全国の自治体トップ・職員・議員に贈る
自治体の"経営力"を上げる情報サイト

熊本県宇土市 の取り組み

前例のない冷暖房を大型施設に導入し国内トップレベルのスポーツ大会を誘致

宇土市長 元松 茂樹

2013年、宇土市が運営する体育館の大規模改修が行われた。なかでも注目されたのは、輻ふく射しゃ式の冷暖房設備の導入。公共施設では従来、対流式設備が常識だったからだ。輻射式設備の導入に踏み切った理由、前例主義を乗り越えた方法、導入後の成果などについて、同市の元松市長に聞いた。
sponsored by 株式会社イースタン

※下記は自治体通信 Vol.1(2014年9月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

導入・運用コストとも 想定以上の削減に成功

―2013年に宇土市民体育館を改修したそうですね。それ以前にはどのような課題がありましたか。

 いちばんの課題は、十分な冷暖房設備がなかったことです。
 1990年頃までは、バレーボールの日本リーグをはじめ、国内トップレベルの試合が開催されていました。しかし、猛暑続きの近年は冷暖房完備の他施設に奪われてしまったのです。
 また、宇土市は小中学校のスポーツが盛んで、卓球や相撲など全国レベルの大会で優秀な成績をおさめてきました。しかし、夏場に市民体育館が使えず、練習や試合に支障をきたしていました。
 これらの課題を解決するため、冷暖房設備を充実させる2013年夏の大規模改修を決定したのです。

―改修にあたって、冷暖房設備を選定した基準を教えてください。

 1つめの基準は、経費の削減です。今回、改修予算5億円のうち冷暖房設備に予定していたのは3億円。ところが、輻射式冷暖房であれば、1億7000万円ですみ、1億3000万の節約になります。運用コストも対流式の冷暖房に比べ約6割の削減が可能で、どの方式よりも安いと見込まれました。
 そして2つめとして、風が起きないことと、静粛性を重視しました。なぜなら、卓球やバドミントンなど、風の影響を受けやすい室内競技を楽しんでもらいたいからです。
 3つめは、できるだけ県内企業に設備を発注することです。探した結果、熊本市のエコファクトリーの輻射式冷暖房「エコウィン」にたどりつきました。
 ただし、「輻射式冷暖房は、始動から適温に達するまで時間を要する短所がある」といわれていたため、導入に消極的な意見もあったのです。

プロバスケットの公式戦の開催会場に指定される

―反対者に対し、どのように説得しましたか。

 私自身の政治理念を前面に出しました。
 市議や職員に普段から「市民のためになることならなんでもやろう」と伝えてきました。今回の冷暖房についても、「利用者にメリットがある設備であれば、課題は私たちで解決して、ぜひ導入を実現しよう」と訴えたんです。
 当初は懐疑的だった職員なども、最後は輻射式のメリットを認め、賛成してくれました。

―輻射式冷暖房導入の効果はどうですか。

 体育館の使用料金を一時間当たり2000円という低額に設定できました。従来の対流式エアコンなら5000円、他の同規模の施設でも1万円以上に設定している例もあり、その大半を電気料金が占めます。
 結果として、月間の平均利用者数は改修前の3400人から5300人に急増。施設の稼働率が一気に高まったのです。耐震補強、照明のLED化も評価され、宇土市民体育館が見直されています。来年度にはプロバスケットの公式戦が開催される見通しですが、これは輻射式冷暖房の導入によるところが大きいと思います。
 輻射式冷暖房の短所であるリードタイムの長さについても、実際に運用してみると問題にはなりませんでした。エコウィンは媒体の熱容量が約4分の1と少ないため、始動から約15分で適温に達するからです。

―今後の冷暖房設備導入の方針について聞かせてください。

 今後、市内10ヵ所の小中学校の冷暖房設備も、輻射式冷暖房へ順次切り替えていきたいと考えています。その他の公共施設についても、市民が求めている耐震性の強化、省エネルギーにつながる照明のLED化とともに導入を進め、市民の安全性、利便性の向上を図っていきます。

元松 茂樹(もとまつ しげき)プロフィール

1965年、熊本県生まれ。1987年に熊本商科大学(現:熊本学園大学)商学部を卒業後、民間企業に就職。1991年に宇土市に入庁。教育委員会や総務課などで19年間勤務した後、市長選挙に出馬。2010年に初当選。2014年、再選。

熊本県宇土市データ

人口 37,953人(平成26年8 月末現在)
世帯数 14,583世帯(平成26年8月末現在)
予算規模 149億2,746万円(平成25年度最終)
面積 74.20km2km²
概要 熊本県の中西部、宇土半島の北部に位置。中世から有力者が支配権をめぐって争った交通の要衝。戦国時代に小西行長の居城として発展した。江戸期には細川藩の領地として有明海での養殖業がはじまり、人口が増加。近年はオレンジ・デコポン・アンデスメロンなどの果樹栽培が盛んで、養殖ノリやアサリも特産品。

※このサイトは取材先の企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。ユーザーは提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。自己の責任において就職、転職、投資、業務提携、受発注などを行ってください。くれぐれも慎重にご判断ください。

自治体の取り組みを探す

課題から探す
地域から探す

自治体通信

自治体通信

自治体通信は経営感覚をもって課題解決に取り組む自治体とそれをサポートする民間企業を紹介する情報誌です。
自治体関係者の方に無料配布しております。

自治体通信への取材希望の方

自治体通信編集部では、「自治体の"経営力"を上げる」というテーマのもと紙面に登場いただける自治体関係者・自治体支援企業の方を募集しております。

pagetop