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東京都品川区 の取り組み

“サイバー攻撃対策”の実証実験で検証最新技術で守る自治体の事業継続性

自治体の事業継続性

“サイバー攻撃対策”の実証実験で検証最新技術で守る自治体の事業継続性

情報推進課長 仁平 悟
情報セキュリティ担当主査 吉田 義信
[提供] 日本電気株式会社

 ※情報処理推進機構の発表によれば昨年に届け出があった不正アクセス事案の約半分が自治体などの公的機関だった。マイナンバー制の施行を目前に“蟻の一穴”も許さない情報セキュリティ対策の確立・運用が大きな課題となっているなか、品川区(東京都)では新たに導入した全庁ネットワークインフラの安全性などを確認するため、今年1月から3月まで実証実験を実施。その内容を取材した。

※情報処理推進機構:IT国家戦略を技術面・人材面から支えるために設立された経済産業省所管の独立行政法人。コンピュータウイルスやセキュリティに関係する調査・情報提供なども行っている。

※下記は自治体通信 Vol.3(2015年10月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

東京都品川区データ

人口: 37万6,004人(平成27年8月1日現在) 世帯数: 20万8,163世帯(平成27年8月1日現在) 予算規模: 1,510億3,890万円(平成27年度当初) 面積: 22.84km² 概要: 東海道の第一宿場として栄え、京浜工業地帯の一角を担う。近年はJR大崎駅周辺に近代的オフィスが広がる。一方、歴史・伝統を感じさせる町並みや昔ながらの商店街も数多く残る。品川区世論調査においても9割の区民が「住み続けたいまち」として回答。

セキュリティ対策に効果

―実証実験の概要を聞かせてください。

仁平 正式名称は標的型攻撃対策の実証実験です。昨年末に導入、今年初めから稼働したSDN(SoftwareDefinedNetworking)インフラを活用し、ベンダーである日本電気(以下、NEC)のSDN対応製品のネットワーク制御機能とセキュリティ脅威検知・解析製品を組み合わせ、サイバー攻撃検出時の初動対応の自動化を検証しました。

―結果はどうでしたか。

吉田 情報セキュリティの強化が図れることを確認しました。ウイルスを疑似発生させてテストをした結果、感染端末からインターネットやサーバに接続できないことが確認できたほか、それまで約30分を要していた攻撃発生から初動対応までの作業について即時対応できることなどがわかったからです。

―SDNインフラを導入した理由を教えてください。

仁平 自治体などの行政機関や公的機関がサイバー攻撃の標的にされる事案は少なくなく、品川区としても対策を強化していく必要がありました。その点、安全性や事業継続性の観点からSDNは有用であり、行政サービスの質の維持・向上を支えうるインフラだと感じました。

制度変更にも柔軟に対応

―そもそもNECのSDNを採用した理由を教えてください。

吉田 品川区には住民情報、税務、福祉・健康など約100のITシステムが存在しており、これらを効率的・統合的に管理するため、全庁仮想化共通基盤をプライベートクラウドで構築。システムの順次移行を計画しています。
 しかし、既存のネットワーク運用での全庁仮想化共通インフラへの移行には膨大な作業やコストの負担が課題になっていたほか、切れ目のない住民サービスを提供するうえで、専門スキルがなくても操作できるネットワーク環境の整備が必要になっていました。

仁平 そこで、ハードではなくソフトでネットワークの一元的な管理・制御による運用効率化やネットワーク構成の柔軟な変更を可能とするSDNに魅力を感じ採用しました。SDNでは、本庁の管理端末から各端末の状況を把握し、コントロールするといった効率運
用が可能で、サイバー攻撃にさらされた端末を迅速にネットワークから切り離せるからです。
 また、プライベートクラウドへの移行をはじめ、さまざまな制度変更にも柔軟に対応していけるというメリットもあります。

吉田 NECを選定したのは、多くの実績があるほか、コスト面でもベストな提案だったからです。

仁平 庁内ネットワークは行政にとり不可欠なインフラですから、職員がふだん意識をしなくてもスムーズに業務ができるよう、新しい有用な技術があれば、今後もNECには提案してほしい。これからも、最新のICT技術を活用しながら、情報通信インフラを強化し、安全で低コストな運用の実現に努め、効果的で効率的な区政運営を進めていくつもりです。


東京都品川区 の取り組み

“サイバー攻撃対策”の実証実験で検証最新技術で守る自治体の事業継続性

安全・安心の向上と負担軽減を両立

日本電気株式会社 プラットフォームサービス事業部 プラットフォームソリューション技術部    マネージャー 西澤 和正 / 支援自治体:東京都品川区
[提供] 日本電気株式会社

※下記は自治体通信 Vol.3(2015年10月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―SDNの特徴を聞かせてください。

 これまでのように、一つひとつの機器に設定をしていくのではなく、ソフトウエアで遠隔からネットワーク機器に設定していくことができます。このためネットワーク全体の〝見える化〟と原則無停止での機器追加や設定変更が可能。これにより、セキュリティ対策の強化や制度変更への柔軟な対応にくわえ、従来のように初期導入時に余裕をもった機器の選定をするのではなく、最低限の機器で運用し、必要に応じて追加していくといったように、無駄な初期投資を抑えることもできます。

―導入した自治体からの反響を教えてください。

 「運用管理の負担や運用コストが大幅に軽減できたうえ、職員も本来的な業務に集中できるようになった」という声をいただいています。SDNのリーディングカンパニーである当社の製品は、すでに自治体向けで多数の実績があるほか、民間の大企業にも多数、導入していただいています。
 今後も、自治体の職員の方々が安心して、住民の暮らしがより豊かになるような施策に一層取り組むことを可能にするインフラを提供していきたいですね。SDN、クラウド、セキュリティ、ビッグデータなど、当社が持っている最新技術を有効に活用していただくことで、職員の方々には人にしかできない業務に注力していただけると考えています。

日本電気株式会社

設立 明治32年7月
資本金 3,972億円( 平成27年3月末現在)
売上高 2兆9,355億円(平成27年3月期:連結)
従業員数 9万8,882名(平成27年3月末現在:連結)
事業内容 パブリック、エンタープライズ、テレコムキャリア、システムプラットフォーム
URL http://jpn.nec.com/kokyo/
お問い合わせ電話番号 03-3798-1443(平日9:00~17:15)
お問い合わせメールアドレス sw@fcs.jp.nec.com