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栃木県日光市 / 福島県二本松市 / 愛知県豊田市 の取り組み

地域に適したシステム選びで防災情報伝達の完成度を高める

二本松市 市民部 生活環境課 市民生活係 主査 菅野 文幸
支援企業:株式会社NHKアイテック 東北支社 技術部長 岩西 勝之

[提供] 東京テレメッセージ株式会社

地形や区域面積といった地理条件、人口分布、予算規模……。各自治体が抱えるさまざまな条件によって、なにが最適な防災情報手段となるかは異なる。そうしたなか、市の事情を鑑み、周辺自治体の視察などを経て、独自に「280MHzデジタル同報無線システム」を選定したのが、二本松市(福島県)だ。ここでは、同市の担当者である菅野氏に、システム選定の経緯などを聞いた。

※下記は自治体通信 Vol.14(2018年8月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

福島県二本松市データ

人口: 5万5,165人(平成30年7月1日現在) 世帯数: 1万9,918世帯(平成30年7月1日現在) 予算規模: 522億3,787万3,000円(平成30年度当初) 面積: 344.42km² 概要: 県都福島市と郡山市の間に位置し、市の中心から国道4号で福島市、郡山市へともに約30分程度の距離にある。地形的には、西に標高1,700mの安達太良連峰、東に阿武隈山系を望み、その中央を阿武隈川が流れ、東西に約35km、南北に約17kmと横長の地形になっている。

―これまでの二本松市の防災対策について教えてください。

 当市では備えるべき災害としておもに3つあります。1つ目は活火山である安達太良山の活動による火山災害。2つ目は、市内を縦断する阿武隈川などを起因とする水害。そして3つ目が山間地域における土砂災害です。これらの災害に対する対策をハード・ソフト面で進める一方で、防災情報を市内全域に迅速に伝達する無線整備も検討してきました。なぜなら、過去の災害をみてもわかるとおり、初動の情報伝達が重要だからです。平成17年12月に4市町が合併して誕生した当市には、合併前から防災無線が整備されていた地域もありましたが、山間部では不感地帯も多く、「聞きとりにくい」という声もあり、対策が急務でした。

―どのように無線整備を進めたのでしょう。

 費用面の制約などから、なかなか計画は進みませんでしたが、東日本大震災の教訓、新スプリアス規格への対応、さらには国の財源措置の後押しもあり検討を本格化させました。60MHz無線のデジタル化、280MHzデジタル同報無線の導入、コミュニティFM方式などを比較検討した結果、平成28年に280MHz防災無線システムの導入を決めました。

―導入の決め手はなんだったのですか。

 2つあります。第一に、電波の出力が高く、電波の不感地帯を減らせることです。先行導入した自治体を視察したところ、少ない送信設備で広域をカバーでき、音声も明瞭に伝わる利点を知りました。細長い市域や多くの山間部をもつ当市に最適なシステムだと感じました。実際に当市では、わずか1ヵ所の送信局で市内全域をカバーできています。

―もう1つの理由はなんですか。

 導入費用の安さです。送信設備の簡素化にくわえ、戸別受信機の安さが魅力でした。出力が高く、住居内への浸透性も高い280MHz無線は、戸別受信機に外部アンテナが基本的に不要です。そのため、アンテナ工事費も含めた戸別受信機の導入費用は、1台あたり3分の1以下に抑えられます。約9000台の配付を計画していた当市にとって、この差額は大きく、280MHzシステムでなければ、導入できる数も少なかったでしょう。

「防災無線が受信できない」という声は1件もない

―導入効果はいかがでしょう。

 うれしいことに、今年4月の運用開始後、「防災無線が受信できない」という声は受けていません。受信状況の良さと災害への意識の高まりから、戸別受信機に対する住民の関心も日に日に高まっており、当初の想定を超える申し込みをいただいています。そこで平成30年度は数千台の追加発注を予定しています。今後も多くの住民に戸別受信機を配付して、災害への備えに役立てていきたいですね。

―二本松市での整備では、どのような支援をしたのでしょう。

 技術的な検討のほか、各種設備の設置計画の見直しなど、広く支援しました。二本松市の場合、地元消防本部がもつ基地局の鉄塔を借りてアンテナを建設。送信局も消防設備に隣接して設置しました。当初、消防本部では消防無線が干渉されるのではないかという不安があったようでした。そこで当社が二本松市の協力のもと、干渉検討書を作成し、提示したほか、280MHz電波を発信しての現地確認も実施することで、その不安を解消。280MHz同報無線への理解をいただい
たうえで、整備を進めることができました。

 さらに、送信局舎建設にあたっては、地盤改良や雷害防止など当初の想定以上の対策が必要になりましたが、柔軟に対応。そのうえで着工から戸別受信機の配布まで、短期間で完了させることができました。

―防災情報の伝達手段を整備する際に重要なポイントはなんでしょうか。

 各自治体の事情にあった最適なシステムを自らの目と足で調査し、選定することです。近年は、スマートフォンのほかさまざまなデバイスが普及しており、生活スタイルが多様化しています。最適な情報伝達手段のあり方も変わってきています。また、住居の気密性が向上し、屋外無線がすべての場面をカバーできるわけではありません。

 これまでは防災情報の伝達手段といえば、60MHz防災行政無線が主流でした。しかし、最近では、電波特性や費用対効果に優れた280MHz同報無線に対する問い合わせが徐々に増えています。防災無線の整備・更新を考える自治体のみなさんは、ぜひ検討してみてはいかがでしょう。

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