課題を突きつけられています。たとえば、先の北海道胆振東部地震では、複数の自治体で防災無線システムが不通になる事態に見舞われました。民間通信会社の通信網を利用したシステムだったので、大規模停電によってシステム自体がシャットダウンしてしまったのです。

佐藤:停電復旧後も、一般住民が一斉に通信を利用したため、輻輳(ふくそう)(※)が生じたとも聞きます。通常時は、安価で使い勝手がよいシステムなのですが、「災害に対する脆弱性」という弱点が浮き彫りになりました。さらにもうひとつ、今回の災害で注目されたことがあります。

※輻輳:通信が一度に集中して通信回線がパンクし、通話ができなくなる状態

―それはなんでしょう。

磯江:移動系無線の有効性です。今回の災害では、自治体職員や消防隊員などが「移動系無線機を通じて被災現場の詳細な情報交換ができた」との報告が伝わっています。移動系は、仮に庁舎が被災して同報系無線が不通になった場合でも使えます。そのため、「災害に強いのは移動系だ」という認識が一部自治体で広がっているのです。

 ただし、同報系無線が必要であることに変わりはなく、従来の場合、移動系は同報系をカバーするものではありませんでした。そこで、「もっともよい防災無線はなにか」に頭を悩ませている自治体も多いのです。

同報系無線としても活用できる

―新しい解決策はありますか。

磯江:いま、「新デジタル移動系」無線という選択肢が登場しています。このシステムは、従来にない大きな特徴があります。ひとつは、移動系でありながら、同報系無線としても活用できること。基地局を通じて、屋外拡声局や戸別受信機に直接情報を伝えることができます。もうひとつは、移動系でありながら、戸別受信機も設置できること。この戸別受信機はラジオ機能付きで、自治体情報以外の防災情報も入手できます。

佐藤:変調方式は「4値FSK方式」を採用した260MHzの無線システムであり、出力が大きく広範囲に電波が届くので、戸別受信機を設置する場合でもアンテナが不要。安価に導入できるのも特徴です。自営無線網なので災害に強く、ランニングコストはゼロです。

―導入事例はありますか。

佐藤:昨年開発された新しいシステムですが、すでに北海道の自治体で来年3月の完成をめざして工事が進んでいます。今年1月に総務省から緊防債(※)の対象に認定されたこともあり、「従来にないシステム」として多くの自治体が関心を寄せているようです。

磯江:当研究所としても、「自治体に最新かつ正確な技術情報を伝える」という設立趣旨から、現在はこの「新デジタル移動系」無線を推奨しています。「コンサルの前のコンサル」をコンセプトに、いち早く自治体関係者に最新情報・知識を提供することで、防災対策を支援していきます。

※ 緊防債:緊急防災・減災事業債の略。東日本大震災を教訓に生まれた、防災対策にかかる費用を対象とする地方債。平成32年度まで延長された

磯江 公博(いそえ きみひろ)プロフィール

昭和27年、鳥取県生まれ。平成22年、株式会社エナテクスに入社。平成30年より現職兼務。

佐藤 忠裕(さとう ただひろ)プロフィール

昭和40年、宮城県生まれ。平成16年、株式会社CSRに入社。平成30年より現職兼務。

一般社団法人防災行政無線研究所

設立 平成30年4月
事業内容 既存のアナログ移動系のデジタル化を検討している自治体へのアドバイス・支援、 同報系・移動系の一体的整備に対する相談・アドバイスなど
URL https://www.bousaimusen-lab.com/
お問い合わせ電話番号 090-4659-5301(平日9:00~17:00)
お問い合わせメールアドレス isoe@enatex.co.jp

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