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群馬県長野原町 の取り組み

地元産の牛乳や野菜で域外からのランナーをおもてなし

長野原町産業課 観光商工係長 / 長野原町議北軽井沢マラソン実行委員会長 萩原 喜隆 / 浅井 進

地域活性化や観光客誘致など、スポーツイベントのメリットは多い。しかし開催実務の経験者が少ない自治体もある。今年6月に「北軽井沢マラソン」を実施した長野原町(群馬県)もそうだった。にもかかわらず地区人口の12%、約200名がボランティア参加する盛況だった。同町の関係者や運営業務を委託された企業の代表に成功の理由を聞いた。
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※下記は自治体通信 Vol.1(2014年9月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

4年間のブランクを経て歴史ある大会が復活

―北軽井沢マラソンの概要を教えてください。

浅井 浅間山の北に位置する高原にコースがあります。初夏でも気持ちよく走れる気候と眺めのよさが人気で、域外からの参加者が多いですね。 今年6月22日の開催日はあいにくの雨模様。それでも約900名のランナーが参加しました。それを北軽井沢地区の住民1600名余の1割以上にあたる、およそ200名のボランティアがサポート。多くのマラソンイベントに参加しているランナーから「こんなに手厚いもてなしは初めて」という声が聞かれました。

―ボランティアが多かった要因はなんでしょう。

萩原 住民の協力意識が高かったからです。マラソン大会でランナーに提供する飲料といえばスポーツドリンクが相場。でも今大会では地元の特産品である牛乳をふるまったんです。
 北軽井沢地区は牧場が多く、酪農がいちばんの産業。酪農家に牛乳を提供してほしいと呼びかけたところ、「ウチの牛乳のおいしさを、県外からの参加者に知ってもらいたい」と積極的な協力が得られた。当日しぼった牛乳1リットルパック300本を冷やし、コップに注いで、ランナーやその家族に配ったのです。
浅井 300リットルの牛乳があっという間になくなるようすをみて、感慨深かったですね。この大会は昭和60年から毎年、25回開催した歴史ある大会ですが、宮崎県で口蹄疫が発生した平成22年、「飼育牛の多い地域でのイベントはリスクがある」と中止に。以後4年間、開催を見送っていました。今回、ランナーが地元産の牛乳を飲みほす姿はまさに“復活”を象徴していました。

―牛乳を提供するというアイデアはどこから生まれたのですか。

浅井 大会運営の業務を委託したスポーツワンの提案です。今回の大会運営方針は、地域住民が中心となり、アットホームな手づくり感覚で参加者をもてなすというもの。その具体策として「地元の特産品を活用しては」というアイデアを出してくれた。「牛乳は適度の塩分を含み、アルブミンの生成で血液を増やすから」と。

企画段階から相談し大幅なコスト削減を実現

―それ以外にどんな協力が得られましたか。

萩原 スポーツワンには一から相談に乗ってもらい、助かりました。
 たとえば、ボランティアの配置や運用など、事前に情報を提供してくれ、一緒に検討していたので、当日大きな混乱は起きませんでした。また、タイム計測や参加賞の制作などの費用についても相談し、大幅なコスト削減を実現できました。
 開催3ヵ月前になっても参加申し込みが伸びなかったとき。スポーツワンが「この大会の前月に近隣で開催されるマラソン会場で宣伝チラシを配りましょう」という知恵を出してくれました。実行委員総出でチラシを配った結果、900名の参加者を確保。当日も受付業務を手伝い、参加者をさばいてくれ、まさに大会全体をサポートしてもらうことができました。

―今後のスポーツ戦略を聞かせてください。

浅井 観光客誘致を中心とした地域経済の活性化を目標に、北軽井沢マラソンを開催していきます。今回は地元産品の提供のほかに、ピッカリ君(浅間火山博物館)や、ぐんまちゃん(群馬県)といった、ゆるキャラを応援に動員。子ども連れに楽しんでもらう工夫をしました。今後も新しい試みを取り入れていく方針です。
萩原 今回、大会が近づくと家の前を掃除したり、庭の見ばえをよくしたりと、住民が進んで協力してくれる姿が見受けられました。次回以降、より住民が主体になって開催する大会にしていきたいですね。

萩原 喜隆 / 浅井 進(はぎわら よしたか / あさい すすむ)プロフィール

萩原 喜隆(はぎわら よしたか)
長野原町 産業課 観光商工係長

浅井 進(あさい すすむ)
長野原町議 北軽井沢マラソン実行委員会長

群馬県長野原町データ

人口 5,984人(平成26年7月末現在)
世帯数 2,454世帯(平成26年7月末現在)
予算規模 81億1,500万円(平成25年度 当初。八ツ場ダム関連事業含む)
面積 133.93km²
概要 群馬県西北部に位置し、高崎市や草津町、南部は長野県に接している。明治22年に近隣1町9ヵ村が合併して誕生以来、農業と観光業で発展。牛乳やチーズなどの酪農品を中心に、花インゲンやトウモロコシなどの高原野菜のほか、
キャベツやレタス、リンゴなども近郊の都市へ出荷する。また、川原湯温泉や浅間高原に年間60万人の観光客が訪れる。

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