全国の自治体トップ・職員・議員に贈る
自治体の"経営力"を上げる情報サイト
自治体通信Online

福岡県うきは市 /東京都江戸川区 の取り組み

アプリの機能をフル活用し人が集まる「仕掛け」をつくる

副市長 今村 一朗
経営企画部 広報課 編集係 係長 大網 貴之
[提供] 株式会社リサーチアンドソリューション

多様化する観光業態にあわせ、紙媒体、Webサイトにくわえ、スマートフォン向けアプリでも、観光やイベントの情報を配信する自治体が増えている。そのなかで、アプリ活用のポイントは、「情報を配信するだけの手段にとどめないこと」。アプリならではの機能を活かし、まちのにぎわい創出につなげている、うきは市(福岡県)と江戸川区(東京都)の事例を紹介する。

※下記は自治体通信 Vol.15(2018年10月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

福岡県うきは市データ

人口: 2万9,890人(平成30年7月末現在) 世帯数: 1万1,022世帯(平成30年7月末現在) 予算規模: 226億4,479万4,000円(平成30年度当初) 面積: 117.46km² 概要: 平成17年3月20日に旧浮羽町と旧吉井町が合併し、誕生。福岡県の南東部に位置し、北は朝倉市、西は久留米市、南は八女市と大分県日田市、東は大分県日田市と接する。南には耳納連山を抱き、北には筑後川が流れる。主要産業は、果樹、米、麦などの農業や、製材などの林業。国民保養温泉地に指定された温泉や自然、歴史資産にめぐまれている。

東京都江戸川区データ

人口: 69万8,001人 (平成30年8月1日現在) 世帯数: 34万1,804世帯 (平成30年8月1日現在) 予算規模: 3,647億5,299万4,000円 (平成30年度当初) 面積: 49.09km² 概要: 昭和7年に7町村が合併し、人口約10万人で誕生。西に荒川と中川、東に江戸川と旧江戸川、南に東京湾をのぞみ、区の三方を川と海に囲まれている。公園面積の広さや街路樹(区道)の数は23区一を誇り、全国初の親水公園とともに、水と緑豊かな街並みを創出している。小松菜の生産や金魚の養殖、伝統工芸品などの地場産業が盛ん。

―うきは市における観光政策の取り組みを聞かせてください。

 年間を通じてさまざまなフルーツが採れることから、「フルーツ王国」を前面に打ち出した観光政策を展開しています。また、宿場町として栄えた吉井町の「白壁の町並み」も重要な観光資源ですね。

 平成27年からは、スマートフォン向けの観光アプリ『おさんぽうきは』を提供し、こうしたさまざまな観光情報を発信しています。

―アプリを検討した経緯を教えてください。

 市は観光案内人の高齢化と減少、旅行業態の多様化を受け、ITを活用した観光資源の訴求を模索していました。その際、リサーチアンドソリューションから提案を受けた、スマホアプリとビーコン(※)を組み合わせた、全国でもあまり例のない新しい情報配信の仕組みで実証試験を行いました。『おさんぽうきは』はこうした実証試験を繰り返して生まれたアプリです。

※ビーコン:無線通信技術「Bluetooth」の信号を使って情報を発信する端末

―アプリの特徴はなんですか。

 ビーコンやGPSと連動した機能です。たとえば、アプリ利用者がビーコンの設置場所付近を通りかかると、店舗や施設の情報を受信することができます。GPSを活用したものでは、特定のエリアに近づくとスタンプを獲得できるスタンプラリーの機能もあります。

 また、アプリに掲載しているコンテンツのひとつに、地元小学生による手づくり観光マップがあり、子どもたちの目線によるオススメ観光情報を発信しています。

―コンテンツはどのように制作したのでしょう。

 市の一部小学校では、平成27年から毎年、児童が班に分かれてうきは市内の観光スポットを発掘、取材し、観光マップを作成する総合学習を行っています。そのなかから、毎年優秀な作品をアプリに掲載しているのです。この取り組みは、市とリサーチアンドソリューションが主体となって学校をサポートし、郷土愛を育む仕組みとして生まれました。全国初の取り組みとして、多数のメディアでも取り上げてもらっています。

大好評のスタンプラリー観光入込客数が10%増加

―アプリの導入で実際にどのような効果がありましたか。

 ひな人形を展示する春恒例の「おひなさまめぐり」で、イベントと連動した電子スタンプラリーを実施したところ、家族連れや若い女性、高齢の方から大好評をえられました。毎年、多くの来訪者に楽しんでもらっています。アプリを使った楽しい仕掛けとの連動は、毎年恒例のイベントのさらなる活性化に有効だと感じています。こうした取り組みによって、ここ数年、観光入込客数はアプリ導入前に比べて10%増えています。

