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大阪府八尾市 の取り組み

災害時の行政判断に必要なデータが1枚の地図上に表示される

危機管理課 課長 森田 忠久

平成28年4月。熊本をはじめ九州を襲った地震で各自治体は対応に追われた。その教訓からIT活用を検討する自治体が増えている。南海トラフ地震の被害が想定される八尾市(大阪府)では、警戒から復興にいたる災害対応の全フェーズをカバーできる情報システムを導入。そのねらいを同市危機管理課課長の森田氏に聞いた。
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※下記は自治体通信 Vol.5(2016年7月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

“ラスト・ワンマイル”の悲劇を起こさないためのツールになる

―災害時の情報管理について、市にどんな課題がありましたか。

 迅速性・正確性に課題がありました。各所から入ってくる情報を紙で管理し、ホワイトボードに最新の情報を書いては消して共有する方式。情報収集・把握・記録といった作業に時間をとられ、肝心の「打ち手を検討し、実行する」が遅れてしまう。

 そこでITの有効活用を考えはじめ、2年間かけて市町村の導入事例を比較検討。最終的に、機能面で私たちが求めるものを満たしており、大手メーカーのシステムの3分の1程度の導入費用ですむこのシステムを選びました。

 職員向けシステム活用研修の開催など、アジア航測のサポートが充実していることも評価しました。

―特徴的な機能はなんでしょう。

 さまざまな情報を1枚の地図の上に表示して管理できることです。

  たとえば今年4月の熊本地震で起きた“ラスト・ワンマイル"問題。避難所近くの集積所まで支援物資が来ているのに、道路の寸断などで被災者のもとに届くまでに大変な時間がかかったのです。

 でも、このシステムがあれば「どの避難所にどんな物資へのニーズがあるのか」「いま、その物資はどこにあるのか」「どの交通ルートは使用可能なのか」がひとめでわかるように表示できる。

 配送会社に「この物資をこのルートを使ってあそこへ届けてください」と迅速かつ的確に指示が出せるわけです。民間の事業者と提携し、どの店にどんな品があるのかの情報も取り込めば、「支援物資が届くのを待つよりも、最寄りの店へ徒歩で向かったほうが早いですよ」などと避難所にアドバイスすることも可能です。

危険と判定された家の住人へ仮設住宅の案内送付も可能

―アジア航測の「災害情報システム」に、同社とデュプロが開発した「被災建築物応急危険度判定支援システム」の機能がくわわり、さらにNTT東日本が提供する「被災者生活再建支援システム」も一体になっているそうですね。そのメリットを教えてください。

 たとえば、建築物ごとの倒壊の危険度の判定情報と被災住民の情報をつきあわせる。そして、危険度の高い家の住人には仮設住宅の案内を送ることも可能になります。従来のように住民から申請があってから動くのではなく、行政からプッシュ型で支援できるのです。

 また、被災者の生活再建へ罹災証明書をすみやかに発行できます。

大阪府八尾市データ

人口 26万8,697人(平成28年5月1日現在)
世帯数 12万2,120世帯(平成28年5月1日現在)
予算規模 2,126億2,119万7,000円(平成28 年度当初)
面積 41.72km²
概要 大阪市の東南部に隣接する特例市で、市の南部には八尾空港があり、陸上自衛隊の駐屯地や民間の小型航空機に供用されている。全国トップシェアの出荷を誇る伝統の歯ブラシ生産をはじめ、金属製品や電子機器など最先端技術にいたるまで、匠の技が光る。製造品出荷額は、大阪市・堺市に次いで府内3番目(平成25年工業統計調査)の規模となるなど、中小企業を中心に高度な技術力と製品開発力を誇る「ものづくりのまち」として知られる。

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