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まち・ひと・しごと創生法について【自治体事例の教科書】

2020/06/30

まち・ひと・しごと創生法について【自治体事例の教科書】

日本だけではなく、将来的にはアジア全体の問題になるといわれている少子高齢化の問題は、現在、国でも、民間でも、さまざまな対策が講じられています。その一つが「まち・ひと・しごと創生法」です。ここでは「まち・ひと・しごと創生法」の概要、自治体や府庁などで行われている具体的な実例、現在どのようなことを守らなければならないのか、少子高齢化社会にどのような効果が期待できるのかを解説します。

【目次】
■「まち・ひと・しごと創生法」の概要
■「まち・ひと・しごと創生法」は「まち・ひと・しごと創生総合戦略」へ
■ローカル・アベノミクスの推進
■地方創生の情報支援に生かせるDMO
■「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の政策

「まち・ひと・しごと創生法」の概要

「まち・ひと・しごと創生法」とは、2014年に法律第136号として執行されました。「まち・ひと・しごと創生法」の総則は少子高齢化社会への対策と、東京に極端に集中している人口密度を解消するために、地方都市を環境面、経済面などから改善することです。

現在、地方自治体では、病院の設備や公共交通機関の設備、健康に関する活動が東京に比べて積極的に行われていません。高齢者が孤立しやすく、外出する機会が減りやすい地方自治体で、少子高齢化社会の対策を行うことが必要です。東京のように設備が充実していて交通の便が良い地方都市が増えることで、人口の偏りを解消し、地方に住んでいる高齢者も安心して生活できるようになります。

こうした対策を打つ上で「まち・ひと・しごと創生法」の基本理念となるのは、それぞれの地域の実情に基づいて、個性豊かで魅力ある地域社会で潤いある生活が送れるようにすること、生活の基盤となるサービスを長期的な見通しを立て住民の負担にならないように整えること、結婚や出産に希望を持てる社会づくりをすること、仕事と生活の調和がとれる環境づくり、地方事業や地方産業などを活性化させ雇用を増やすこと、地方公共団体などの連携協力で行政運営を確保すること、官民の連携で「まち・ひと・しごと創生法」の基本理念を実行することです。

「まち・ひと・しごと創生法」は「まち・ひと・しごと創生総合戦略」へ

2014年に執行された「まち・ひと・しごと創生法」は、現在では廃止されています。「まち・ひと・しごと創生法」の関連法律については対象となっていませんが、「まち・ひと・しごと創生法を廃止する法令案」が発表されました。2014年からは「まち・ひと・しごと創生総合戦略」という計画がはじまり、2019年で第1期が終了、2020年からは第2期の戦略が開始されています。

戦略という形で、日本全体で取り組んでいくという姿勢に変わりました。「まち・ひと・しごと創生総合戦略」では、「まち・ひと・しごと創生法」の基本理念はほとんど改訂されていません。地方から雇用が減り、仕事が減り、人口が減っている悪循環に歯止めをかけるための戦略であることは同じです。第1期では「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の基本方針や三本の矢が設定され、第2期から本格的に取り組みが始まっています。

「まち・ひと・しごと創生総合戦略」は「まち・ひと・しごと創生法」の第二章「まち・ひと・しごと創生総合戦略」と、第三章「都道府県まち・ひと・しごと創生総合戦略及び市町村まち・ひと・しごと創生総合戦略」が基盤になっています。

また、「まち・ひと・しごと創生法」で国の責務とされていた総合的で計画的な策定・実施や地方自治体との連携、地方の責務となっていた地方公共団体の実情に応じた自主的な策定・実施は、取り組みの方針として設定されています。

