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Cisco/NetAppの次世代FlexPodが実現するハイブリッドマルチクラウド ~Full-Stack Observability~ 第2回

IntersightによるCisco/NetAppの次世代FlexPodが実現するハイブリッドマルチクラウドインフラ基盤を自動化へ

 ウィズコロナの時代となり、リモートワークとクラウド利用が益々進む中、企業のビジネスのデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みも急速に拡大しています。

 利便性に優れるパブリッククラウドの良いとこ取りしながら、クラウドには上げられないオンプレミス上のデータも含めてハイブリッドで一元的かつ効率的に管理していくことがこれからのデジタルインフラの重要課題となっています。

 本稿ではこれらの課題を、シスコとネットアップによる事前検証済みの共同ソリューションである「FlexPod」がどう解決するのか、可観測性、自動化、ハイブリッドクラウドでクラウドとオンプレミスを意識せず自由に活用できるセルフポータルな次世代IT基盤をいかに実現するのか、についてのキーポイントを簡単にご理解いただきたいと思います。

 Ciscoとネットアップの次世代FlexPodが実現するハイブリッドマルチクラウドについてシスコシステムズ合同会社の加島が紹介させていただきます。
 次世代FlexPodの概要とそれを管理していくソフトウェア「Intersight」、新しいブレードサーバーとしてのUCS-Xをご紹介します。


次世代FlexPodの概要

 主にコンピューティングに関してはシスコの最新のUCSコンピューティング、そしてネットワークの部分はデータセンタースイッチNexsus 9000とMDS 9000のファブリックにより高速なネットワークを提供します。ストレージはエンドツーエンドのNVMeを備えたオールフラッシュのNetAppストレージとなります。「単一ベンダーのサポート」とは、Intersightに登録することにより、IntersightからFlexPodを管理する、つまりラウドベースの管理が実現可能になっています。

 FlexPodに関しては、Ciscoとネットアップのパートナーシップにおいて10年の実績があり、Cisco Validated Design(CVD)つまり検証済みの結果のレポートは現在190以上存在しており、つまりFlexPodを含む構成が、非常に信頼性のある構成だということになります。

 次世代FlexPodの主な機能は、Intersightが担っており、Intersightを活用することでハイブリッドマルチクラウド環境でのオブザーバビリティの確保と、様々な操作を自動化することによる活用が実現できます。

 次のスライドはNetApp ONTAPストレージとCisco Intersightの統合の図です。Intersightを使うことで、シングルペインで直感的な操作性と、SaaSによるシンプルさ・使いやすさ、グローバルポリシー、実用的インテリジェンスを提供します。

次世代FlexPodを活用するためのIntersightの機能

Intersightを構成するのは、
● 自動化を実現するためのIntersight Cloud Orchestrator(ICO)、
● Terraform(Infrastructure as Codeを実現する)を利用するためのIntersight Service for hashiCorp(IST)、
● 仮想化アプリケーションの最適化を行うためのIntersight Workload Optimizer(IWO)、
● Intersight Workload Engine(IWE)、
● 仮想化環境をモニタリングするためのIntersight Virtualization Service(IVS)、
● Kubernetes環境を展開するためのIntersight Kubernetes Service(IKS)、
● インフラストラクチャを管理するためのIntersight Infrastructure Service(IIS)
などのコンポーネントです。こうした形で多数の機能が追加されています。

 ではIntersightを使い、FlexPodを含めたオブザーバビリティや自動化を実現するための機能についてご紹介します。

 一つ目は、「Intersight Infrastructure Service」です。これを利用することで、シスコのUCSサーバをクラウドから管理できるようになります。さらにIntersightを経由してシスコIMCのコンソールを起動したり、障害発生時にシスコのサポートチームと連携してテクニカルサポートログを自動取得できるようになっています。

 さらにファームウェアの互換性の自動チェック、ヘルスチェック、アドバイザリー情報をアラームとして表示・発行することも可能です。

 またコンピューティングのファームウェアのアップグレード、OSのインストールも、 Cisco Intersightを経由することで実現可能になっています。特に簡単になるのはバージョンアップです。今までは、必要なファームウェアをダウンロードしサーバー単体で起動しアップグレードしていました。Intersightを使えば、プルダウンで必要なバージョンを選ぶだけで、アップグレードできます。バージョンを選ぶと、互換性のチェックを自動的に行います。その後アップグレードが自動的に走ります。Intersightに登録されているコンピューティングに関しては、アップグレードであったりアドバイザリー情報のチェックアームや互換性のチェックというものが不要になります。

