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自動運転について【自治体事例の教科書】

2020/06/02

自動運転について【自治体事例の教科書】

車の自動運転は個人個人の安全な運転を実現するだけではなく、日本の社会にも大きく貢献する技術です。交通事故による被害を軽減することが期待されている自動運転の普及は、主に国土交通省が行っています。ただ自動運転は、車の性能や環境によってどの程度まで行えるか異なります。ここでは自動運転のレベルについて、国土交通省の自動運転対する取り組みや、自動運転車両に関するガイドラインなどについて解説します。

【目次】
■自動運転の概要
■自動運転技術の普及状況
■自動運転を普及するための国土交通省の取り組み
■自動運転実証実験の内容と課題
■無人自動運転移動サービスのガイドライン

自動運転の概要

まずは、自動運転のレベルについて、ご説明します。

・レベル1
○運転支援システムが前後・左右のいずれかの車両制御を実施
〈例〉
自動で止まる(自動ブレーキ)
前のクルマに付いて走る(ACC)
車線からはみ出さない(LKAS)

・レベル2
○特定条件下での自動運転機能(レベル1の組み合わせ)
〈例〉車線を維持しながら前のクルマに付いて走る(LKAS+ACC)
○高速道路での自動運転モード機能
〈例〉①遅いクルマがいれば自動で追い越す ②高速道路の分合流を自動で行う

・レベル3
○条件付自動運転
システムが全ての運転タスクを実施するが、システムの介入要求等に対してドライバーが適切に対応することが必要

・レベル4
○特定条件下における完全自動運転
特定条件下においてシステムが全ての運転タスクを実施

・レベル5
○完全自動運転
常にシステムが全ての運転タスクを実施

自動運転のレベルは主に5段階に分けられます。レベルが上がれば上がるほど、ドライバーが操作・操縦する必要性が低くなります。それぞれの自動運転レベルの特徴は上記の通りです。カーナビの場合は運転に必要な情報を提供するのみで、車の操作・操縦はすべてドライバーが行います。しかし自動運転はレベル1・2の場合は一部をシステムが行うため、ドライバーの負担を減らします。またレベル3・4はほとんどすべての操作・操縦をシステムが行うため、ドライバーの操作・操縦は一部です。レベル4・5はドライバーが不要なので、人件費削減にもつながります。

自動運転技術の普及状況

次に平成27年(2015年)の時点の自動運転技術の普及率を見てみましょう。
・前の車との衝突を予想することで、被害を軽減する対車両自動ブレーキ 43.2%
・アクセルの強い踏み込みを抑制する踏み間違い防止装置 31.6%
・高速道路で車線中央での走行を維持できるよう抑制するレーンキープアシスト 4.2%
・高速道路で一定の速度を維持しつつ、車間距離も一定に維持するためのアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC) 約17.4%

それぞれの主な自動運転技術の普及率は上記の通りです。このように自動運転レベル1の対車両自動ブレーキや踏み間違い防止装備などの普及率が高く、レーンキープアシストをはじめとするレベル2以上の技術は、平成27年の段階ではほとんど普及していません。

国土交通省の発表では、高速道路での他の車両を自動で追い越すシステムや高速道路での自動で合流するシステム・自動で分流するシステムなどのレベル2の技術や、限定地域での無人自動運転移動サービスができるレベル3の技術などは令和2年(2020年)までに、完全自動走行ができるレベル4の技術は2025年を目途に普及を開始する予定になっています。

自動運転を普及するための国土交通省の取り組み

ここで、これまでの国土交通省の取り組みを振り返ってみましょう。
・G7交通大臣会合等を活用して、日本が主導し、国政的な協力を得る
・平成30年3月 自動運転による損害賠償責任の方針を公表
・平成31年3月 自動運転技術に対応する検査手法の公表
・平成31年5月 道路運送車両法改正案が成立
・安全運転サポート車(サポカーS)の普及啓発と導入促進
・自動運転の除雪車の開発・高度化
・低速小型車の6カ月間の自動運転サービス実証

国土交通省は、自動運転を普及するためにさまざまな取り組みを行っています。国土交通省が行っている自動運転に関する取り組みは上記の通りです。他には中山間地域にある道の駅内での自動運転サービスの実証を1~2カ月行い、実際に導入していく取り組みや、空港での官民連動によるトーイングトラクターなどの実証実験、最新型モビリティを採用した乗降場を集めた次世代ターミナルの設備などがあります。

