自治体通信ONLINE
  1. HOME
  2. 自治体向けサービス最新情報
  3. 【岩国市 選挙管理委員会様の事例】有線回線がなくても 期日前投票所を迅速に開設

【岩国市 選挙管理委員会様の事例】有線回線がなくても 期日前投票所を迅速に開設

[提供] NTTビジネスソリューションズ株式会社
    【岩国市 選挙管理委員会様の事例】有線回線がなくても 期日前投票所を迅速に開設
    この記事の配信元
    NTTビジネスソリューションズ株式会社
    NTTビジネスソリューションズ株式会社

    「セッティングがとにかく簡単で、職員の作業負担も大幅に軽減されました」

    岩国市 選挙管理委員会
    (左から)
    藤本忠夫 事務局長
    髙橋翔利 書記

    ■事例概要

    岩国市選挙管理委員会様は2022年の参院選において、山口県内で初めて駅前に「期日前投票所」を開設。仕事・学校帰りの有権者等の投票機会の拡大に大きく寄与した。
    投票所では本人確認のためのセキュアな通信環境が必要となるが、駅前の広場に有線回線を敷設することが困難で、期日前投票所の開設が危ぶまれる中、セキュアな通信環境の迅速な構築を実現したのがNTTビジネスソリューションズの「AQStage ネットワーク モバイルアクセス」だった。


    業種: 公共
    規模: 選挙人名簿登録者数10万9,714人(2022年12月1日登録日現在 )
    課題: 有線回線のない場所での期日前投票所の迅速な開設
    導入サービスAQStage ネットワーク
    ・モバイルアクセス ワイヤレス拠点プラン
    ・イージーLAN


    ■ポイント
    1.セキュアな閉域網で、不正侵入の心配がないネットワーク
    2.有線回線を使わなくても 期日前投票所を迅速・柔軟に開設
    3.セッティングが簡単で、職員の作業負担を大幅に軽減


    インデックス

    AQStage ネットワーク 導入背景
    AQStage ネットワーク 選定理由
    AQStage ネットワーク 導入効果
    今後の展望
    企業紹介


    ■AQStage ネットワーク 導入背景

    投票所での有権者の本人確認にはセキュアな通信環境が不可欠

    岩国市 選挙管理委員会
    藤本 忠夫 事務局長

    「『選挙制度は選挙人(有権者)のためのもの』であることを念頭に、選挙人が投票しやすくなるような新たな施策を積極的に取り入れることを心掛けています」

    岩国市選挙管理委員会の藤本忠夫事務局長は、組織の運営理念をこう語る。

    ハード面の施策だけでなく、若い有権者にリラックスしてもらえるよう、期日前投票所のBGMとして市内の小中学校の校歌を流すなど、ソフト面からの投票環境の向上にも気を配る。

    期日前投票は2003年の公職選挙法改正で創設された制度。岩国市選挙管理委員会様は、市役所や支所等、市の関連施設で期日前投票所を開設するだけでなく、2019年の参院選からは大型ショッピングセンターの催事場にも期日前投票所を設置する等、市民の暮らしに寄り添う形で投票機会の確保・拡大に努めてきた。

    投票所では、選挙人の本人確認のため、投票所入場整理券に記載されたバーコード情報を読み取り、市役所の選挙人名簿データにオンラインでアクセスし、照合を行う。安全・確実に本人確認を行うには、セキュアで安定したネットワークが欠かせない。

    藤本事務局長は「通信ができなくなれば、選挙の受付事務ができません。つまり、選挙人が投票できなくなってしまうのです」とネットワークの重要性を強調する。紙の選挙人名簿との照合で受付事務ができないわけではないが、照合に時間を要し選挙人を待たせてしまう他、期日前投票所は10カ所程度開設していることから、受付情報をシステムで集中管理しなければ「二重投票」の危険性が生じてしまう。

    ショッピングセンターは、市の関連施設のように庁内LANには接続されていない。そこで岩国市選挙管理委員会様は、セキュアな拠点間接続を実現するNTT西日本の閉域VPNサービス「フレッツ・VPN ワイド」を利用することで本人確認を行ってきた。

    駅前広場への「期日前投票所」開設をめざすも、ネットワークの敷設が困難で暗礁に

    岩国市 選挙管理委員会
    髙橋 翔利 書記

    第26回参議院議員通常選挙(2022年7月10日投開票)に向けて、岩国市選挙管理委員会様は、JR岩国駅前に期日前投票所を開設しようと計画していた。岩国駅は2017年に橋上化され、西口には広場(エントランス)が整備されていた。「天井があって雨風をしのげ、一定の広さもある。いい場所を見つけた、という感じでした」(藤本事務局長)

    「若い世代の政治・選挙離れは深刻化しています。駅は、若い人たちも通学・通勤で多く利用しているため、気軽に投票してもらえればと考えました」と、選管事務局の髙橋翔利書記は投票率の低下に歯止めを掛けようと心を砕く。

