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公務員を一度やり切って転職。民間企業での経験を、行政に戻って還元したい

公務員を一度やり切って転職。民間企業での経験を、行政に戻って還元したい
イシン株式会社 事業統括本部 公民共創企画部
田廣 恵梨

2017年に地方自治体(市役所)に入庁。

障がい福祉課に3年半在籍し、障害者手帳交付業務や市民・大学交流事業等を担当。その後保育課へ異動し、保育所入所調整業務や保育士確保支援事業を担当。

その他、2018年~2020年には業務改善・企画提案にて庁内職員コンテストで入賞実績有。

2021年10月、イシン株式会社に入社。公務員向けセミナーの企画・運営を担当し、行政課題の解決に向けた情報発信に取り組む。

「新しいことをやりたい」。新人公務員の頃から創造力を発揮

ー新卒で地元の自治体に就職されていますね。地元で働きたい思いがあったのでしょうか?

当時は公務員になろうと決めて就活していたわけではありませんでした。漠然と「地域密着で貢献ができる仕事がしたい」と思い、主に観光分野の事業を展開している企業の選考も受けていました。

地元の自治体は、「地元で地域密着の仕事をしたい」という気持ちで受けました。

最終的に内定をいただいたのは、地元の自治体と全国にリゾート施設を展開する企業の2社でした。後者も魅力的でしたが、「地域密着」という軸から少し遠ざかると思い、辞退しました。

ーそんな経緯があったのですね。公務員時代の仕事はどうでしたか?

障がい福祉の部署に所属していた頃が特に、勤務時間も長くて大変でした。関連法がとても多い分野なので、覚えることも膨大でしたね。

でも、仕事は楽しかったです。同僚や上司にも恵まれていました。事務作業を迅速に捌くことが比較的得意だったので、空いた時間で業務改善もどんどん進めていました。他の職員の方がしないような新しい取り組みに挑戦することが好きだったんです。

ー特に印象に残っている仕事はありますか?

入庁2年目の頃、福祉作業所と共同で企画したイベントが思い出深いです。
本庁舎に、福祉作業所の障がい者の方が運営しているパン屋さんが入っていたのですが、販売商品が恒常化していることが気になっていました。

そこで福祉作業所と相談して、販売商品(パン)の投票イベントを開催することにしたんです。商品のテーマをこちらで設定して、福祉作業所ごとにテーマに沿ったオリジナル商品を作っていただき、市民の方においしかったパンを投票してもらうイベントです。

出展者のみなさんもすごく前向きに取り組んでくださって、これまでに出たことのない商品も販売されました。自分のアイディアで、「みんなでより良いものを作って市民の方に還元する」動きができたことが嬉しかったです。

公務員として評価されるも、天狗になることが怖かった

ー非常にやりがいをもって働かれていたのですね。そんななか、転職しようと思ったのはいつ頃でしょうか?

入庁2年目の頃、業務改善や企画力が評価され、庁内の職員コンテストで入賞したことがきっかけです。喜ばしいことではありましたが、「この環境では自分が求める成長は実現できないかもしれない」と思い、転職を考え始めました。

仕事は楽しかった一方、あまり自身の成長を実感できないことに悩んでいたんです。新しいことに挑戦する姿勢を、同僚や上司からすごく褒められてきました。ただ、自分としては、仕事に対する細部の粗さなど未熟さを感じていたので、自信がなかったんですよね。

ー成長意欲が感じられますね。成果を出し、評価も得ていた環境を離れることは怖くなかったですか?

いただいている評価をそのまま受け取って、自身の未熟な面を放置することの方が怖かったです。このままでは、1つの組織しか知らずに天狗になってしまうかもしれないと恐れていました。

自身の弱みを克服するためにも、より成長できる環境を求めて転職活動をしてみようと思い行動を始めました。

ー転職活動はどのように行いましたか?

気になった企業があれば随時応募する形で進めていました。全体で10社程度しか応募していませんが、最終的に転職するまで1~2年ほどかかりましたね。

イシンはエージェントの方からの紹介で知りました。ポジションは『自治体通信』を運営する事業部ではなく、『ベンチャー通信』を運営するメディアPR事業部(当時)の営業職でした。

新規事業の立ち上げメンバーとしての求人で、「面白そうだな」と興味を持ったんです。また、いずれ公務員経験を活かして『自治体通信』にも携われるかもしれないと思い、入社を決めました。

成長を感じられる適職との出会いと、子育てとの両立

ー実際に転職してみていかがでしたか?

