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奈良県 の取り組み

「読みやすい書体」を普及させ地域の教育水準の向上につなげる

株式会社モリサワ 公共ビジネス推進課 係長 ユニバーサルデザイン・アドバイザー 橋爪 明代

[提供] 株式会社モリサワ

自治体にとって、行政情報を広く正確に住民へ伝えることは、つねに意識すべき重要テーマ。多くの種類の文字フォントを提供するモリサワは、読みやすさを追求した「ユニバーサルデザイン書体(以下、UD書体)」でそれを支援してきた。そしてこのほど、教育現場への新たな取り組みも開始。担当の橋爪氏に、UD書体の普及がもたらす効果を聞いた。

※下記は自治体通信 Vol.12(2018年4月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―自治体のUD書体に対するニーズは高まっていますか。

 年々高まっていると感じます。高齢者や弱視者を含め、行政情報をすべての住民にしっかり届けなければならないという意識が、職員の間で広がっています。そうしたなか、UD書体とそれ以外の書体で、伝わり方に違いがあることを理解する職員も増えているのです。UD書体による広報誌の制作はその一例で、数年前とくらべて2倍の問い合わせが当社に入っています。平成28年4月施行の「障害者差別解消法」により、障害を理由とする差別のない社会にしようという機運が高まってきたことも影響しているようです。

―UD書体を選ぶ際のポイントはなんでしょう。

 「読みやすさ」に対するエビデンスが、はっきりしているかどうかです。さまざまな事業者のUD書体があるなか、客観的な検証のないものもあります。その点当社は、200人以上の弱視者と、弱視教育にたずさわっている教員・専門家65人による数種類の書体比較の結果、「もっとも見やすい書体」という評価をえました。その結果は、弱視研究の第一人者である専門家の論文に掲載される予定です。

 そして、「文字を通じた社会貢献」をモットーとする当社として、この読みやすい書体をひとりでも多くの方に伝えたいと、教育現場で使えるUD書体を新たにリリースしたのです。

―どうして教育現場での普及を考えたのですか。

 弱視や読み書き障害をもつ生徒に、「もっと読みやすい文字を提供したい」との想いからです。以前から教育現場では、そういった生徒の読み書きをサポートする文字の採用が検討されていましたが、学習指導要領に準拠した書体だとそれを実現するものがありませんでした。そこで今回、約10年の研究期間をかけて、教科書にも使える「UDデジタル教科書体」を開発しました。学習指導要領に準拠し、書き方の方向や点・ハライの形状を保ったまま太さの強弱を抑えました。すべての方を対象に、どのような環境でも「読みやすい」教科書体としたのです。ですので、紙だけでなくこれからのICT教育にも対応できます。この書体が、一般の生徒たちへの読みやすさにもつながるはず。学校教育の現場から、UD書体の重要性の認識がどんどん広がることを期待します。

Windows10に標準採用UD書体の広がり促進

―今後のビジョンを聞かせてください。

 昨年10月に、マイクロソフト社がWindows10にUDデジタル教科書体を標準採用しました。また、奈良県教育委員会では、県全域の教育現場への導入を決定。UD書体は確実に広がりをみせています。ひとりでも多くの生徒に読みやすい書体を届けることが、学習意欲を高めることにつながり、結果として、その地域の教育水準の向上になればいいですね。

―なぜ、UDデジタル教科書体を教育現場に導入しようと決めたのですか。

 まずは「わかりやすく伝えること」、そして「読みやすい文字」の提供により、弱視や読み書き障害をもつ子どもの教育機会の拡大につながると考えたからです。ICTを活用した教育の推進のひとつのテーマである「伝える力の育成」にもつながると思いました。子どもたちは、パソコンなどの情報端末の機能を使い、「相手により伝わりやすい表現方法」をたくさん学べるようになる。そのなかで、デザインやレイアウトの工夫のほかに、「文字書体の選び方」も伝わり方に影響することを学んでほしいと思いました。読みやすさを追求した書体があるとわかったうえで、デザイン性を重視したいときや強く訴えかけたい場合はどの書体を使えばいいのかを試行錯誤しながら、「伝える力」をどんどん身につけてほしいと願っています。

―書体に対してどのような反応がありますか。

 やはり「読みやすい」という声が多いです。学校への本格的な導入を前に、まずは教員にプリントなどの文書作成で使ってもらっています。明朝体やゴシック体以外の「書体」を意識したことがないという教員が多い状況でしたが、書体への理解がどんどん深まっているようです。

―今後の期待を聞かせてください。

 UD書体の導入で、先生の伝え方が変わり、子どもの学び方が変わる。結果的に、教育の質が高まっていくと思います。障害の有無にかかわらず、すべての子どもたちの「伝えあう力」が向上すればうれしいですね。

橋爪 明代(はしづめ あきよ)プロフィール

昭和58年、東京都生まれ。大学卒業後、平成18年に株式会社モリサワ入社。フォント営業部で教育機関に向けたブランドプロモーションを手がける。平成29年3月から現職。

株式会社モリサワ

設立 昭和23年12月(創業/大正13年7月)
資本金 1億円
売上高 125億円(平成29年2月期)
従業員数 270人
事業内容 フォント事業、ソフトウェア事業、ソリューション事業
URL http://www.morisawa.co.jp/products/fonts/ud-public/
お問い合わせメールアドレス public-biz@morisawa.co.jp

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