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チャットボットを活用した実施事例【自治体事例の教科書】

2020/06/26

チャットボットを活用した実施事例【自治体事例の教科書】

チャットボットとは「chat(チャット)」と「robot(ロボット)」という言葉を組み合わせた造語で、入力した質問等に関して、AIが自動的に応答するという画期的なプログラムです。今回はチャットボットを活用するメリットや自治体の活用事例を紹介していきます。

【目次】
■働き方改革でチャットボットが活用されるメリットとは
■岡山県和気町「住民サービスの充実」
■福井県永平寺町「観光案内での業務効率化」
■長崎県大村市「職員をサポートして業務効率化」

働き方改革でチャットボットが活用されるメリットとは

近年、話題となっている働き方改革ですが、その背景には、2019年4月から施行される「働き方改革関連法」が成立し、長時間労働を是正するため、時間外労働時間の規制は「原則月45時間、年360時間」と定められたことが挙げられます。これにより、企業は職員の生産性向上について、本格的に取り組む必要が高まることとなりました。また、働き方改革の最終的な目的は、「多様な働き方の実現」や「業務効率化による生産性向上」といったものが挙げられます。それらを実現するため、既存業務の見直しやテレワークの導入によるワークスタイルの柔軟化(フレキシブル化)などの施策がこれまでに行われています。

チャットボットは、目標実現のために用いられる手段の一つであり、その利活用によって広がる可能性が注目を集めています。チャットボットの利点は、業務効率の向上にあります。たとえば、既存プロセスの場合問い合わせに対する対応業務は多くの時間を費やしてしまいますが、AIを導入することで、回答が自動化されるため、問い合わせ担当者の業務負担を削減することができます。それによって、本来注力するべき業務や立案などの職員でなければ行えない業務に集中する時間を生み出すことが可能となるのです。

さらに、チャットボットは学習機能が搭載されています。これまでの質疑応答についてのデータが蓄積されるため、運用を続けることでAIが学習し、より賢いチャットボットに進化を遂げる将来性があります。AIの精度向上が進めば、今後更なる運用範囲の拡大が見込めるでしょう。人の代わりにプログラムが応答してくれるチャットボットをうまく活用することで、職員の負担を削減し、業務の効率化及び短縮へとつながります。これにより、「多様な働き方の実現」や「業務効率化による生産性向上」といった、働き方改革の目的を達成することが可能となります。ここからは実際にチャットボットの実施事例を紹介していきます。

岡山県和気町「住民サービスの充実」

岡山県和気町では、AIチャットボット「わけまろくん」による住民問い合わせ対応を実施しています。自動会話プログラム「わけまろくん」は、総合的な内容を回答できる自動会話プログラムを全国で初めて採用したチャットボットです。同プログラムは、LINEや町のホームページ上で動作する対話形式のサービスです。「わけまろくん」は、パソコンとスマートフォンの両方からアクセス可能で、利用者から和気町に関する質問を受けると情報を自動で案内します。これにより、和気町の住民だけではなく、全国の移住希望者が知りたい時にいつでも和気町の情報を入手することができます。

チャットボット「わけまろくん」導入後の成果は、以下の通りです。
①利用者が情報を簡単に入手できる
②24時間いつでも問い合わせ対応が可能
AI導入後、従来の問い合わせ窓口が担当部署ごとに分かれていた情報を一つにまとめることが可能となり、利用者にとってもわかりやすく情報を入手できるようになりました。また、様々な問い合わせに対する担当職員の業務負担を削減すると同時に、担当者不在時や業務時間外の対応も可能となりました。

福井県永平寺町「観光案内での業務効率化」

福井県永平寺町では、観光案内多言語AIコンシェルジュ導入による外国人満足度の向上に取り組んでいます。永平寺町は観光地として人気の高い町です。主要観光施設である大本山永平寺には、「ZEN(禅)」を通じて、外国人訪問客の占める割合が年々増加傾向となっています。

