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地域公共交通における自治体の課題と取組事例【自治体事例の教科書】

2019/4/26

地域公共交通における自治体の課題と取組事例【自治体事例の教科書】

持続性のある地域公共交通のあり方とは? 独自の取り組みをしている自治体事例などを通じて、そのポイントを探りました。
 
【目次】
■「地域公共交通再編事業」とは
■事例①【効率化】八王子市(東京都)
■事例②【明確な役割分担】三郷市(埼玉県)
■事例③【地域一体の取り組み】北九州市(福岡県)
■事例④【民を巻き込む広域連携】米子市(鳥取県)・境港市(同)など
■コスト削減と利便性向上を同時実現したコミュニティバス

「地域公共交通再編事業」とは

近年、地域における公共交通を取り巻く現状は人口減少や少子高齢化に伴い厳しさを増しています。

地域の公共交通は住民にとって通勤、通学の手段であり、まちづくりに不可欠なインフラです。このため、平成26年に「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」が改正され、これまで多くの地域で民間事業者が中心となり検討されてきた地域交通のあり方について、自治体が主体となって計画策定できるようになりました。

これにより、地域での公共交通ネットワークを効果的に持続させるだけでなく、全面的な再編を含めた取り組みも進められるようになりました。国もその取り組みを支援しています。

地方公共団体の主導で実施される地域公共交通網形成計画及び再編実施計画策定のポイントは次の5点です。

①交通事業者との良好な関係づくり
②「利用者目線」の重視
③周辺サポーターとの連携
④協議会の活用
⑤役割と責務の明確化

次に、独自の視点で持続的な地域公共交通の実現に取り組んでいる事例を紹介しましょう。

事例①【効率化】八王子市(東京都)

八王子市(東京都)では平成19年に八王子市地域公共交通会議が設立され、山間地域交通改善モデル事業の推進が始まりました。対象地域に八王子市小津町地域が選定され、平成19年から同モデル事業によるコミュニティバスの運行が開始されました。

事業開始直前(平成19年8月)のバス路線は上り9便、下り7便でした。しかし、事業開始後(平成19年10月)は、運行本数が1日3往復と減少したものの、利用者数は便数換算で倍増しました。

コミュニティバスの運行経費は、地域と市が4:6ほどの比率で負担しています(運賃収入除く)。スクールバスの側面もあることから、教育委員会の一部補助により市の負担分が多くなっています。

事例②【明確な役割分担】三郷市(埼玉県)

三郷市(埼玉県)が実施した地域公共交通の路線網再編では、市民の外出が約44%増加(平成15年調査)したという結果が得られています。

この計画の注目点は、行政とバス事業者との役割分担が適切に明確化されていることです。三郷市はバスの走行環境整備等は行いますが、運営主体はあくまでバス事業者としました。

そのため委託料や補助金を支給することなく、過度な財政負担も発生しない形で、市民への適切なバスサービス提供が実現しています。

事例③【地域一体の取り組み】北九州市(福岡県)

北九州市(福岡県)は、平成12年に枝光地区で乗合ジャンボタクシーによるコミュニティバスの運行を開始し、バス路線がなかった住民の生活交通手段を確保しました。

平成14年の道路運送法改正で乗合バス事業者の不採算路線からの撤退自由化を受け、公共交通空白地帯の発生を防ぐため、枝光地区での乗合タクシーの事業モデルが「おでかけ交通」として他の地域でも展開されることになりました。平成20年1月現在で市内5地域12ルート104便の「おでかけ交通」が運行されています。

地域住民でバス停を設置したり、時刻表を個人宅の壁に張るなどの経費削減策を実施しています。地元商店街ではイベント等での「おでかけ交通」の利用促進を呼びかけるなど、地域一体で利用率向上の取り組みが行われています。

事例⑤【妖怪キャラ鉄道】米子市(鳥取県)・境港市(同)など

米子市(鳥取県)と境港市(同)は両市を結ぶJR境線の観光路線化で連携しています。平成5年に「鬼太郎列車」の名称でデコレーション列車の運行がJR境線で開始されたことを踏まえ、JRと2市、そして鳥取県が協力しているものです。

鉄道事業者と沿線自治体が良好な関係を築くことで、観光活性化に向けた取り組みがうまく行ったケースだと言えるでしょう。2市の観光活性化だけでなく、JR境線の生活路線としての維持が実現できている効果も見逃せません。
 

地域公共交通についての関連記事

地域公共交通の重要性が増す中、先進的な自治体トップや担当職員、支援企業に取材した「自治体通信Online」掲載の事例記事を紹介します。是非、参考にしてください。

コスト削減と利便性向上を同時実現したコミュニティバス

事例自治体:飯綱町(長野県)
支援企業名:パイオニア株式会社
関連記事 :公共交通の運行効率を上げ「住民の足」を守る方法
URL  :https://www.jt-tsushin.jp/interview/jt16_pioneer/
記事内容
・「デマンドバス」に導入した最新ITシステムとは
・課題と解決方法
・導入効果は
・支援企業の視点

 

<参照元>(最終閲覧日:2019年4月24日)
国土交通省 地域公共交通網形成計画及び地域公共交通再編実施計画 作成のための手引き 第4版(平成30年12月)
国土交通省 地域公共交通事例集    等

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