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地域防災計画における自治体の課題と取組事例【自治体事例の教科書】

2019/4/26

地域防災計画における自治体の課題と取組事例【自治体事例の教科書】

自然災害が多い日本では、各自治体が地域の特性に応じて策定する「地域防災計画」が、住民の安全安心を守るための大きな役割を担っています。特徴的な自治体事例をなどに基づいて、そのポイントを探りました。
 
【目次】
■地域防災計画のベースとは
■地区の特性と想定される災害
■事例①【要援護者対策】宮崎市(宮崎県)
■事例②【住民対応】桑折町(福島県)
■事例③【大災害を想定】燕市(新潟県)
■緊急時の非常用電源における盲点
■緊急時だからこそ求められる“使いやすさ”

地域防災計画のベースとは

地域防災計画のベースは「災害対策基本法」です。その概要は次の通りです。

①防災に関する国、自治体、住民の責務の明確化
②総合的防災行政の整備・推進
③計画的防災行政の整備・推進
④災害対策の推進
⑤財政金融措置
⑥緊急災害対策本部の設置など

これらの整備・推進や災害発生時の実施によって、国民の生命や財産等の保護、社会秩序維持、公共の福祉の確保などを行うのが災害対策基本法の趣旨です。

地区の特性と想定される災害

一方で、地域によって、比較的起こりやすい自然災害の種類は異なります。そのため、都市部か地方かといった地理的条件や年間平均降雨量などの気候特性といった、地域の事情や自然条件に応じて各自治体は「地域防災計画」を策定しています。

また、地区内の居住者や事業者等によって防災活動が自発的に行えるよう、平成25年に「地区防災計画制度」も創設されました。

地区防災計画は、各地区の特性から想定される災害に応じて、計画の作成や防災活動の主体、防災活動を行う地域コミュニティの範囲、計画の内容等を自由に決められます。これによって、さらにきめ細かい、実効性のある防災計画が策定・推進ができるようになりました。

ところで、地域防災計画を策定するにあたり、地理的条件や気候特性などだけではなく、地域住民について把握しておくことも非常に重要です。

特に高齢者や乳幼児等、支援や援護が必要な住民に対する自治体のサポートは重要です。他にも、昼間と夜間の人口の違い、帰宅困難者の発生の可能性なども考慮したうえで防災計画は策定されています。

ここからは、特徴のある地域防災計画の事例を紹介します。

事例①【要援護者対策】宮崎市(宮崎県)

宮崎市(宮崎県)は冠水等の情報収集やスムーズな避難勧告の発出を行うための防災計画の見直しを行いました。具体的には、①総合支所での総合支所対策本部を設置、②地域住民も交えた避難準備情報等の発令基準の策定、③住民への情報伝達体制を整備―などです。

このなかで、要援護者情報を共有し、「宮崎市災害時要援護者避難支援プラン」および「宮崎市要配慮者防災行動マニュアル」を策定した点は特徴的です。たとえば、高齢者などの要擁護者への日ごろの準備についてのポイントを具体的にまとめるだけではなく、避難を支援する近隣住民に「気持ちを落ち着かせるように、大きな声でゆっくり、避難が必要なことを話してあげましょう」など、具体的にポイントとまとめています。

こうした見直しを行ったことで、たとえば豪雨災害の際は、総合支所対策本部等で河川水位を確認したり、災害対策本部と協議の上、避難準備情報を発令するなど、機動的な防災活動につながっています。

事例②【住民対応】桑折町(福島県)

桑折(こおり)町(福島県)は平成25年に地域防災計画を見直し、住民向けの対応を充実させ、高齢者など住民にわかりやすい内容にしたほか、避難訓練等持続する事業を行うことなどを定めました。

また、定期的に委員会を開催し、防災訓練の見直しや防災計画の修正、内容の検討なども行っています。防災上の課題を明確にし、継続的な取り組みをしている事例だと言えるでしょう。

災害による被害をできるだけ少なくするため、自助・共助・公助のそれぞれが災害対応力を高めることを目指しています。

事例③【大災害を想定】燕市(新潟県)

燕市(新潟県)は中越沖地震、豪雨などでの大きな災害や東日本大震災での経験を踏まえ、防災計画の見直しを行いました。

市の組織改正や新たな情報伝達手段の整備など、地域防災計画を抜本的に見直したほか、想定を超えた規模の災害を想定し、市外への大規模避難や公共施設における非常用電源の確保、物資の備蓄などを見直しました。

災害対応の経験を踏まえて課題等を洗い出し、燕市地域防災計画に反映させていることで、より実効性のある計画となっています。
 

地域防災計画についての関連記事

災害などの緊急時に住民の安全・安心を守る対策や施策について、先進的な自治体トップや担当者、支援企業に取材した「自治体通信Online」掲載の事例記事を紹介します。是非、参考にしてください。

緊急時の非常用電源における盲点

支援企業名:株式会社ダイヘン
関連記事 :車を活用した移動電源の確保で災害時の避難所生活を守る
URL  :https://www.jt-tsushin.jp/interview/jt16_daihen/
記事内容
・災害発生時における電力確保についての課題とは
・課題解決方法は
・どのような取り組みか
・支援企業の声

 

緊急時だからこそ求められる“使いやすさ”

事例自治体:浜松市(静岡県)
支援企業名:ワークスモバイルジャパン株式会社
関連記事 :使い慣れたITツールの活用が緊急時の情報連携を飛躍的に強める
URL  :https://www.jt-tsushin.jp/interview/jtsp_worksmobile/
記事内容
・災害など緊急時における情報ネットワークの課題とは
・その課題解決方法とは
・どのようなシステムか
・支援企業の声

 


<参照元>
・内閣府 災害対策基本法の概要
・内閣府 地区防災計画ガイドライン
・内閣府 地区防災計画モデル事業報告 -平成26~28年度の成果と課題- 等

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