全国の自治体トップ・職員・議員に贈る
自治体の"経営力"を上げる情報サイト
自治体通信Online
災害時情報伝達手段における自治体の課題と取組【自治体事例の教科書】

2019/7/9

災害時情報伝達手段における自治体の課題と取組【自治体事例の教科書】

東日本大震災の教訓から、災害発生時などに住民等に避難を知らせる「災害時情報伝達手段」の多重化・多様化が求められています。地域特性なども考慮する必要がある情報伝達手段の多重化・多様化のあり方とは? 事例などを通じ、そのポイントを探りました。
 
【目次】
■災害時情報伝達手段に求められているものとは
■事例①【IP告知】北海道の7自治体
■事例②【ビジネスチャットを利活用】浜松市(静岡県)
■事例③【放送波で高度化】加古川市(兵庫県)

災害時情報伝達手段に求められているものとは

災害時における避難勧告等の情報を的確に伝達するため、情報伝達手段の多重化・多様化および市区町村防災行政無線のデジタル化が推進されています。

その背景には、従来の市町村防災無線システムの通信方式の主流であるアナログ方式では、災害時における通信の輻輳に対応できず、住民が緊急通報を聞き逃すなど、円滑な情報伝達の実施に課題があったからです。

そのため、通信回線数の大幅な増強をはじめ、さまざまな機能の向上が図る必要があり、双方向通信機能や文字伝送機能等を備えることのできるデジタル防災無線システムへの切り替えが望まれているものです。

一方、デジタル化にはコスト面等が懸念されがちです。しかし、機能を限定することなどにより、簡素かつ低廉なシステムの導入・運用も可能です。

次に、独自の工夫で災害時情報伝達手段の多重化・多様化を推進している事例を紹介します。

事例①【IP告知】北海道の7自治体

北海道「情報通信基盤利用促進協議会」に加盟している厚岸(あっけし)町・喜茂別町・月形町・鶴居村・美深町・中川町・幌加内町の7自治体では、災害時の緊急情報を住民と共有する伝達・共有手段を強化するため、文字や音声などの情報をプッシュ配信できる「IP告知システム」を導入しました。

IP告知システムでは緊急性が高い防災情報をリアルタイムで一斉通知できるため、住民の見逃し・聞き逃しの防止を図ることができるほか、安否確認にも活用できます。全国瞬時警報システム(J-ALERT)や拡声子局との連携も可能で、防災行政無線システムの置き換えとしても利用できます。

同協議会では「住民のライフスタイルに合わせた情報の発信」を検討し、スマートフォンやタブレット端末のほかにも、受話器一体型の専用端末で情報配信できるIP告知システムを採用しました。専用端末は大型ディスプレイに受話器やキーパッドがついており、高齢者もストレスなく使えるほか、同協議会参加自治体間での無料通話も可能です。

協議会参加自治体共通のプラットフォームをクラウド上にシステム構築することで安価かつ強靭な環境を構築しました。クラウド上で自治体HPや緊急お知らせメールなどと自動連携し端末へ配信できるため、担当者の情報更新に関する業務負荷が軽減したほか、将来的な設備更新に要する負担も大幅に低減できるそうです。

同協議会では災害情報発信の実効性を高めるため日常的に使ってもらえるよう、同システムを通じて防犯情報や天気予報などのさまざまな地域情報の配信も検討しています。

事例

北海道の7自治体が導入したIP告知システム
詳しい記事は[提供] KCCSモバイルエンジニアリング株式会社から

詳しい資料をダウンロードする

ダウンロード




事例②【ビジネスチャットを利活用】浜松市(静岡県)

浜松市(静岡県)は一般に広く使用されているビジネスチャットを活用した「災害時医療情報ネットワーク」を構築、運用しています。災害時における情報伝達手段の迅速性・正確性の確保が目的で、ビジネスチャットアプリのIDを付与することで市内に所在する病院および産科・透析機関ならびに医療関係団体との間で情報ネットワークを構築しました。

利用者のITリテラシーに左右されることなく、誰でも使いこなせる操作性の高さが大きな特徴です。スマホユーザーのチャットアプリをベースにしているので、緊急時にも“普段使いの延長”の感覚で利用できます。

