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東京都杉並区 の取り組み

アレルギーに対応した保存食の備蓄で避難者の「食の安全」を守る

危機管理室 防災課長 佐藤 秀行
[提供] 尾西食品株式会社

災害時などにおける非常用保存食の備蓄を進める自治体の間で、近年課題となっているのが「食物アレルギー対応」だ。予算の関係などで対策が進まない自治体もあるなか、杉並区(東京都)ではアルファ米(※)のほか、クッキーや粉ミルクでもアレルギー対応の商品備蓄を進めている。同区防災課長の佐藤氏に、非常用保存食の備蓄を進めるうえでのポイントなどを聞いた。

※アルファ米:炊いた米を急速に乾燥させたもの。長期保存が可能で、お湯か水をくわえることで食べられるようになる

※下記は自治体通信 Vol.15(2018年10月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

東京都杉並区データ

人口: 56万8,631人(平成30年8月1日現在) 世帯数: 32万1,571世帯(平成30年8月1日現在) 予算規模: 2,911億9,095万2,000円(平成30年度当初) 面積: 34.06km² 概要: 東京都23区の西側にあり、「城西地区」のひとつ。区内には妙正寺川、善福寺川、神田川の3つの河川が流れ、川沿いにある緑地や公園は、数多くの野鳥や昆虫、水生動物の生息場所となっている。また、区内にはアニメ制作会社が多く集まっており、「杉並アニメーションミュージアム」も建設されるなど、「アニメのまち杉並」としてアニメの振興が図られている。

―非常用保存食の備蓄状況を教えてください。

 当区への被害が最大となる地震の発生を想定し、予想される避難者1日分の食料を各避難所や災害備蓄倉庫に保管しています。具体的には、アルファ米を約32万食、クラッカーを約25万食保管しているほか、パンやクッキー、みそ汁、粉ミルク、保存水などを用意しています。

―なにを基準に保存食を選定しているのでしょうか。

 「安全性がしっかりと確保できているか」を第一に考えています。当区では保存食の採用商品を決める際、保健所職員など食品衛生にかんする専門家の意見を聞き、使用されている原材料や添加物の安全性を十分に調べます。また、供給事業者には、有効保存期間や抗菌検査などの調査証明書を提出してもらいます。

 そのほか、数年前から特に注力しているのが、食物アレルギーへの対応。万が一、耐性のない人がアレルギーを引き起こす食材を食べた場合、ショック症状で命を落とす危険もあります。そのため、「アレルギーをもっている人は、怖くて避難所の保存食を食べられない」といった問題があります。

―どうすればその問題を解決できるでしょう。

 アレルギー対応の保存食を、一般の保存食とは別に備蓄することです。当区でも平成26年度から、アレルギーに対応したアルファ米の備蓄を始めました。約32万食のアルファ米のうち、15万6000食がアレルギー対応のアルファ米です。また、平成28年度からは、クッキーと粉ミルク製品でアレルギー対応を開始。これまでもクッキーについては、「避難時の緊張状態でも気軽に食べられるように」といった観点で備蓄を進めていましたが、アレルギー対応の商品はなかなか見つかりませんでした。そんななか、約2年半前に国内初の「アレルギー対応クッキー」として販売が始まった『ライスクッキー』の話を聞き、採用を決めたのです。また、乳幼児用の粉ミルクでもアレルギー対応の商品を用意したことで、老若男女すべての住民へのアレルギー対策が整ったと考えています。

緊急時の栄養補給だけでなく「おいしさ」も提供

―アレルギー対応の保存食に対して、住民からはどのような反応がありますか。

 町内会や学校単位で実施される防災訓練でサンプルとして保存食を配っており、アレルギーをもつ住民から「本当に安心して食べることができる」という声が聞かれます。また、「とてもおいしい」と喜んで食べていただける姿も。じつは、保存食の採用を決める際には私たち職員が試食し、味や口当たりなどを確認しています。緊急時でも「栄養の補給」だけではなく、おいしく食べていただきたいですから。

―非常用保存食の備蓄について、今後の方針を聞かせてください。

 避難するすべての住民に、安心して食べてもらえる保存食の備蓄をさらに推進します。アレルギー対応の保存食は、一般の保存食とくらべてコストは高くなる。それでも、住民の安全確保を最優先に、可能な限りアレルギーに対応した保存食の備蓄増強を検討していく方針です。

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