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東京都世田谷区 の取り組み

区役所業務に質的変革をもたらす世田谷区の「紙の地産地消事業」の可能性

世田谷サービス公社 代表取締役社長 田中 茂

「紙の地産地消事業」。これは世田谷サービス公社がいま、全国に先がけて取り組む画期的な挑戦である。区役所から出る膨大な使用済み用紙の循環・再利用サイクルの構築を通じて、区役所業務に大胆な変革をもたらそうというものだ。この挑戦の陣頭指揮を執るのが同社代表の田中氏だ。この事業にかける想いなどを同氏に聞いた。
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※下記は自治体通信 Vol.09(2017年7月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

頭を悩ます「紙処理問題」

―「紙の地産地消事業」を打ち出した経緯を教えてください。

 世田谷区は都心部に対するベッドタウンとして、これまで区内でのヒト、モノ、カネの流れが弱かった。そこで区では、地域振興の視点から「地産地消」をキーワードに、区内でのヒト、モノ、カネを循環させる仕組みづくりを進めてきました。そうしたなかで、区の地方公社として情報処理機能を担う当社としても、区役所本体を巻き込む形でこの動きになんらかの役割を果たしたいと考えた結果、紙の再利用に着目したんです。

―それはなぜでしょう。

 区役所では膨大な紙を扱います。その紙は、厳格な個人情報保護規定のもとで処理されますが、その過程で時間や労力を含めた多大なコストがかかっていました。この「紙処理問題」を区役所に代わって当社が解決できれば、多方面に大きな波及効果が得られる。そう考えていた矢先、オフィス製紙機『PaperLab(ペーパーラボ)』と出会い、「紙の地産地消事業」の着想を得たのです。

 この装置は使用済みの紙を投入するだけで、新たなコピー用紙や厚紙、色材をくわえるとカラー用紙など、用途にあわせて多様な紙をその場で生産できる画期的なものです。これを活用すれば、区役所内だけで紙の循環・再利用サイクルを完結させることができます。

資源に対する意識が変わり業務の質が変わっていく

―事業では具体的にどのような効果を期待していますか。

 第一に、区役所から排出される紙上の個人情報が漏えいする不安を一掃できます。

 第二に、紙の再生産プロセスの一端を障がい者に担ってもらうことで、障がい者の職域拡大を図れ、当社がねらう障がい者雇用の増進につなげられる。

 そして、じつはいちばん大きな導入効果と期待するのが、「区職員の意識改革がもたらす自治体業務の変革」という効果です。

―具体的に教えてください。

 これまでは見えなかった紙の再生産プロセスを区役所内で完結させ、さらに年度によって再生紙の色を変え、ピンク紙は昨年の紙、黄色紙は今年の紙という具合に「見える化」を徹底すれば、だれもが一目瞭然で区役所内での毎年の再生産状況を意識することになる。資源に対する意識が大きく変わっていくことが期待できます。

―今後のビジョンを聞かせてください。

 区職員の意識が変わり、それが区役所業務の質的変革をもたらす。その好循環に一定の役割を果たせれば、「紙の地産地消事業」は成功です。それに向け、試行錯誤を繰り返すなかで「紙の地産地消事業」を価値あるものに高めていきたいですね。

東京都世田谷区データ

人口 89万7,643人(平成29年5月1日現在)
世帯数 47万2,307世帯(平成29年5月1日現在)
予算規模 4,785億2,100万円(平成29年度当初)
面積 58.05km²
概要 東京23区の南西部に位置し、南側を流れる多摩川をはさんで神奈川県と接する。現在は高級住宅地として知られ、文化教育・スポーツ施設が充実している。

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