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幼稚園教育要領について【自治体事例の教科書】

2020/06/30

幼稚園教育要領について【自治体事例の教科書】

幼稚園教育要領の一部改訂により、これからの時代に求められる教育を実現していくための指導方針や幼稚園教育において育みたい資質・能力などが定められました。その内容を見ていきましょう。

【目次】
■幼稚園教育要領の目指すもの
■幼稚園教育要領総則の改訂ポイント
■環境を通して行う教育とは
■幼稚園教育で育みたい資質・能力とは
■言語活動の充実など指導計画を作成する上で気を付けるべき点とは
■特別な配慮を必要とする幼児への指導
■カリキュラム・マネジメントの実施とは

幼稚園教育要領の目指すもの

幼稚園教育では、社会に開かれた教育課程の実現を目指します。幼児期にどのような生活を行い、どのような資質・能力を育むかを教育課程で明確にし、社会との連携や協働を通じた教育課程の実現が重要と定められました。

社会に開かれた教育課程の実現のためには、一人一人の資質・能力を育んでいくことと、小学校以降の教育や生涯にわたる学習とのつながりを見通すことが必要です。一人一人の資質・能力を育んでいくためには、教職員や幼稚園関係者はじめ、家庭、地域の人などすべての人々に役割が期待されます。家庭との緊密な連携を図りつつ、小学校以降の教育や生涯にわたる学習とのつながりを見通しながら、幼児の自発的な活動である遊びを通じて総合的な指導をしていかなくてはなりません。

幼稚園教育要領総則の改訂ポイント

「環境を通して行う教育」が基本である点に変更はありません。今回の改訂では、幼稚園教育において育みたい資質・能力が明確化されました。また、5歳児修了時までに育ってほしい具体的な姿を「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」も明確化され、小学校と共有することで幼小の接続を推進します。

そのために、幼児一人一人のよさや可能性を把握した評価を実施しなくてはなりません。さらに、言語活動などの充実や、障害のある幼児や海外から帰国した幼児など、特別な配慮を必要とする幼児への指導の充実も図ります。

環境を通して行う教育とは

幼児が身近な環境と主体的に関わりを持つことで、環境とどのように関わればいいのか考えたり、その関係性に気付いたり、また、これらを自らに取り込もうと試行錯誤したり、考えたりする力を育み、よりよい教育環境を創造させます。

幼児の主体的な活動を促せるよう、幼児期にふさわしい生活を行わせることが大切です。幼児は安定した情緒のもとで自己発揮し、発達に必要な体験を得られるからです。それには、幼児にとって遊びが重要な学習となり、一人一人の発達の特性に応じることがポイントとなります。

幼稚園教育で育みたい資質・能力とは

幼稚園教育で育みたい資質・能力は、小学校からの教科指導とは異なり、幼児が遊びや生活を通じて育むことが重要です。幼児は遊びの中で感性を働かせ、よさや美しさ感じ取ったり、不思議さに気付いたりするものです。そして、できるようになったことをいろいろと試したり、工夫したりするプロセスが資質・能力を育みます。

幼児の育成の際に育みたい資質・能力について、幼稚園教育では3つの柱を提唱しています。

1つ目は「知識や技能の基礎」です。豊かな体験を通じて何かを感じたり、気付いたり、何かが分かったり、できるといった経験を重ねることで育まれます。

2つ目は「思考力、判断力、表現力等の基礎」です。気付いたことやできるようになったことから、どう考えたり、試したり、工夫したり、表現する力が育まれます。

3つ目は「学びに向かう力、人間性等」です。心情、意欲、態度が育つ中で、いかによりよい生活を営もうと向上していく姿勢や力が育まれます。

これらは1つを徹底的に育むのではなく、遊びを通しての総合的な指導を行う中で、一体的に育んでいくことが求められます。活動全体を通して資質・能力が育まれる幼稚園修了時の具体的な姿として、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を明確にし、幼稚園教諭が指導を行う際に考慮することが必要です。「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」とは、幼児が卒園することで幼稚園教諭の役割が終わるのではなく、その後の小学校教育につながる力を身に付けさせておくことが求められています。これらは個別に身に付けさせるのではなく、遊びを通して総合的な指導を行う中で育んでいくことが重要です。