転職してしばらくは、かなり苦戦しました。営業の仕事が本当にうまくできなくて…。成長できる分野だとは思いつつも、上司から何度フィードバックをいただいても一向に成長できない自分に辟易としていましたね。

とはいえ、自治体では得られなかった質の高いフィードバックをたくさんいただけることは嬉しかったです。他者からのフィードバックを受けながら、自分の伸びしろを感じて成長したい思いで転職したので。

結局、ライフイベントとの兼ね合いなど紆余曲折あり、『自治体通信』を運営する行政支援室(当時)へ異動しました。異動してしばらくして、1年間の育児休業に入り、復帰後は主に公務員向けセミナーの企画・運営を担当しています。

ー今の業務はどうですか?

転職して、今が一番楽しいです!やっと適職を見つけた感覚です。公務員時代の経験をダイレクトに活かせています。行政への関心は変わらず持っていますし、自治体の中ではなく外から行政に携わることで、また違った発見が多くて勉強になります。

公務員向けセミナーを通して、官民連携はもちろんですが、省庁と自治体、自治体同士などの「官官連携」を創出できることもあり、非常にやりがいを持って働けています。

ー現在は時短勤務で勤務されていますね。育児と仕事の両立についてはどうですか?

今はほとんどテレワークで、公務員時代とは働き方が大きく変わりました。育児と仕事の両立は大変ですが、公務員時代の働き方だともっと大変だっただろうなと思っています。

公務員の頃は車通勤でしたし、移動時間も長かったんです。移動時間が大幅に削減できているのはありがたいですね。子どもの保育園の送り迎えも問題なくできています。

子どもの対応で急遽休暇を取得する際も、会社用スマートフォンで、自宅からスムーズに仕事の調整などの連携ができることも助かっています。

ー他に、転職してよかったことはありますか?

やはりフィードバックがもらえる環境、自身の伸びしろや成長を実感できる環境に身を置けたことです。

公務員時代は、自己評価と他者評価の乖離があり違和感を抱えていましたが、今はありません。適切なフィードバックをいただきながら、自身の成長も感じられる環境がありがたいですね。

今の業務で、公務員時代は見えていなかった省庁の全体像や先進自治体の取り組みを拝見することも増えました。公務員時代より今の方が行政に詳しくなれている感覚もあります。

ー逆に、今の方が大変だと思うことはありますか?

自身のキャリア形成を主体的に考える必要があることでしょうか。公務員時代は、自分で強く意思表示をせずとも、異動により自動的に新しい分野の仕事に挑戦できました。そんな自治体の環境はありがたかったなと振り返っています。

民間企業は終身雇用もなくなってきていますし、自身で実現したいキャリアを考えて、主体的に行動していく必要があります。さらに民間企業だと、歳を重ねるごとに未経験で新しいことに挑戦できるハードルは上がると思うので、そこは公務員に比べてシビアかなと思います。

民間企業から再び行政へ。官民を切り離さないキャリアは実現できる

ー今後のキャリアについてはどう考えていますか?

現職での経験を糧に、また自治体に戻りたいと考えています。

自治体を退職した身ではありますが、「地域密着で仕事をしたい」「行政に携わりたい」という思いは今も変わっていません。今は自治体の外から、全国の自治体に向けて事業を展開しています。今後はまた1つの自治体に密着して、現職で得た経験や知見を還元したいです。

最初の自治体ではまだ自分自身が未熟だったので、手の届く範囲でしか新しい取り組みが出来ませんでした。今は当時より民間企業などの関係者を巻き込む力もついてきたので、自治体に戻ったらもっと大きい取り組みができそうだなとワクワクしています。

ー最後にキャリアに悩む公務員の方へ、メッセージをお願いします。

私は元々、必ず転職しようと決意して転職活動をしていたわけではありません。良いご縁があれば検討しようというスタンスで、まずは選考を受けるところから始めました。転職活動をするだけでも、自治体の中では見えなかったことがたくさん見えてくるのでおすすめです。

「転職」と聞くと、公務員と完全に切り離して考える方もいるかもしれません。ですが自分次第で、行政の要素を活かした転職を実現することは十分に可能です。公共関連の事業を展開している企業の求人もたくさんありますし、私のように、一度行政を出てもまた戻るという選択も十分にあり得ます。

いきなり退職や転職を決断しなくても大丈夫です。まずは行政の外の人に相談してみる、気になった求人に応募してみるなど、小さくてもいいので一歩行動してみてほしいなと思います。

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