ローカル・アベノミクスの推進

「まち・ひと・しごと創生総合戦略」では、ローカル・アベノミクスの推進が必要とされています。ローカル・アベノミクスとは「しごと」があれば「ひと」が集まり、「ひと」が集まれば「まち」は活性化するという好循環を生み出すための地方創生の理念です。実現のために、地方だけで完結しがちな雇用を地方以外からも人材と投資を集める開放的な環境をつくり、サービス事業の再生や、地方中小企業の再生を図ることで「稼ぐ力」を育成します。

そして地方に多く点在している空き店舗や遊休農地などを生かし、地方創生カレッジを活用した人材育成に取り組むことで、地方で持て余している資産や人材を活性して、「地域の総合力」を上げます。これらを行う上で地域の実情を正確に把握し、適切で長期的な計画を行っていくための「民の知見」が重要視されています。

こうしたローカル・アベノミクスを実現するためには、今までの地方自治体の取り組みの在り方では不十分であるため、まずはコンパクトシティや中心街地活性化などの新しい枠組みをつくります。次に観光復興の分野におけるDMOを活用し、マーケティングを行い官民協働などで魅力的な観光地域づくりを実現することで、新しい「担い手」づくりが期待できます。そして地域ごとに違う生活経済実態に考慮し、それぞれの地域住民が本当に生活しやすい新しい「圏域」づくりに取り組む必要があります。

地方創生の情報支援に生かせるDMO

環境復興の分野におけるDMOは環境地域の街づくりをサポートします。DMOはそれぞれの地方自治体でどれくらい地方創生が進んでいるかを把握できるよう、成果指標を原則としたKPIで検証し改善する仕組みである「PDCAサイクル」を回すために役立っています。2017年3月からは「DMOネット」という観光地域のマネジメント・マーケティングを行うための支援ツールを提供しており、2018年3月には全国で4か所、DMOネットの活用モデルを構築しました。

これは「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の地方創生版三本の矢の一つである「情報支援の矢」に活用されています。三本の矢の一つである「人材支援の矢」として、地方創生リーダーの育成や普及を行う活動などが行われており、もう一つの「財政支援の矢」としては、地方創生関係交付金の配給や、地方財政の設置などが行われています。

「まち・ひと・しごと創生総合戦略」は政府や地方自治体の連携、もともとある街並みや企業、機関の活用を行うと同時に、DMOのような新しいことも活用して地方創生を実現します。地方の連携や政府と地方の連携には、情報の共有環境をつくることが大切であり、その上で人材の普及や交付金の配給、政策の効果的な取り組みなどが行われます。

「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の政策

「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の政策は、4種類に分かれています。「地方のしごとをつくり、安心して働けるようにする」ための取り組みは、地方自治体の生産性を上げ、地方経済の活力を上げるための総合的取組としてローカルイノベーション、ローカルブランディング、ローカルサービスの生産性向上などを行います。他にも観光業を強化する地域の連携、農林水産業の成長、地方での人材育成・還流体制の強化などがあります。「地方へ新しいひとの流れをつくる」ための取り組みは、地方への移住を推進したり、企業を地方へ誘致したりします。「若い世代の結婚・出産・子育ての希望を叶える」ための取り組みは、ワーク・ライフ・バランスに沿った働き方改革の推進や若い世代の経済安定のための対策などです。「時代に合った地域をつくり、安心なくらしを守るとともに、地域と地域を連携する」ための取り組みは、町づくりや地域連携のための対策を行いつつ、住民が地域防災の担い手となる環境の確保、健康寿命を延ばすことで、生涯現役で生活できる街づくりなどがあります。

〈参照元〉

衆議院_衆議院ホームページ
(http://www.shugiin.go.jp/Internet/itdb_housei.nsf/html/housei/18720141128136.htm)

内閣官房_まち・ひと・しごと創生法
(https://www.cas.go.jp/jp/houan/140929_1/houan_riyu.pdf)

首相官邸_まち・ひと・しごと創生総合戦略の変更について
(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/info/pdf/h30-12-21-sougousenryaku2018hontai.pdf)

衆議院_衆議院ホームページ
(http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g19206106.htm)

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