自治体通信ONLINE
  1. HOME
  2. 自治体事例&企業インタビュー
  3. 電子化された母子健康手帳を、子育て支援の新たな推進基盤に
電子母子健康手帳の導入

電子化された母子健康手帳を、子育て支援の新たな推進基盤に

[提供] ソフトバンク株式会社
電子化された母子健康手帳を、子育て支援の新たな推進基盤に

岡山県備前市の取り組み

電子母子健康手帳の導入

電子化された母子健康手帳を、子育て支援の新たな推進基盤に

備前市 こども家庭課 保健師 尾川 愛
[提供] ソフトバンク株式会社

※下記は自治体通信 Vol.47(2023年2月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

さまざまな自治体業務においてDXが進むなか、子育て支援業務については、母子健康情報を電子化して住民サービスの向上を図る、「電子母子健康手帳」に注目する自治体が多い。備前市(岡山県)もそうした自治体のひとつで、導入で得た成果について同市の尾川氏は「子育て世帯をより手厚く支援するための基盤を構築できた」と話す。取り組みの詳細を同氏に聞いた。

[備前市] ■人口:3万2,061人(令和4年12月末日現在) ■世帯数:1万5,464世帯(令和4年12月末日現在) ■予算規模:433億4,263万6,000円(令和4年度当初) ■面積:258.14km2 ■概要:岡山県南東部、兵庫県との県境に位置する。平成17年に旧備前市と旧日生町、旧吉永町が合併して誕生し、行政区は9地区に分かれる。市内には、3つの日本遺産「旧閑谷学校」(平成27年度認定)、「備前焼」(平成29年度認定)、「北前船」(令和4年度認定)がある。
備前市
こども家庭課 保健師
尾川 愛 おがわ あい

紙とデジタル両方を扱う以上、導入の費用対効果を最重視

―電子母子健康手帳の導入を決めた経緯を聞かせてください。

 母子健康情報の電子化はここ数年、国でも検討が進められている取り組みで、DX推進の機運が高まる当市でも注目していました。紙の母子健康手帳には、子どもの成長を保護者の手で書き残せるというすてきなメリットがありますが、手帳を紛失すれば記録はすべて失われてしまいます。その点、Webサービスである電子母子健康手帳ならば、記録をより確実に保管できるうえ、健診や予防接種といった予定をスマホで確認できるなど利便性も高められます。そこで、紙の手帳を補完する手段として、電子母子健康手帳の選定を進めました。

―選定に当たっては、どういったことを重視しましたか。

 紙とデジタル、2つのツールを扱うことになる以上、費用対効果の大きさをもっとも重要な選定基準としました。たとえば、私たち職員にとっては、費用や運用の面で導入負担が小さいことを重視しました。選定の結果、デジタルこども手帳『てくてく』の導入を決め、妊娠届や出生届を提出した住民を対象に令和4年8月から提供しています。導入の決め手となったのは、導入・運用費が原則無料で、コスト負担が小さいこと。また、UIがシンプルで、住民への説明を行いやすそうな点も評価しました。

 このほか、住民視点では、デジタルならではの機能によって住民が育児に関するさまざまなサービスを受けられる点も、大きな評価ポイントでした。

―詳しく聞かせてください。

 健診・予防接種の記録など住民の利便性を向上させる機能に加え、育児の不安を解消する機能まで備わっている点を評価しています。

 たとえば、今年5月から実装予定の「発達アセスメント」は、子どもの発達状況を定期的にチェックし、もし発達に遅れのある可能性があれば、専門家による介入の必要性を知らせる機能だと聞いています。単に母子健康情報を電子化するだけにとどまらず、手厚い子育て支援につなげられる仕組みとして高く評価しています。

住民サービスと業務効率の、さらなる向上効果に期待

―今後の活用方針を聞かせてください。

 今後は、住民への連絡事務をオンライン化できる機能なども実装されると聞いており、住民サービスや職員の業務効率のさらなる向上につながると期待しています。子育て支援推進のための新たな基盤として、『てくてく』を積極的に活用していきます。