また昭和40~50年代に郊外に大量に建築された郊外住宅団地(いわゆるニュータウン)での公共交通ネットワークを、自動運転に切り替えるための実証実験も行われています。ニュータウンは現在、高齢化が進み、自分で車を運転できない人、自分で買い物へ行けない人などが増えています。そうした事態を改善するための自動運転導入に伴った課題を発見するのが、実証実験の目的です。

実証実験で実際に地域住民が自動運転の車両を利用し、実際にサービスが始まった際にいくらの利用料金を払う意思があるかのアンケート調査も同時に行います。新しいサービスの料金を最初から適切に設定するのが目的です。

自動運転実証実験の内容と課題

自動運転はドライバーの負担を減らし、より便利な世の中になる一方で、安全性が懸念されています。しかし国土交通省や各自治体が行っている実験で、安全性が確認されています。今までに行われた自動運転の実験は下記のようなものがあります。
・秋田県仙北市での無人走行を念頭とした低速自動車両公道自動運転実験
・幕張イオンモール隣接公園での専用コースで無人走行を念頭とした自動運転実験
・神奈川県藤沢市での無人走行、遠隔操作を念頭とした公道自動運転実験
・久米島での準天頂衛星の位置測定による遠隔操作での公道自動運転実験
・石川県珠洲市での信号認識技術などを土台とした公道自動運転実験

こうした実験では自動運転の車両性能はどれくらいか、天気や気温・風邪などに自動運転はどれくらい影響を受けるのか、自動運転システムの課題は何か、道路や周辺設備はどれくらい必要か、社会的受容性はどれくらいかなどを確認します。

そして自動運転の実験を通じて停留所からの発進や追い越しにはドライバーが必要であること、上り坂では車間距離が広がってしまうこと、天候が悪いとセンサーが鈍ること、GPSの精度が落ちたときに位置情報が把握しにくいこと、高速道路での割り込みに対応できないことなどが課題としてあげられています。こうした問題点を把握した上で、実際に自動運転サービスを生活に生かした際のトラブルなどを未然に防ぐための改善を行います。

無人自動運転移動サービスのガイドライン

自動運転の普及に伴い、一般車両を対象とした「道路運送車両法」の制度見直しが必要です。今までは「ドライバーの運転を前提とした制度」でしたが、令和2年以降、レベル3以上の自動運転が普及することを想定して、「システムによる自動運転に配慮した制度」へ変わっていきます。そしてドライバーが一切関与しない自動運転レベル4の無人自動運転移動サービスは、ドライバーが車内にいるときと大幅に違う制度が必要であるため、ドライバー同乗の際と同じ安全性を確保するため、「限定地域での無人自動運転移動サービスにおいて旅客自動車運送事業者が安全性・利便性を確保するためのガイドライン」が平成30年9月に発表されました。

ガイドラインの内容は、旅客自動車運送事業者の基本的な考え方、遠隔管理・操作者の基本な考え方、運転者以外の乗務員の基本的な考え方などの心構えや、交通ルールを厳守した運行の安全の確保、旅客の安全の確保、点検・整備等による車両の安全の確保などの守るべき項目などが、細かく定められています。このガイドラインは「道路運送法」や「自動運転車の安全技術ガイドライン」に基づいている部分があり、通常の運送サービスや交通ルールとの共通点が多くあります。

〈参照元〉

国土交通省_自動運転を巡る動き
(https://www.mlit.go.jp/common/001155023.pdf)

国土交通省_自動運転の実現に向けた今後の国土交通省の取り組み
(https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001318104.pdf)

国土交通省_自動運転の取り組みについて
(https://www.mlit.go.jp/common/001268822.pdf)

国土交通省_自動運転実証実験の成果・課題について
(https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001318105.pdf)

国土交通省_無人自動運転移動サービスを導入するバス・タクシー事業者のためのガイドラインを策定しました
(https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha02_hh_000379.html)

国土交通省_国土交通省自動運転戦略本部
(https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk7_000018.html)

国土交通省_運転支援技術・自動運転技術の進化と普及
(https://www.mlit.go.jp/common/001213451.pdf)

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