 また、コンテンツの閲覧状況やスタンプラリーの取得状況など、利用者の行動を分析できる機能も、観光施策に活かせています。

―今後の活用方針を聞かせてください。

 今年はアプリをリニューアルし、新機能を追加する予定です。たとえば、写真をアップし、フォトコンテストを楽しめる機能。どのようなスポットが観光客の目にとまるのか傾向をつかみ、今後の対策につなげていきます。

 また、市の特産品のPRイベントにも、アプリを連携させたいと考えています。

 アプリの活用でにぎやかなうきはをつくり、さらに市の魅力を伝えていきたいですね。

―江戸川区の情報発信の取り組みを教えてください。

 東京オリンピック・パラリンピックをひかえ、区の魅力を外部に発信する取り組みに力を入れています。江戸川区は江戸川と荒川、東京湾に囲まれ、公園も多いことから、「水と緑豊かなまち」としてアピールしています。花にかんするイベントが多いことも特徴です。広報課では、こうした自然環境と四季の変化に親しんでもらうための施策を展開しています。

―どのような施策でしょう。

 「散歩」をテーマにした区の散策ガイド『えどぶら』を平成27年に発刊しました。エリア別のオススメの散策コースや、商業施設などの情報をまとめたものです。

 『えどぶら』は紙の冊子のほか、区のホームページでPDF版も提供しています。また、より広く区の魅力を伝えるために、スマートフォン向け情報配信アプリの管理プラットフォーム『ぷらり(※)』を活用し、アプリ版の『えどぶら』を今年4月にリリースしました。

※ 『ぷらり』:観光やイベント、商業施設などでイベントのPRや集客のために情報配信するスマートフォンアプリを短期間で開発できる、リサーチアンドソリューションが提供するプラットフォーム

―どのようなアプリですか。

 公園やお店、銭湯などの充実したコンテンツ情報から、散歩やサイクリングコースの紹介など、区の魅力をまるごと詰め込んだまちあるきアプリです。まさに江戸川区をぶらりとしたくなるアプリに仕上がっています。地域まつりに合わせたフォトフレームやスタンプラリーを用意するなど、イベントに付加価値をつけられるような仕掛けも搭載しています。

簡単な更新作業でコンテンツ管理

―利用状況はどうでしょう。

 プレスリリースやプロモーションの効果もあり、リリース後わずか1ヵ月でダウンロード数は3000件を超えました。『ぷらり』には利用者属性ごとの行動を可視化し、多彩なデータ分析ができる機能が搭載されています。この分析結果で、アプリは区内に住む40~50歳代の層によるダウンロードがもっとも多く、コンテンツは133の景観ポイントを写真で紹介する「えどがわ百景」がもっとも閲覧されていることがわかりました。こうした分析結果を受け、今後はより若い層をねらったコンテンツも増やしていくつもりです。

―『ぷらり』で評価している点はなんですか。

 なんといっても、費用対効果の高いアプリをつくれる点ですね。アプリは子どもからお年寄りまで、だれもが気軽に楽しめる機能と操作性を実現することができました。

 また、コンテンツの入力もエクセルを使う感覚で簡単に追加や修正ができ、職員からも「使いやすい」と好評です。

 さらにはアプリのトップ画面に表示する画像を15 種類登録でき、画像ごとに表示する期間を設定できます。時期によって変化するトップ画面は、四季折々の風景やイベントで多様な楽しみ方のできる江戸川区にぴったりの機能だと思います。

―今後の運用方針を聞かせてください。

 『ぷらり』の行動分析機能をフル活用し、回遊性の向上、滞在時間の延長につながる効果的な施策や新たなイベント企画など、さまざまな仕掛けをつくっていきたいと考えています。

 さらには地元の飲食店と提携し、お得なクーポンを発行するなど、『えどぶら』がまちあるきのお供になるよう、地域全体で盛り上げていきたいですね。

この記事について支援企業へ問い合わせる

自治体名・会社名 *
部署・役職名 *
お名前 *
電話番号
メールアドレス *
ご相談内容
【個人情報の取り扱いについて】
ご提供いただいた個人情報は弊社プライバシーポリシーに基づき管理され、必要に応じて自治体もしくは支援企業に提供する場合がございます。
また、自治体通信から電子メールなどで各種ご案内をさせていただく場合がございます。あらかじめご了承ください。

※このサイトは取材先の企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。ユーザーは提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。自己の責任において就職、転職、投資、業務提携、受発注などを行ってください。くれぐれも慎重にご判断ください。

働き方改革カンファレンス
自治体通信カンファレンス

自治体の取り組みを探す

課題から探す
地域から探す

自治体通信

自治体通信

自治体通信は経営感覚をもって課題解決に取り組む自治体とそれをサポートする民間企業を紹介する情報誌です。
自治体関係者の方に無料配布しております。

自治体通信への取材希望の方

自治体通信編集部では、「自治体の"経営力"を上げる」というテーマのもと紙面に登場いただける自治体関係者・自治体支援企業の方を募集しております。

pagetop