 さらにこのIntersight Infrastructure Serviceはネットアップのストレージとの連携も可能になっています。つまりコンピューティングはシスコのサーバを、ストレージに関してはCisco Intersight Assist VMというものを経由することにより、Intersight上にネットアップのストレージを表示できます。FlexPodで求められているような管理やオブザーバビリティを実現できます。

Intersight Virtualization Service

 このサービスは、オンプレミス環境にあるvCenterと連携可能になっています。vCenterから各種インベントリー情報、例えばESXi のクラスターの情報や、ホストの情報、データストア、仮想マシンの情報を引っ張ってくることができます。リモートアクションとして、仮想マシンの電源のon/off、リセット、シャットダウンといったことを実行することが可能になります。さらに、VPNを利用せずにVMwareのコンソール画面を表示することが可能になります。

 IntersightにvCenterを登録することにより、仮想マシンの状態、さらには仮想マシンに対するコンソールの起動、オペレーションなどを実現することが可能です。

 こちらがIntersight Virtualization Serviceから見たvCenter配下の ESX クラスタ、ホスト、データストア、仮想マシン単位の情報になります。

vCenterからアクセスして確認する場合と同様の情報取得が可能になっております。
 Intersight Virtualization Serviceを使った仮想マシンに対するオペレーションになります。Intersightを利用してlaunch vm consoleこちらを起動することで、オペレーションが可能となっております。

   

Intersight Cloud Orchestrator

 Intersight Cloud Orchestratorはさまざまな「タスク」ライブラリーから必要なタスクを組み合わせることで自動化をするソリューションです。次の図が事前に用意されているタスクライブラリーの一部となります。ここから必要なタスクを選択し、GUIベースでワークフローを作成できます。

 次世代FlexPodでは「Intersight-ONTAP Tasks」というところで、このIntersight Cloud Orchestratorの、ネットアップに対するストレージのオペレーションタスクが大幅に拡張されています。そしてタスクだけではなく、ONTAPに対するワークフローも事前に用意されておりますので、自動化のオベーションが、(スクラッチで作るのではなく)既存のワークフローをカスタマイズして実現できるようになっています。

Intersight Workload Optimizer

 Intersight Workload Optimizerは、アプリケーションリソースの最適化や、アプリケーションや仮想マシンのオブザーバビリティを提供する機能です。仮想マシンの CPUやメモリーの状態を確認し、AIを駆使したリアルタイムな解析によりパフォーマンスとコストのバランスをとり続けるように機能します。

 この図はIntersight Workload Optimizerとアプリケーション監視ツールAppDynamicsを連携した利用例になります。

 アプリケーションによっては同じサーバで稼働している仮想マシンであっても、割り当てているCPUが多ければユーザー体験は良好になります。一方割り当てているCPUが少なければユーザー体験は悪化することがあります。つまり同じサーバーに乗っかっている仮想マシン同士でもアプリケーション次第ではユーザー体験が良いものもあれば悪いものもあります。

こういったものをリアルタイムで可視化し、分析します。その結果、CPUをより多く割り当てているにも関わらず、CPUをそこまで使っていないアプリケーションと、CPUが少なすぎてアプリケーションの負荷が高い、つまりインフラコストに対しては最適な状態になっていないということが分かります。

 最終的に、アクションというフェイズで、構成変更を行います。どちらのアプリケーションもユーザー体験を良好に保つために一方では CPU数を減らし一方では増やすことによりユーザー体験を良好にする、つまりアプリケーションの最適化をここで実現することが可能です。

FlexPodのコンピューティング部分:UCS-X

では、次世代FlexPodのコンピューティング部分である新しいUCS-Xシリーズをご紹介します。UCS-Xシリーズはシスコが提供している新しいブレードサーバです。Intersightから管理するクラウド運用モデルであり、各コンポーネントをモジュール化することで柔軟性を持たせるという、今後10年を見据えたアーキテクチャを採用したモデルになっております。

