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福祉部門の生産性向上における自治体の課題と取組【自治体事例の教科書】

2019/7/9

福祉部門の生産性向上における自治体の課題と取組【自治体事例の教科書】

ICT化による業務効率化で生産性向上を図り、施策の一層の充実や、より適切な支援提供を促進しようという動きが福祉部門で広がっています。どのような生産性向上が福祉部門に求められているのか? 事例などを通じて、そのポイントを探りました。
 
【目次】
■福祉部門の生産性向上が求められる理由とは
■事例①【ICTで福祉と教育を一体化】日野市(東京都)
■事例②【支援の実効性をクラウドで高める】埼玉県相談支援専門員協会(埼玉県)
■事例③【施設のICT化に大型補助】東京都

福祉部門の生産性向上が求められる理由とは

厚生労働省は令和元年5月に、医療や福祉の単位時間当たりのサービス提供量を2040年までに5%以上改善することを目指す「医療・福祉改革プラン」をまとめました。その目的は、人口減で現役世代が減ることを想定し、より少ない人員で増大する医療・福祉ニーズに対応するためです。

そのため厚労省は、2020年代初頭までに介護施設や障害者福祉施設および保育所での事務文書を半減することや、社会福祉法人等の経営規模拡大による中間コストの抑制などを支援することにしています。

こうした施策を進めるうえで、キーワードとなるのがICT化による業務効率化です。今後、さまざまな福祉部門の業務などにロボットやAIといったICT技術が実装されていく方向です。

業務効率の改善だけではなく、より実効性のある福祉を実現するためにICTを取り入れる自治体等も増えています。次に、ICTを取り入れることで業務を効率化し、福祉事業の実効性を高めようとしている取り組み事例を紹介します。

事例①【ICTで福祉と教育を一体化】日野市(東京都)

日野市(東京都)は発達面・行動面・学校生活面において支援を必要とする0歳から18歳までの子ども児童生徒の教育支援について、福祉と教育の部局の枠を越えた一貫性のある「発達・教育支援システム」を構築しています。小中学校、公立の幼稚園、保育園のほか私立の施設も対象に、市内約80拠点で導入を進めています。

同市では平成26年に保護者の総合的な相談・支援機関として「日野市発達・教育支援センター(愛称・エール)」を開設。福祉部門と教育部門の部署がセンターに設置され、福祉と教育が一体となって子どもの育ちに関する相談窓口を一本化する、全国でも珍しい先進的な仕組みをつくりました。

しかし、就学や進学にあたって、支援情報が小中学校間など子どもの各所属先の間でうまく引き継がれない状況があったことから、平成28年度から情報を電子化し、ネットワークを通じて関係機関の間で共有する仕組みとして「発達・教育支援システム」を導入。支援をより充実させる体制を整備しました。

最大の特長は、市内のすべての小中学校に導入されている校務支援システム内の個別指導計画とデータ連携している点です。これにより、支援情報の重複を避けつつ、保育園・幼稚園・小中高校の現場の先生が日頃作成する指導目標や支援記録をそのまま活用することで、統合型の情報管理システムにすることができました。

そのため、直接の交流機会が少ない保育園と小学校など所属先間でも支援情報を円滑に引き継ぐことができ、子どものライフステージを通じた一貫性のある支援の共有が可能になっています。

今後は転校先でも支援情報が引き継がれるよう、自治体間で接続する教育支援情報ネットワークへと拡充されていくことを望む声が福祉現場などから聞かれています。

事例

日野市が導入した発達・教育支援システム
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[提供] 株式会社ワイ・シー・シー




事例②【支援の実効性をクラウドで高める】埼玉県相談支援専門員協会(埼玉県)

障害のある人が自立した日常生活や社会生活を送ることができるよう全般的な相談支援を実施する「相談支援専門員」の資質向上を目的に埼玉県で設立されたNPO法人埼玉県相談支援専門員協会は、平成30年4月施行の改正障害者総合支援法により自治体と相談支援事業所に強い連携が求められるようになったことから、ICTで業務を効率化し、自治体との連携強化を促進しています。

相談支援専門員は障害のある人からの相談、支援プランの作成、サービス提供事業所の利用調整、サービス確定後のフォロー等を実施し、自治体は作成されたプランが相談者の希望に適しているかの見極めや給付量などを決定しています。そのため、障害のある人が適切な支援を受けるには、自治体と相談支援専門員の間で相談者の情報や相談記録などの共有が欠かせません。しかし、相談支援専門員の事務作業は煩雑化しており、なんらかの対策が必要だとされてきました。

そこで、埼玉県相談支援専門員協会は日々の相談記録をはじめ、すべての情報をパソコンで管理する“障がい者相談支援業務サポートシステム”を活用。データはすべて紐づいており、書類作成の際、情報を探す手間がかからず処理できるなど、大幅な業務効率化が図れました。

従来の紙ベースによる情報管理の場合、書類作成やデータ集計に想像以上の時間がかかる場合がありました。埼玉県相談支援専門員協会が導入したシステムはクラウド型で、外出先でもタブレット端末などで情報管理や閲覧が可能。外出する機会が多い相談支援専門員にとり、使い勝手のよいシステムとなっています。

事例

埼玉県相談支援専門員協会が導入した障害者相談支援の詳しい記事はコチラから

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[提供] 株式会社エス・エス・エス




事例③【施設のICT化に大型補助】東京都

東京都は介護施設等において業務全般にわたる一体的なICT環境を整備するために必要な導入費用の一部を補助する「介護保険施設等におけるICT活用促進事業(令和元年度度新規事業)」を開始しました。

これは福祉施設の“ペーパーレス化”を支援するもので、1施設当たり2,000万円(1法人当たり4,000万円)を上限に補助する大型事業です。対象施設は定員30人以上の特別養護老人ホーム及び併設される老人短期入所施設、介護老人保健施設、認知症高齢者グループホームです。

補助対象の経費は、職員の予定や業務の引き継ぎなどを管理する介護業務支援システムの直接的な導入費のほか、介護業務支援システムの導入支援に係る講習やセミナー等の受講料、システム導入にあたって最低限必要な備品等の購入費です。

行動検知センサー等での居室内での見守り支援システム、請求管理・看護記録などの業務システム統合などスタッフステーションのICT化や、デバイス端末による介護記録や申し送り等の効率化といった介護スタッフの業務のICT化、さらに組織管理業務や併設されるデイサービス等と一体的な業務システム構築も補助対象となっています。

都内には特養などの介護施設が500近くあります。これらの施設へのICT普及を目標としており、都は今回の補助事業を複数年度続ける予定です。

<参照元>
厚生労働省「医療・福祉サービス改革プラン」
日野市ホームペ-ジ
東京都福祉保健局ホームペ-ジ
自治体通信 Vol.11「福祉と教育の一体化を進め、発達障害児への『切れ目のない支援』を実現する」
自治体通信 Vol.16「ICTによる連携強化で『障害福祉』が行き届く社会をつくる」  等

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