関係者が同時に利用する性質上、グルーピング機能と導入のしやすさが必須条件だったほか、地震など災害発生時には大量の情報通信が発生するため、通信制限がかかりやすい電話とは異なり、文字情報だけなので制限がかかりにくいパケット通信であることもビジネスチャットアプリによる緊急時医療情報ネットワークを導入した理由です。

同市では緊急時医療情報ネットワークを利活用して感染症流行のような事態にも対応できる体制構築を検討し、市の医療体制の一層の強化を目指しています。

事例

浜松市が構築した災害時医療ネットワーク
詳しい記事は[提供] ワークスモバイルジャパン株式会社から

詳しい資料をダウンロードする

ダウンロード




事例③【放送波で高度化】加古川市(兵庫県)

加古川市(兵庫県)では、地上アナログテレビ放送の終了で空いた周波数帯を利用して創設された第3の放送サービスである「V-Lowマルチメディア放送」を活用した防災行政情報配信システムを運用しています。

これは、マルチメディア放送局が発信する放送波を利用して特定のエリアやグループ、デバイスなど配信先を指定し、適切な情報伝達を可能にしたシステム。文字、画像、音声などさまざまな形式で情報を送信できるほか、作動指示も可能で、放送波を通じてモノを動かすこともできます。

同市はその地域特性から洪水・高潮・土砂災害・地震・津波など、さまざまな災害の発生が想定されており、近年のゲリラ豪雨等の多発による土砂災害の危険性が増大するとともに、南海トラフ地震に伴う津波も想定されていることから、防災行政無線の整備を急いでいました。

ただし、土砂災害や津波は被害想定区域が限定されていることから、必要な情報を被害想定区域住民に的確に伝達できる地域限定のプッシュ型情報伝達が必要とされていました。そこで、こうした課題を解決するため、一括して情報入力すればさまざまな端末への情報伝達が可能なV-Lowマルチメディア放送を活用した防災行政情報配信システムに着目しました。

同システムでは放送波を使って、遠隔操作で避難所の鍵ボックスの開錠や誘導灯の点灯ができるという特徴もあります。従来、避難所の鍵を開錠するためには鍵管理者の到着を待つ必要があり、避難所への避難住民の受け入れに時間がかかるケースが想定されていました。しかし、同システムの導入により、最初に来た人が鍵を取り出して避難所の開錠ができるようになり、避難住民のスピーディーな避難所受け入れも可能となりました。

事例

加古川市の防災行政情報配信システム
詳しい記事はコチラから

詳しい資料をダウンロードする

[提供] DXアンテナ株式会社




<参照元>
総務省「災害情報伝達手段への一斉送信機能の導入促進に関する検討会」「非常災害時における 情報伝達手段の確保について」「災害時に活用できる情報伝達手段」「市町村デジタル防災無線システム導入ガイド」
浜松市ホームページ
加古川市ホームページ
自治体通信Vol.17「情報伝達手段の日常利用を促し災害時の初動を早める」
自治体通信 テクノロジー特別号「使い慣れたITツールの活用が緊急時の情報連携を飛躍的に強める」
自治体通信Vol.15「災害時の混乱を平穏に導くカギは情報伝達の多様性と多重化にあり」 等

自治体通信メール版

「自治体通信オンライン」の最新記事や、イベント情報などをいち早くお届けします。

※このサイトは取材先の企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。ユーザーは提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。自己の責任において就職、転職、投資、業務提携、受発注などを行ってください。くれぐれも慎重にご判断ください。

【特別号】~いま注目のRPAを読み解く~
資料一覧ページ
コンシェルジュ
調達インフォ
[PR]

自治体の取り組みを探す

課題から探す
地域から探す

自治体通信

自治体通信

自治体通信は経営感覚をもって課題解決に取り組む自治体とそれをサポートする民間企業を紹介する情報誌です。
自治体関係者の方に無料配布しております。

自治体通信への取材希望の方

自治体通信編集部では、「自治体の"経営力"を上げる」というテーマのもと紙面に登場いただける自治体関係者・自治体支援企業の方を募集しております。

地域別ケーススタディ
課題別ケーススタディ
【特別号】~いま注目のRPAを読み解く~
資料一覧ページ
コンシェルジュ
調達インフォ
[PR]
pagetop