 コンピューティングのモジュールと、アクセラレーターという、実際にはGPUなどが搭載できるというタイプ、SSBやNVMe が搭載可能なストレージ、メモリーのモジュ―ラというものが存在しています。

 従来コンピューティングの制限、GPUの搭載の数、ストレージの数、メモリーの数にはコンピューティングの固有の制限がありましたが、モジューラー型にすることによりこれらの制限をなくしていきます。

 必要なGPUをアクセラレーターから切り出してコンピューティングに割り当てる、必要なストレージ、NVMeであったり、SSDのサイズを切り出しコンピューティングに割り当てる、メモリーを状況に応じてコンピューティングに割り当てる、といった形でコンピューティングの制限に縛られず、このモジューラー型のオプションを追加することが可能となります。これを実現するための新しい技術が 「UCS-X Fabric Technology」です。

 アプリケーション要件を満たすコンピューティングとして UCS-Xは最適です。今後増え続けるワークロードと複雑化するアプリケーションに求められる要件に対して、モジューラ型システムを採用することで、従来のコンピューティングの制限というものを解放し、ワークロードに応じたプロファイルを割り当てることが可能となります。

 また、「Intersight Service for Terraform Hashicorp」を使うことにより、いわゆるInfrastructure as Code(IaC)によるシステムの統合が可能となります。  UCSのブレードサーバーの特徴であるサービスプロファイルをさらに進化させ、モジューラ型に割り当てることにより、一つのコンピューティングアーキテクチャに対して複数のワークロードを統合していくことが可能となります。

 どんな形でこのワークロードを動かせるかサービスプロファイルを割り当てていけるかをご紹介をさせていただきたいと思います。次の例はサーバープロファイルにより動的にインフラを変更していく例です。

 モジューラ型のUCS-Xではこのように、コンピューティング、GPU 、SSDといったさまざまなモジュールを混ぜることが可能です。そしてプロファイルを作成することにより、「コンピューティングに対して2つのGPUを割り当てる」、また「コンピューティングに対して1つのGPUと1つのSSDの割り当てる」、「1つのコンピューティングに対してSSDのみを割り当てる」といったパターンで、プロファイルを作り変えることによって、様々なハードウェアの変更できるようになっています。そしてこれをすべてIntersightを使って設定をしていくのですが、IntersightではTerraformとの連携もできるようになっています。つまりTerraformを経由して高度化された形でプロファイル作成し、割り当てをしていくということが可能となります。

 例えばVDI を使いたい場合に VDI用のプロファイルを作成し、それをコンピューティングに割り当てるとします。コンピューティングには各GPUを2つ割り当てたサーバを作成したいといったケースに対しても、プロファイルを作成して割り当てるだけですので、簡単に実行できます。次の図は、GPUとコンピューティングリソースを組み合わせたパターンのプロファイルになります。

   

xファブリックを利用することにより、このモジューラ型とコンピューティングを組み合わせ、GPUとコンピューティングの組み合わせを非常に簡単に作ることができます。

 また「夜間に機械学習(ML)の処理をさせたいので、GPUを増やしサーバを作りたい」というニーズが出てくる可能性があります。これもサーバのプロファイルを付け替えていただくだけで対応できます。

 こうしてML用に、一段のコンピューティングに各4つのGPUが存在するような形で処理することができます。

 また「週末はSSDを多く搭載してデータの分析などを行いたい」という場合も、同様にプロファイルを変更するだけで簡単に構成を変更できるようになります。  モジューラ型であるため、コンピューティングとモジュールの部分を非常にフレキシビリティに使えることが大きなポイントですので、今後増え続けるワークロードやアプリケーションに対して柔軟に対応できるためのUCSサーバというブレードサーバーとして、UCS-X が存在しています。

Cisco UCS-Xハードウェアコンポーネントの紹介

 UCS-Xは非常にシンプルな作りになっています。
 コンピューティングの部分は最大8ノードまで搭載できます。この8ノードのうちで、コンピュートノード、GPUのモジュール、SSDやメモリーモジュールなどを混在することができるようになっています。

 また、コンピュートノード単体でも2.5インチのハードディスクSSD、NVMeを最大6台まで搭載できるようなアーキテクチャになっています。 M.2 SSDに関しましてはハードウェアRAIDが構成できるものを搭載できるようになっています。