支援企業の視点

「手厚い支援」を実現する仕組みで、電子母子健康手帳に付加価値を

ソフトバンク株式会社 CSR本部 多様性推進課 永井 正和
[提供] ソフトバンク株式会社
ソフトバンク株式会社
CSR本部 多様性推進課
永井 正和 ながい まさかず

―電子母子健康手帳を導入する自治体は増えていますか。

 近年、緩やかに増えています。その背景には、母子健康情報の電子化・利活用を促す厚生労働省の動きや、マイナポータルと母子健康情報の連携などがあります。当社の調べでは現在、約600自治体が導入しています。一方で、導入をためらってしまう自治体も少なくありません。

―それはなぜでしょう。

 出生数の減少が進むなか、導入の費用対効果が見込みにくいケースがあるからです。そこで当社は、子会社のヘルスケアテクノロジーズが開発した『てくてく』の提供を通じ、母子健康情報の電子化にとどまらない、総合的な「子育てDX」を支援しています。ツールの特徴は、子育てに課題をもつ家庭に寄り添い孤立させない支援を提供できることです。たとえば、特別支援教育系の大学准教授の書籍を基に開発した「発達アセスメント」は、保護者に子どもの発達状況を確認してもらい、必要に応じて専門的な介入を促す機能です。さらに、妊娠・出産期から子育て期にわたり24時間365日チャットで健康医療相談ができるアプリ『HELPO』との連携など、デジタルならではの拡張機能で子育て支援を充実させます。

―自治体に対する今後の支援方針を聞かせてください。

 すでに多くの自治体と接点があるLINE社や、行政手続きの電子化を手がけるヤフー社などとともに、グループ一丸となり自治体の子育て支援を多面的にサポートします。導入に関する自治体向け説明会も定期的に行っていますので、ご連絡ください。

永井 正和 (ながい まさかず) プロフィール
昭和63年、埼玉県生まれ。平成23年にソフトバンクテレコム株式会社(現:ソフトバンク株式会社)に入社。おもに法人向けのソリューション営業や官公庁向けのプロジェクトの推進に携わる。平成29年より現職。社会貢献領域のサービス企画・推進に従事。
ソフトバンク株式会社
設立 昭和61年12月
資本金 2,043億900万円(令和4年3月31日現在)
売上高 5兆6,906億600万円(連結:令和4年3月期)
従業員数 4万9,581人(連結:令和4年3月31日現在)
事業内容 コンシューマ事業、法人事業、流通事業、ヤフー・LINE事業
URL https://www.softbank.jp/
問い合わせ先 GRP-dejiko@g.softbank.co.jp

ソフトバンク株式会社
ソフトバンク株式会社
イベント
  • 電子印鑑ならGMOサイン 導入自治体数No.1
  • 自治体通信1Dayセミナー 自治体DXの最新事情 庁内業務・情報セキュリティ対策編 2024.1.22(月) 9:30~16:30 ※2部制
  • 自治体通信オンライン展示会 第2回自治体DX展 ①庁内業務改善 ②情報セキュリティ ③窓口・オンライン申請 2024.2.5(月)9:00~2.7(水)21:00
  • 自治体通信1Dayセミナー アーカイブ動画無料配信
  • アナリティクスによるデータ利活用が行政機関の業務を変革する データ活用事例を見る sas
メルマガ
  • メルマガ会員にお得な特典!
キャンペーン
  • 自治体通信 事例ライブラリー 「食」を通じた地域活性化特集
  • 自治体通信 事例ライブラリー 冬に備えた高齢者の見守り支援特集
お役立ち資料
  • 「自治体導入事例集」のお役立ち資料5選
  • 自治体職員向け「住民への情報発信」のお役立ち資料4選