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非常時には水や食料と同じく「電力を配る」という発想が必要な時代に

非常時には水や食料と同じく「電力を配る」という発想が必要な時代に

非常時には水や食料と同じく「電力を配る」という発想が必要な時代に

株式会社ダブルエー・ホールディングス 代表取締役社長 兼 CEO 皆川 一
[提供] 株式会社ダブルエー・ホールディングス

非常時においてインフラが断たれた際、水や食料の確保はもちろんのこと、電力確保が重要な課題になってきている。スマートフォンやタブレット端末などが普及した現代において、電力の確保が情報の確保に直結するからだ。このページでは、非常時における電源確保の取り組みについて、自治体の現状をまとめてみた。

※下記は自治体通信 Vol.5(2016年7月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

大規模な災害に備え電源確保の補強が必要に

 経済産業省が民間に委託した「平成26年度災害に強い電気設備検討調査事業」調査報告書によると、地方公共団体では非常用予備発電装置の設置率が都道府県では100%だったのに対し、回答のあった1351市区町村のうち、設置していたのは81%。残りの19%(252市区町村)は設置していないという結果が出た。なかでも、南海トラフ地震防災対策推進地域に該当する市区町村は14%、首都直下地震被災対象地域の18%に非常用予備発電装置が導入されていないことがあきらかになった。

 また、設置している非常用予備発電装置の使用可能時間については、都道府県が「48時間超~72時間以下」が38%でもっとも多く、ついで「72時間超~168時間以下」が26%と続いた。一方、市区町村は「10時間以内」がトップで35%。また、10時間超~24時間以下」は20%で、使用時間が短い装置が多いことがわかった。

 ちなみに、南海トラフ地震防災対策推進地域や首都直下地震被災対象地域に該当する市区町村においても「10時間以内」や「10時間超~24時間以下」が多かったという結果が出ている。

 このような状況のなか、都道府県の94%、市区町村の76%は「最低限の業務を継続するための電気を発電できる」と回答。その約半数の市区町村は、使用可能時間が24時間以下の装置であった。

 もし南海トラフや首都直下型クラスの地震が起これば、長時間にわたるインフラの寸断が容易に予想される。さらに、人命救助活動では「災害発生から72時間」がひとつのタイムリミットとされているが、その時間を超えても電力が復旧しない可能性も大いに考えられる。現実的には予算確保などの壁もあるが、最悪のシナリオに備え、自治体における電源確保の意識統一を図るとともに、計画的な補強を考える必要があるだろう。

対策が抜け落ちていた「被災者に対する電力確保」

 以上の取り組みについては、非常対策本部用など自治体向けに用意された非常用電力の話だ。ただ、これにはひとつ大きく欠落していることがある。それが「被災者に対する非常用電力の確保」だ。あくまで自治体が確保しているのは「発電機」。被災現場にもっていくのは現実的に難しく、もし水没してしまえば、自治体自身でも使用不能になりかねない。コストもかかるし、燃料が必要なので安全性の問題もある。長時間置いておくと、老朽化していざというときに動かない可能性も。なにより、持ち運ぶことができない。そこで新たに注目されているのが非常用電池の存在だ。

 乾電池くらいは常時備蓄しているはずだが、あくまで一般の乾電池は1・5ボルト。しかし、現在の非常用電池は進化を遂げ、100ボルトにまで対応が可能。電力として、大きな効果を発揮することが期待できるのだ。簡単に持ち運べるので、自治体にとっても万が一のときに対策本部の移動が容易になるというメリットもある。

 これからは、水や食料と同じように「電力を配る」という発想が、災害対策に必要になってくる。次のページでは、最新の非常用電池の状況について専門家にインタビューを行った。今後の災害対策の参考にしてほしい。


非常時には水や食料と同じく「電力を配る」という発想が必要な時代に

空気亜鉛電池を備えておけばさまざまなシーンで活用できる

株式会社ダブルエー・ホールディングス 代表取締役社長 兼 CEO 皆川 一
[提供] 株式会社ダブルエー・ホールディングス

前ページでは「現場が抱える課題研究」として、自治体の非常時における電源確保の取り組みについてまとめるとともに、新しい電力確保の方法として非常用電池が注目されていることを紹介した。このページでは、これまでになかった機能を搭載した非常用電池の販売を開始したダブルエー・ホールディングス代表の皆川氏に、非常用電池の最新事情などを聞いた。

