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❝航空業界の雄❞ が取り組む 独自の観光支援策を徹底解剖

日本の魅力を発掘し いまこそ世界に発信するとき

全日本空輸株式会社 マーケティング室 観光アクション部 部長 藤崎 良一

[提供] 全日本空輸株式会社

政府が観光立国確立に力を入れるなか、全日本空輸(以下、ANA)は各グループ会社が培ってきたノウハウを集結させ、そのリソースを「自治体に活用してもらおう」と平成29年に「観光アクション部」を立ち上げた。一体どのような取り組みを行うのか。部長の藤崎氏に、立ち上げた背景と同部署が担う役割を聞いた。

※下記は自治体通信 Vol.14(2018年8月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―まず前提として、政府が観光立国宣言をしてから15年が経ちます。自治体の観光施策を振り返って、どのような印象をもっていますか。

 「レジャー産業としての観光」から、「地域活性を軸とした重要産業としての観光」へと、意識が変わったと感じています。「爆買い」「クルーズ船による来航」などブームのあと押しがあったとはいえ、自治体の「観光」に対する意識が変わったことが、驚異的な伸びにつながったのでしょう。観光立国宣言をした初年の訪日観光客の数は約500万人、それがこの15年間で、2800万人を超えるまでに伸びたのですから、数字だけ見ても大成功だといえます。旅行消費額も4兆円を超えたこともあり、政府は今後も市場拡大をめざして、力を入れる姿勢を示しています。

―この勢いは今後も続いていくはずだと。

 正直、そうとはいい切れないと思っています。東京オリンピック・パラリンピックまでは続くと思いますが、それ以降は、急激な伸びは期待できないと思ったほうがいいかもしれません。

 というのも、いま、日本を訪れる外国人観光客はアジア各国の人々がほとんどです。政府が掲げる目標人数、4000万人、6000万人を突破するためには、ヨーロッパ・アメリカ・オーストラリア(以下、欧米豪)からの観光客を増やすことが必要なのです。

日本の魅力をPRする場はまだまだ存在する

―そのために、自治体はなにをするべきでしょう。

 欧米豪の人たち向けに広域なPRをするべきです。

 彼らは、何十時間もかけてはるばる日本に来るわけですから「一ヵ所だけ訪れる」といったピンポイントの旅行は考えにくい。いくつかの観光地を回ることで日本を観光する意味が出てくるわけですから。そのために、もっと欧米豪の人たちに、広域な観光地の情報を教えてあげるべきなのです。

―日本でも人気の観光地であれば、知名度は高いのではないでしょうか。

 決してそんなことはありません。今年の3月、ドイツ・ベルリンで開催された欧州最大の旅行博に沖縄のPRに行ったときのことです。プレス会見のときに、現地メディアの前で話をしたのですが、ほとんどの人が沖縄のことを知らなかったのです。メディアからの指摘も「何十時間もかけて、沖縄まで行く価値はあるのか」といったものでした。その後、説明をして沖縄のよさは伝わりましたが、「そんなにいい場所ならもっと情報を発信したほうがいい」といわれたのです。ドイツは中国、香港に続く海外観光客数(出国数)を誇る国。少し極端かもしれませんが、「ドイツの人が知らないのだからほかの欧州の人たちが知るわけがない」と思ったのです。

世界が注目するいまがPRに再注力するタイミング

―広域なPRをする方法を具体的に教えてください。

 自治体同士が連携し、訪日観光客が「見て、食べて、体験できる」ための受け入れ体制の整備やプログラムを拡充することです。日本には、人々を魅了する観光資源がまだまだ、たくさん眠っています。それを発掘、発信することで、多くの人が訪れるようになるのです。

 そうすれば交流人口が拡大され、地域活性にもつながる。これらのPR活動が、結果的に観光立国として持続的な成長をもたらし、さらには訪日観光客のリピート化にも結びつくのです。来年にはラグビーワールドカップ、再来年には東京オリンピック・パラリンピックの開催が控えています。世界中から人々が訪れる機会が目前に迫っているからこそ、「各国の人々を迎えいれる体制を整えるべきだ」と、われわれは考えています。

 そのような想いもあり、当グループは平成29年に「観光アクション部」を設立したのです。

―「観光アクション部」はどのような役割を担っているのでしょうか。

 当社グループの母体である「航空輸送」以外の「調査研究」「宣伝告知」「旅行」「研修プログラム」をはじめとした、当グループが提供できるサービスをコーディネートして、自治体に提供するのが役割です。グループ各社は、いままで自治体と個別に事業を展開してきましたが、このタイミングを機に、「観光アクション部」が窓口になるわけです。各社は新たにテーマを掲げて、自治体が抱える課題解決のサポートに徹していきます(下図参照)。

自治体と共同して観光立国を持続させていく

―航空業を手がけるANAが、なぜ観光支援を行うことに決めたのでしょう。

 持続的な観光振興を図るループを形成したいからです。

 まず、日本各地の魅力を発掘・発信することで観光振興を図ることができれば、交流人口が拡大し、地域の経済は活性化します。交流人口の拡大により、航空輸送の利用が増えれば、当グループはその収益で、サービスの拡充など新たな投資をすることができるのです。そして、当グループが成長することで、より多くの人を日本各地に運ぶことにつながり、観光振興の促進になります。

―今後、どのように自治体を支援していきたいですか。

 現時点では、当グループが培ってきたリソースを活用して、自治体を支援していくことが目標です。ただ、今後、自治体の新たなニーズが出てくれば、それに応えることができるような体制をグループ内で整えていきたいですね。

 新たなことにチャレンジしていくために重要なのは、「視点」「連携」「イノベーション」をもつこと。外国人を誘客したいなら外国人の視点でものごとを見ることが必要ですし、情報発信も「市」「県」単位よりもっと広域での連携が大事。そして、これまでの施策にとらわれることなく、さまざまな角度から観光資源を追求するイノベーションが重要です。これらの考え方を軸に、自治体と一緒に、持続的な観光振興をめざしたいですね。

訪日旅客向けの情報サイトがオープン

 これまで、複数存在していた訪日情報サイトをひとつに集約し、訪日旅客向けに日本各地の魅力や情報を発信する新たなWebサイトをANAが開設。

 画面上で行きたい観光地を選択すると地上交通の移動手段や時間を含めた旅程を自動的に作成する「旅程プランニング機能」や作成した旅程にもとづいて航空券を予約できる「航空券購入機能」、自治体のSNSとの連携機能なども備えている。また、有料で特集ページの記事作成、掲載が可能。

 国内各地域の観光地の魅力を発信するWebサイトを通して、地域創生に寄与していく。

具体的な観光アクションの取り組み事例

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