同時に、永平寺町が抱える課題は、以下の通りです。
①観光案内所が整備されていない
②多言語に対応した人材確保が難しい

同町では、年間を通して約100万人もの観光客が訪れているものの、観光案内所が整備されていないという課題があります。今後も増え続ける訪日外国人旅行者を迎えるための、環境整備が求められています。しかしながら、英語・中国語・韓国語などの多言語を話せる人材を確保するのは難しい現状があります。その対策として導入された「観光案内多言語AIコンシェルジュ(小梅ちゃん)」は、日・英・中・韓などの多言語に対応可能な永平寺町及び隣接市の観光案内を行います。これにより、国内外の観光客に対し永平寺や観光スポット及び飲食店や物産展といったおすすめ店舗などの紹介も自動応答で案内が可能となりました。同プログラムは、多言語対応のタッチパネル式サイネージ(電子看板)になっており、各種言語で質問を行うと、梅柄の作務衣(さむえ)姿のキャラクターである「小梅ちゃん」が応答し、観光客からの質問に音声・画像・文字を用いて回答します。

導入後の成果は、以下の通りです。
①人手不足を解消できる
②ランニングコストが抑えられる
③情報をすばやく取得できる
④分析機能により、統計集計や外部機器との連携が可能

「観光案内多言語AIコンシェルジュ(小梅ちゃん)」を導入したことで、人手不足の課題を解消し、常用雇用に比べてもランニングコストを抑えられる効果が得られました。同サービスでは、タッチパネル画面をタッチすることで情報が取得できるため、利用者にとってもすばやく情報を得られるようになったのです。さらに分析機能によって、アクセス解析や来客者数、来客者性別、管内行動解析等の統計・集計や外部機器との連携が可能となりました。同町は、さらに自然で正確な案内ができるように、これらのシステム機能の強化を検討しています。

長崎県大村市「職員をサポートして業務効率化」

長崎県大村市では、「AIによる、職員が業務を行ううえで不明な点に対する自動応答サービス」の導入に向けて取り組んでいます。サービス導入に至った経緯は、同市職員数の減少や複雑化する制度及び業務による負担増加に起因しています。特に、他課からの問い合わせが多い部署である財政部門・電算部門等はその対応に多くの時間を費やしている現状がありました。同市ではその対策として、職員の問い合わせに自動で応答するサービス「AIおむらんちゃん」を導入し、全体的な業務効率化に向けて実証実験を行いました。

導入後の成果は、以下の通りです。
①職員の知識サポート
②判断の迅速化
③他課からの問い合わせ対応時間の削減
④全体の業務効率化

AIが業務支援を行うことにより、各業務にける膨大な情報を管理、整理に対する職員の負担を削減しました。また、AI活用により、職員の経験年数を問わず的確かつ迅速な判断を行えるようになり、業務効率が上昇します。さらに、他課からの問い合わせ時間が削減されたことで、各課及び全体の業務効率化につながりました。大村市は今後の展望として、市民向けのAI自動応答サービスの開始を検討しており、導入後は市民の利便性向上、及び市民対応の正確性向上が期待されます。さらに二次的な要素として、大村市職員が行政分野におけるAI活用に有用な知見を得ることや、AIに蓄積したデータを参照して、新たな業務効率化のアイデアを生み出すことを期待し、実施に向けて整備を行っています。

〈参照元〉

総務省_働き方改革×チャットツールのビジネス活用
(https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02tsushin02_04000041.html)

総務省_地方自治体におけるAI・ロボティクスの活用事例
(https://www.soumu.go.jp/main_content/000595981.pdf)

総務省_AI住みたくなる、立地したくなる、地域づくりをお手伝い
(https://www.soumu.go.jp/main_content/000602407.pdf)

愛知県豊田市_2019年4月1日から働き方改革関連法が順次施行されます
(http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11240635/www.city.toyota.aichi.jp/jigyousha/
kigyoyuchi/1026482/1026483.html
)

総務省 情報通信審議会_「新たな情報通信技術戦略の在り方」(平成26年諮問第22号)に関する情報通信審議会からの第3次中間答申
(https://www.soumu.go.jp/main_content/000498018.pdf)

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