※下記は自治体通信 Vol.5(2016年7月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

注目されている「第三世代」の空気電池

―近年、非常用電池の分野は進歩しているのでしょうか。

 ええ、進歩しています。とくに酸素を活用して高いエネルギー密度を実現する空気電池は、開発が進んでいます。

 もともとこの技術自体は明治40年にフランスで考案されたもの。日本では、補聴器などで使われる「ボタン電池」が長く主流でした。ほかの製品化が進まなかったのは、温度が5度くらいに下がると寿命が一気に短くなるなど、機能に弱点があったから。それが進歩することで環境制限がほぼフリーになり、製品化が進んでいるのです。初期が第一世代、ボタン電池が第二世代とすると、現在が第三世代の空気電池と言われています。

 最近は代表的なモノとして「マグネシウム空気電池」があり、スマートフォンの充電などに重宝するということで注目されています。ただ一方で、不便な点もあります。

―それはなんでしょう。

 発電する際、水を注入しなければならない点です。たとえば極寒の季節の北部で、しかも真っ暗のなかで簡単に作業ができるかというとそうではない。また、接続がUSBに限定されているうえに、一度発電してしまえばオフにはできず、使いきるしかありません。

 やはり、非常用電池としては、高齢者から子どもまで日本全国どこでも簡単に使用でき、より効率的なモノでなければなりません。そこで我々が注目したのは「空気亜鉛電池」。それが、災害・非常用電池『エイターナス』なのです。

水や食料と同じようにコンビニに並ぶのが理想

―詳細を教えてください。

 まず、利用する際は保存袋を開封するだけでOK。酸素と反応することで、すぐに最大出力まで発電します。付属のインバータを使えば、100~200ボルトに変換でき、家庭用コンセントとして利用できます。また、電力がまだ残っている場合、保存袋に再び封入してしまえば電力の保存が可能。

 さらに、コンパクトながら大容量の電気を出力します。スマートフォンなどの携帯電話なら1台30分の充電で70台使用することが可能。ノートパソコンなら15時間、LED照明なら128時間、血液用冷蔵庫なら10時間使用ができます。

―ほかに特徴はありますか。

最大約10年(推奨期間5年)の長期保存が可能なほか、電池内部の電解質に鉛や水銀などの有害成分を含んでいないため、一般廃棄物として処理できます。また、アルカリ電池に種別されるため、飛行機に載せて運べるのです。

―なぜこのような商品を提供しようと考えたのでしょう。

 ひと昔前の電力は「灯り」という発想でしたが、いまは「情報」に直結します。非常時に被災者が情報を受発信できる電力さえあれば、より多くの命が助かるはず…というのが提供を始めたきっかけです。

 非常時にコンビニで、水や食料と同じように並んでいるのが理想。企業の社会貢献として、備蓄しておいて配るのもいいでしょう。自治体でもせめて市区町村レベルで備蓄しておくとより多くの人に配れる可能性が高まります。

 災害時だけでなく、船舶や山小屋にも備蓄しておけば、多くの人命救助につながるはず。今後も『エイターナス』を活用して、非常時の電力を提供していきたいですね。

皆川 一(みながわ はじめ)プロフィール

昭和32年、茨城県生まれ。建築士・耐震技術認定者。平成17年に株式会社ダブルエー・ホールディングスを設立し、代表取締役社長 兼 CEOに就任する。全固体シリコン二次電池の開発をはじめ、エネルギー関連企業の支援を積極的に推進し、今年の6月から災害・非常用電池『エイターナス』の販売を本格的に開始。

株式会社ダブルエー・ホールディングス

設立 平成17年4月
資本金 1,860万円
従業員数 10人
事業内容 災害・非常用電池『エイターナス』の販売など
URL http://www.aeternus-jp.com/
お問い合わせ電話番号 03-6871-6551(平日 9:00~18:00)
お問い合わせメールアドレス office@wa-holdings.com