    岩国市選挙管理委員会様が岩国駅前での期日前投票所開設を正式に決定し、市の情報統計課を通じて「フレッツ・VPN ワイド」の利用を申し込んだのは5月のこと。参院選の公示は6月22日であり、間近に迫っていた。

    依頼を受けたNTTビジネスソリューションズは早速、現地調査を実施。すると、西口の広場には有線回線が敷設されておらず、「フレッツ・VPN ワイド」を利用するには、広場を通行止めにしてLAN配線を引き込む大掛かりな工事を行う必要があることが判明した。

    髙橋書記が当時の切迫した心境を打ち明ける。

    「まさか、そんな事態になるとは想像もしていませんでした。ショッピングセンターの時のような通信環境が構築できると思っていたので…。各関係機関とも調整済みでしたし、広報物などの準備も進んでいたため、正直かなり動揺しました」

    ■AQStage ネットワーク選定理由

    セキュアな閉域網で、不正侵入の心配がないネットワーク

    岩国市 総務部 情報統計課 電算班
    穐本 憲一 班長

    「どうにかなりませんか」と、岩国市選挙管理委員会から相談を受けた岩国市情報統計課 電算班の穐本憲一班長は、まずはセキュリティーを最重視して、物理的な有線の通信環境構築を検討。しかし、やはり時間的にも、LAN配線工事の予算措置の面からも非現実的だった。

    「広場に防犯カメラが設置されていれば、その回線を流用する手段も取り得たのですが、当時はまだ設置されていませんでした。となると、無線通信を使わざるを得ませんが、有権者の個人情報を扱うため、一般的なWi-Fiというわけにはいきません。とにかくセキュアな閉域網で、不正な侵入が起きないことを大前提として、NTTビジネスソリューションズに再度相談しました」(穐本班長)

    NTTビジネスソリューションズは、高セキュリティーな閉域網で、岩国市の選挙システムに安心して接続でき、さらに短期間で構築可能で、かつコスト的にも妥当なネットワークを検討。半導体不足で通信機器が品薄状態にあることも加味した上で提案したのが、「AQStage ネットワーク」の「モバイルアクセス※1(ワイヤレス拠点プラン)」と「イージーLAN」等を組み合わせて構築するネットワークだった(「ネットワーク構成図」参照)。

    ※1 ベストエフォート型のサービスであり、一定の通信速度を保証するものではありません。モバイルサービスは周囲の電波環境により通信できない場合があります。

    <ネットワーク構成図>

    有線回線のない場所でも、短期間で通信環境を構築可能

    「AQStage ネットワーク モバイルアクセス(ワイヤレス拠点プラン)」は、インターネットを経由しない閉域網接続であるため、セキュリティーレベルが高く、インターネット上の悪意のある第三者から攻撃されることはない。

    また、「ワイヤレス拠点プラン」は、有線回線を敷設できない拠点等にネットワークを整備する際に利用されるプラン。拠点に設置する「モバイル通信対応ルーター」と「AQStageネットワーク」の間は、独自の暗号化によって秘匿性を確保しており、万一、通信が傍受されても内容を解読することはできない仕組みとなっている。

    穐本班長は「セキュリティーの担保されたネットワークを、設計やルーターのConfig設定等も含めて、全く時間のない中で迅速に構築してもらえたことは本当に助かりました。市民の皆さんへの周知も進んでいて、もう後には引けない状況でしたから」と胸をなで下ろす。

    ■AQStageネットワーク導入効果

    多忙な有権者の投票機会の確保・拡大に貢献

    JR岩国駅西口に設けられた期日前投票所

    岩国駅前の期日前投票所は6月28~30日の3日間、16~20時に開設。投票日に予定のある、仕事帰りや学校帰りの有権者が一票を投じた。

    「電車の発着の頃合いに選挙人が集中する場面もあり、スムーズに受付ができなければ選挙人をお待たせしてしまうところでしたが、バーコードをピッと読み取ればすぐに処理され、有線の通信環境と遜色なく利用できました」と髙橋書記は使い勝手について話す。

    「受付事務のトラフィックは、基本的にはバーコードで読み込んだ情報が流れるだけで、処理は市役所の選挙システム側で行っています。顔認証等の画像のデータを送信するわけでもなく、通信の帯域は十分でした」(穐本班長)

    藤本事務局長は「多くの人が往来する駅前に期日前投票所を設置できたことで、まだ投票権のない小・中学生にも選挙を身近に感じてもらう機会となり、主権者教育の一助にもなったのではないでしょうか」と、投票の利便性向上にとどまらず、選挙啓発という副次的効果にも着目する。

    セッティングが簡単で、職員の作業負担を大幅に軽減

    髙橋書記はセッティングの簡便性も高く評価する。

    期日前投票所に設置する「モバイル通信対応ルーター」は、NTTビジネスソリューションズが各種設定情報を記述したConfigの投入を行った上で、SIMとセットにして提供された。このため、専門知識がなくても、この設定済みルーターの電源をオンにして、選挙システム端末のPCをつなぐだけでセッティングが完了し、すぐさま選挙の受付体制に入ることができたという。従来はルーターだけでなく、ONU(回線終端装置)やL2スイッチの接続等も必要だった。

