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❝成果を出す❞職員が評価される時代へ

元・三重県知事 早稲田大学/名誉教授・マニフェスト研究所顧問 北川 正恭

人口減少により、自治体の消滅の可能性が取りざたされる現在。多くの自治体職員が、「このままではいけない」と感じ、さまざまな施策を講じて奮闘している。ここ数年で、自治体職員の意識も仕事のありかたも大きく変わった。ならば、職員の研修・教育も、それに応じて変化していくはずだ。本レポートでは、これからの時代にふさわしい研修・教育のありかたを探っていく。

※下記は自治体通信 Vol.10(2017年10月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

プロセス評価や減点評価はすたれていく可能性も

 「職員の研修・教育のありかたが変わっていく」と予想する最大の根拠は、自治体行政を❝成果❞で評価する動きが広がっていることにある。平成8年、三重県が「事務事業評価」制度を導入して以来、同様の制度を取り入れた自治体は増える一方だ。すでに全都道府県と指定都市・中核市・特例市の9割以上が導入。在籍する職員数の多い自治体のほとんどが導入済みだ(図1参照)。

 いま、自治体の事業は「きちんと成果が出ているか」が評価されるようになってきたのである。

 人口減少により❝消滅❞の可能性さえ取りざたされる。いま、自治体は「倒産」の可能性にさらされる民間企業と似たような状況にある。企業ならば、倒産を避けるために売上を伸ばすといった成果を出すことが求められる。自治体も同じように、事業によって、居住人口の増加や域内経済の活性化といった成果を出すことが求められる。仕事を成果で評価する流れは加速していくに違いない。

 職員が携わる仕事への評価が変わった以上、職員自身への評価も変わってくるだろう。より成果を出す職員が高く評価されるようには、職員の意識変革を促進することが目的のひとつになっているのだから、当然だ(図2参照)。これまでのような「規程通りに仕事をしているか」といったプロセスを対象とした評価や、「ミスがどれだけなかったか」という減点法による評価は、主流ではなくなっていく可能性が高い。

 しかし、民間のビジネスパーソンに比べると、自治体職員は「成果を出す」ためのノウハウやマインドについての訓練を十分に受けていない。このギャップを埋めるため、研修・教育のありかたが変わってくると予想するのだ。

 では、どう変化していくのか。成果を出す人材を育成するための研修・教育である、民間企業向けのカリキュラムが大幅に取り入れられる、というのがひとつの有力なシナリオだ。そこで次ページ以降、民間のビジネスパーソン向け研修・教育で多くの実績をもつ専門家を取材。民間企業で蓄積された研修・教育ノウハウを自治体に転用する可能性を探る。

三重県知事として平成8年の「事務事業評価」導入の旗を振った北川氏に、職員の意識を変える要諦を聞いた。

 職員の意識を変えるには、数値目標の導入が不可欠。数値で達成度を評価しないと、逃げ道がつくられてしまいますから。

 導入の旗を振る首長自身も逃げてはいけません。職員に対し、成果での評価の必要性を自ら説得する覚悟がないのなら、やらないほうがいい。職員だけでなく議会をはじめあらゆるステークホルダーに導入の意義を説明し、全庁あげての雰囲気をつくりだすことが重要です。

北川 正恭(きたがわ まさやす)プロフィール

昭和19年、三重県生まれ。早稲田大学商学部卒業後、東京での会社勤めを経て、昭和47年に三重県議会議員に当選(連続3期)。昭和58年に衆議院議員に当選(連続4期)。平成7年、三重県知事に当選(連続2期)。「改革派知事」のひとりとして、事務事業評価システムの導入や原子力発電所計画の白紙撤回、産業廃棄物税の導入などを実現。平成15年、「ローカル・マニフェスト」の導入を提唱。自身は多選の弊害を理由に知事を退任したが、同年の衆議院選挙で各党がマニフェストを作成、同年末に「マニフェスト」は「新語・流行語大賞」に。平成18年から「マニフェスト大賞」を開催。平成27年から早稲田大学名誉教授、早稲田大学マニフェスト研究所顧問。『マニフェスト革命―自立した地方政府をつくるために』『生活者起点の「行政革命」』(ぎょうせい)など著書多数。

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