それには、幼稚園教諭と小学校の教員が5歳児修了時にどんな姿になってほしいか共有し、幼児教育と小学校教育との接続を強化しなければなりません。そもそも、小学校の低学年の学びとはゼロからのスタートではなく、幼児教育で身に付けたことを生かしながら教科の学びとつなげ、子どもたちの資質・能力をより伸ばしていく時期です。

小学校教育では、生活科を中心としたスタートカリキュラムを学習指導要領に明確に位置付けて、その中で合科的・関連的な指導や短時間学習を含む授業や指導などを行います。その際、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿を踏まえた指導を工夫することで、幼児が小学校に進んだときに、主体的に自己を発揮しながら学べる力を持てるようにすることが必要です。

また、スタートカリキュラムは、小学校でのその後の学習に円滑につないでいく視点も忘れてはいけません。指導を進めていく上では、一人一人の評価をしながら、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」へと導いていくことが求められます。

評価については、幼児一人一人のよさや可能性を把握するこれまでの考え方は踏襲します。その際、他の幼児と比較したり、一定の基準に対する達成度について評定をしたりすることはあってはなりません。幼児の発達の状況を小学校の教員が参考にできるように、指導要領以外のものを含め、小学校と情報の共有化の工夫をすることが大切です。

それには、日々の記録をとる、写真や動画などに残して可視化するドキュメンテーションやポートフォリオなどを作成し、個々の幼児を評価するために参考となる情報を日頃から蓄積していく必要があります。幼児の発達の状況を保護者と共有し、幼稚園と家庭が一体となって「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」へと育んでいきます。

言語活動の充実など指導計画を作成する上で気を付けるべき点とは

指導計画作成する際について、以下の内容を充実させます。

1.主体的・対話的で深い学び
幼児教育での重要な学習は遊びです。遊びの中で、主体的な学びや対話的な学び、深い学びができているかどうか、つねに指導の改善を図っていくことが必要です。

2.言語活動の充実
幼児が言葉のリズムや響きを楽しんだり、知っている言葉をさまざまに使ったりしています。未知の言葉に出合い、言葉の獲得を楽しんだり、友達や教員と言葉をやりとりしながら、自分の考えをまとめたりするようになることが大切です。

3.見通しや振り返り
幼児が次の活動に意欲が持てるようになるように、幼児の実態を踏まえながら、教師や他の子どもと遊びや生活の中で見通しを持てたり、振り返りができたりすることが大切です。

4.情報機器の活用
幼児教育では、直接体験が重要です。幼稚園生活では体験することが難しい体験を補ったり、幼児が深く知りたいと思ったり、体験したいと思ったりした場合ぶが、視聴覚教材を適宜使用しましょう。

特別な配慮を必要とする幼児への指導

障害のある幼児や海外からの帰庫した幼児等への幼稚園生活への特別な配慮を必要とする幼児への指導を充実させます。障害のある幼児に対しては、個別の教育支援計画や個別の指導計画の作成や活用に努めましょう。

海外から帰国した幼児や生活に必要な日本語の習得に困難がある幼児への対応は、安心して自己を発揮できるように配慮し、個々の幼児の実態に応じて、指導内容や指導方法の工夫を組織的に計画することが求められます。

カリキュラム・マネジメントの実施とは

幼稚園では、カリキュラム・マネジメントの実施が極めて重要です。なぜなら、幼稚園では教科書のような教材を使わず、環境を通して教育を行っていることや、家庭との緊密度が小学校以降の教育機関と比べても高く、預かり保育や子育ての支援といった教育課程以外の活動が多くの幼稚園で実施されるようになっているからです。

全体的な計画に留意しつつ、個々の幼児が「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を踏まえた教育課程を編成することが求められます。また、その実施状況を評価して改善を図っていくことが大切です。その際、人的または物的な体制を確保し、改善も絶えず図って各幼稚園の教育活動の質の向上を高めていきましょう。

〈参照元〉

文部科学省_幼稚園教育要領解説
(https://www.mext.go.jp/content/1384661_3_3.pdf)

文部科学省_新幼稚園教育要領のポイント
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shisetu/044/001/shiryo/__icsFiles/
afieldfile/2017/08/28/1394385_003.pdf
)

文部科学省_幼稚園教育要領、小・中学校学習指導要領等の改訂のポイント
(https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/
2011/03/30/1304415_001.pdf
)

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