東京都世田谷区 の取り組み

平成27年10月から住民への番号通知が開始されるマイナンバー制度。導入後の制度活用によって住民サービスの向上が期待される。世田谷区ではいち早くコールセンターを設置。制度への理解をはかると同時に、住民ニーズを把握して導入後の活用につなげる試みについて、同区と協力企業の担当者に聞いた。
※下記は自治体通信 Vol.3(2015年10月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
東京都世田谷区データ
人口: 88万559人(平成27年8月1日現在) 世帯数: 46万227世帯(平成27年8月1日現在) 予算規模: 4,449億2,200万円(平成27年度当初) 面積: 58.05km² 概要: 東京23区の南西部に位置し、南側を流れる多摩川をはさんで神奈川県と接する。現在は高級住宅地として知られているが、古代から居住に適していたとみられ、約3万年前の旧石器時代のものをはじめ遺跡が密集している。天正6年、戦国武将・北条氏政がこの地に新たな宿場を設け、楽市を開いた。これが現在まで400年以上も続く、フリーマーケット「世田谷ボロ市」の起こり。700店近くの露店が路上に軒を連ね、1日に約20万人が集まる。昭和15年に開催される予定だった“幻の東京五輪”メイン会場の駒沢オリンピック公園をはじめ、文化教育・スポーツ施設が充実している。カード交付時の予約もコールセンターで受付
―平成27年6月1日から、マイナンバー制度に関する住民からの問い合わせに対応するコールセンターを開設しました。早い段階でスタートした理由を教えてください。
時間をかけて住民に制度を周知し、理解を促進するためです。世田谷区は90万人近い人口を抱えています。そのすべての住民が対象になるだけに、不安や疑問をもつ人も多いはず。
そこで区の広報紙やホームページ、シンポジウム開催などを通して制度について説明。そして情報発信するだけでなく、住民側からの問い合わせに対応するためにコールセンターをもうけたのです。「今年秋の番号通知を円滑に進める」といった一過性のことへの対策であれば、そのときにコールセンターを設置すればいいかもしれません。ですが、住民にとって個人番号は一生使うもの。行政としてもこの制度を地域のなかで活用していきます。時間をかけて理解を促進し、「地域で活用される制度」にしていきたい。そんな想いから、早めに動いたわけです。
―コールセンター業務は民間企業に委託したそうですね。
はい。いま、この制度への問い合わせに対応できる専管組織の職員は、課長を含めても3名しかいません。簡単には人員を増やせないし、就業時間外や休日の問い合わせへの対応も困難です。そこで、プロポーザルで公募して民間企業へ依頼することにしたのです。
今回委託した事業者は当区のほかのコールセンター業務で実績がある。また、来年1月からのカード交付について、各地域の交付窓口への予約をコールセンターとWebで受け付ける仕組みもあわせて提案してくれました。それらを評価して、委託先に決めました。
―コールセンターを通して、どんなことがわかりましたか。
毎日の問い合わせのなかで、たとえば「住基カードはどうなるのか」といった質問が多く寄せられています。今年9月、マイナンバー制度を解説するリーフレットを全戸に配布する予定で、そのなかで問い合わせが多かった項目について、重点的に取り上げます。
また、個人情報のセキュリティ面への不安が多く寄せられました。これに対しては、個人情報保護に詳しい外部の学識経験者をまじえた管理体制をつくっていることをアピールして、不安解消に努めていきます。
区が提供するサービスを1枚のカードで受けられる
―今後のマイナンバー制度の利活用方針を聞かせてください。
印鑑登録証や図書館利用カードを番号カードと一緒にできないか、といったことが考えられます。
将来的に制度への理解やセキュリティ面の不安払しょくが進めば、民間企業の知恵を活用して、国でも議論されているように、たとえば個人ごとに医療情報を一元的に管理。住民の健康増進に役立てるなどもありえるでしょうね。
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