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内閣官房 の取り組み

「ウチの魅力は来ればわかる」そんな考えはもう通用しません

「ウチの魅力は来ればわかる」そんな考えはもう通用しません

まち・ひと・しごと創生本部事務局 村上 敬亮

安倍内閣が地方創生を打ち出してから3年目。「地方創生をさらに進めるには、チャレンジできる地域商社づくりが重要」と説くのは、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局で活躍する村上氏だ。「しごとがひとを呼び、ひとがしごとを呼ぶ」好循環を地域に生み出すため、自治体に求められることはなにか、同氏に聞いた。

※下記は自治体通信 Vol.8(2017年4月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

名産品を選定するだけでなくそれを売る仕組みを表彰

―今年の「ふるさと名品・オブ・ザ・イヤー」地方創生大賞が決定しました。この制度の特徴はなんでしょう。

 名品の中身だけでなく、その魅力を域外に伝えて販路を開拓し、継続的にビジネスになる仕組みをつくる、ビジネスモデルづくりへのチャレンジを評価しています。

 名品開発には熱心でも、それを売る仕組みづくりまで行っている地域は、現状ほとんどありません。人口も市場も右肩上がりの時代には、全国的な流通事業者が自らネタを探しに来てくれた。だから、「来ればわかる」「食べればわかる」といっていればよかった。でも、そういう時代は終わります。

―さまざまな商品を買えるスーパーや、観光地を効率よく回れるようにした旅行代理店などですね。

 そうした消費者を代表して商品を買いつけてくれる機能があったからこそ、生産者は、つくりすぎを恐れず、果敢によいものをつくることに安心して集中できたのです。

 今後は右肩下がりの時代。人口も市場も縮小するとなれば、供給はだぶつきますし、選別も厳しくなります。よいものをつくるだけではなく、そのなかで自ら市場に売れそうなものを選び、域外に売る。戦闘力のある商品を前に立てて、地域を売り込む仕組みをつくる、地域商社機能が必要なんです。

―自治体にはどんなことが求められますか。

 第一に、地元のしがらみを振り切る決意です。いままでは、域内のすべての産品を均等にあつかっていても、市場全体が伸びていたので、ある程度、均等に幸せを配分することができました。でも、右肩下がりの時代で同じことをしたら、よいものも含め全員がじり貧におちいります。外からの評判に素直に耳をかたむけ、よいとされたものを伸ばす。これを後押しする姿勢と決意を、自治体自ら見せることが不可欠です。

 第二に、「時間をかけて取り組む」心構えです。これまで長く続いた商慣習を変える。たとえば、収穫したらダンボールに詰めて出荷するだけでよかったのを、生産者自ら、いちばん市場が望む方法で販路側の事情にあわせて出荷するように変えてもらう。生産体制が固まり、流通が軌道に乗るまで生産者と市場の声の間を、なん往復もする必要があるでしょう。

 「補助金側の事情から1〜2年で成果を求め、その成果が中途半端なまま、予算要求のためにまた別の目新しいことをする」。これはいちばんやってはいけません。

戦略目標を定めて軍師にまかせよ

―ビジネスモデルづくりのためのポイントを教えてください。

 「軍師なき関ヶ原」では徳川にも豊臣にも勝利をもたらしません。真田幸村でも、本多正信でもよいのですが、軍師と、その軍師に戦闘をまかせる度量が必要です。地域はすぐに、取り組みの中身を話したがりますが、戦術より先に戦略が必要です。戦略目標と、それを実現するリーダーのない状態で、複数の精鋭部隊がバラバラでは、勝利は望めません。

 戦略目標を定める。まかせる軍師を選ぶ。領内から多少の不満・不平が出ようと、「まかせる」と決めた軍師にまかせることができるかできないかで、地域の勝敗もわかれていくでしょう。

村上 敬亮(むらかみ けいすけ)プロフィール

昭和42年、東京都生まれ。平成2年に通商産業省(現:経済産業省)入省。長らくIT政策に携わった後、平成19年からメディア・コンテンツ課長として「クール・ジャパン」戦略の立ち上げを担当。その後、地球環境対策室長、資源エネルギー庁新エネルギー対策課長などを歴任した後、平成26年に現職に就任。地方創生のキーパーソンのひとりとして活躍している。

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