 ブレードサーバの背面を見てみましょう。ブレードサーバの背面には「Intelligent Fabric Modules」(インテリジェント・ファブリック・モジュール)と呼ばれるものが1つ搭載されています。これは、ファブリック・インターコネクトに直接接続するモジュールです。従来の UCSブレードサーバでいうところのI/Oモジュールに近い役割を持っています。ブレードの背面の下側には、「Flexible X Fabric」(フレキシブルエックスファブリック)というものが新しい技術として存在しています。ここのインテリジェントファブリックモジュールも、コンピューティングに対して直接つなぐタイプとなっていますので、バックプレーンは存在していません。さらにこのFlexible X Fabricは、新しいジェネレーションが出た際に、このファブリックを交換することによってアップグレードができる作りになっています。Intelligent Fabric Modulesも同様に、新しいモジュールが出た際にこれを交換していただくだけで広帯域を確保することができるようになります。

 こちらの図はコンピュートノードからインテリジェントファブリックモジュールに直接接続されている図となります。

I/Oミッドプレーンが削減されているため障害ポイントが少なくなっています。新しい世代のインテリジェントファブリックモジュールが出た際には交換することでパフォーマンス向上を実現できるようになっております。

 UCS-Xは将来に向けた設計がされています。モジューラ型のブレードを採用することにより、PCIeの世代が4から5,6に移行するのか、それともCXL(Compute Express Link)を採用するのか、高ワットの CPUを使う広帯域のファブリックになっていくのか、様々な可能性がございます。UCS-Xではモジューラ型になっているインテリジェントパブリックモジュールや、フレキシブル x ファブリックの交換により、様々な技術をサポートできるような体制を実現しております。将来的には水冷によるブレードサーバの冷却も対応できる設計となりますので、今後10年を見据えたブレードサーバとしてぜひUCS-Xをご検討いただければと思います。

ハイブリッドクラウド環境下でのコンバージドインフラストラクチャの変革:次世代FlexPod

 次世代FlexPodではUCS-Xを利用することにより、アプリケーションに合わせた設定の変更、例えばGPUやSSD のモジュールを切り出すことによる高パフォーマンスのワークロードへの対応を実現できます。オブザーバビリティやクラウド管理については、Intersightを利用してコンピューティングの管理、アプリケーションの最適化と自動化を実現できます。

 Netapp ONTAPとCisco Intersightとの統合についてですが、Cisco Intersightではサードパーティーのストレージを登録できます。

 ただし登録にあたっては、Intersight Assisst Virtual Applianceと呼ばれるOVAを事前に準備していただく必要があります。このIntersight Assisst Virtual ApplianceがIntersightに接続するためのプロキシーとしての役割を持ちます。そしてこれを展開することでIntersight上にネットアップのストレージを登録して、そのストレージの状態とともに、vCenterの状態、仮想マシンの状態、そしてコンピューティングではUCS-Xの状態を統合して管理できるようになります。

 FlexPodについては、従来通りのUCS Managerを使ったFlexPod利用に加え、Intersightに統合していく次世代FlexPodでの利用など、様々なCVDを準備しております。是非参考にしていただければと思います。

 

シスコシステムズ合同会社
設立 1992年5月22日
資本金 4億5千万円
代表執行役員社長 中川いち朗
従業員数 1,300 名(2021 年 8 月現在)
所在地 〒107-6227
東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー シスコ受付21階
事業内容 ネットワーク システム、ソリューションの販売ならびにこれらに関するサービスの提供
URL https://www.cisco.com/c/ja_jp/index.html
ネットアップ合同会社
設立 1992年
代表執行役員社長 中島 シハブ・ドゥグラ
従業員数 日本オフィス:約220名、グローバル:約10,800名(2021年4月現在)
所在地 東京都中央区京橋2-1-3 京橋トラストタワー9F-10F 
事業内容 1992年に設立され、カリフォルニア州サニーベールに本社を置くネットアップは、業界をリードするクラウドデータサービス、ストレージシステム、およびソフトウェアを使用して、お客様がデータを最大限に活用できるよう支援することに特化しています。
URL https://www.netapp.com/ja/