    「とにかく簡単で非常に助かりました。それまでは情報システム部門に人員を要請し、大きな負担を掛けてしまっていました。無線なら専門知識のない選管職員でも説明書の図のとおりに接続するだけで済み、準備がとてもスピーディーになりました」

    岩国市 総務部 情報統計課 電算班
    河杉 祐太郎主事

    岩国市情報統計課 電算班の河杉祐太郎主事は「選挙の期日は月曜日に始まることもあり、そうなると準備作業はその前日の日曜日に行うことになります。加えて、ショッピングセンターの催事場は日中、他の催しが行われているため、準備作業はどうしても夜間に行っていました」と振り返る。

    有線の場合、LANケーブルに足を引っ掛けて転倒したりする人が出ないよう会場の床にケーブルをはわせる配線処理作業も必要だった。無線ならそうした危険も作業の手間もない。また、撤収時には、ショッピングセンターの閉店時刻に間に合うよう慌ただしく片付けていたが、無線ならルーターとPCの接続部分を外すだけで済む。

    この簡便性に注目した髙橋書記は、「実は参院選では、駅前と日程が重なっていなかったショッピングセンターの期日前投票所にもモバイル通信対応ルーターを持って行き、有線の代わりに使ってみたのですが、本当に簡単でしたね」とその効果をさらに実感したという。

    「ワイヤレス拠点プランを追加契約し、10月に行われた市議選では、駅前とショッピングセンター、さらに市役所1階多目的ホールの期日前投票所で利用し、フル活用しています。屋内の電波環境には当初、不安もありましたが、全く問題なく利用できました」

    ■今後の展望

    より利便性の高い場所での投票所開設も視野に

    これまでは「有線でなければ」と思い込んでいたという髙橋書記。「無線でもセキュリティーが担保できると分かったため、選挙人にとってより利便性の高い場所での投票所開設も検討の視野に入れていきたいと考えています」と意欲的に語る。

    岩国市には、山間部で有権者が数十人しかおらず、かつ交通手段のない集落が6カ所ほどあるという。「現在はそこの集会所や公会堂に選管職員が紙の選挙人名簿を準備して出向き、投票所入場整理券と目視で照合して本人確認の受付事務を行っています。そこで携帯電話がつながるなら、モバイル通信対応ルーターと選挙システム端末を持っていけば、選挙人名簿などの下準備も、当日の受付事務も効率化できる、さらに二重投票の余地もなくなります」と、藤本事務局長は足元の業務の改善策に思いを巡らせる。

    穐本班長は「閉域網のモバイルアクセスを活用すれば、場所にとらわれずに市のシステムにログインできます。選挙にとどまらず、アイデア次第でさまざまな市民サービスの可能性が広がるのでは」と期待を膨らませる。

    最後に、藤本事務局長は居住まいを正し、真剣な表情でこう話した。

    「選挙業務でネットワークトラブルが起きれば取り返しがつきません。その有権者は明日から出張があるから今日来ているかもしれないのです。『また来てください』はあり得ません。その1票は代償が利かないものなのです。万一に備えてのバックアップ回線なども含め、今後とも安心した運用につながる提案を期待しています」

    ■企業紹介

    岩国市選挙管理委員会

    投票しやすさを向上させる新たな取り組みも積極的に推進

    事務局 山口県岩国市今津町一丁目14番51号
    選挙人名簿登録者数 10万9,714人(2022年12月1日登録日現在)
    主な業務 「選挙制度は選挙人のためのもの」であることを念頭に、選挙人が投票しやすくなる新たな施策を積極的に取り入れつつ、下記の取り組みを推進している。

    ・選挙が公明かつ適正に行われ、選挙人からの信頼に応え得るような選挙事務の執行
    ・選挙人が主権者としての自覚を持って進んで投票に参加し、選挙人の意思が正しく政治に反映される選挙の執行
    ・効果的な投票率向上のための啓発活動
    URL https://www.city.iwakuni.lg.jp/soshiki/82/
    NTTビジネスソリューションズ株式会社
    NTTビジネスソリューションズ株式会社
    NTTビジネスソリューションズ株式会社
    会社名NTTビジネスソリューションズ株式会社
    設立2013年10月1日
    資本金1億円
    代表者名北山 泰三
    本社所在地

    〒530-0011
    大阪府大阪市北区大深町3番1号

    事業内容

    ビジネスユーザーに対する情報通信システムの提案、構築、サポートなどの業務

    URLhttps://www.nttbizsol.jp/

    本サイトの掲載情報については、企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。

    提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。

    電子印鑑ならGMOサイン 導入自治体数No.1 電子契約で自治体DXを支援します
    自治体通信 事例ライブラリー