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徳島県美波町 の取り組み

優れた情報伝達手段の整備で巨大災害に備える

美波町長 影治 信良

南海トラフ地震の発生と、それにともなう大規模な津波の襲来が予想される美波町(徳島県)。過去にも津波被害を繰り返し受けてきた歴史をもつ同町では、その防災対策の柱として、周囲の自治体に先がけて先進的な防災行政無線システムの整備に乗り出している。その背景や導入効果などについて、美波町長の影治氏に聞いた。
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※下記は自治体通信 Vol.7(2017年1月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―美波町の防災対策はどのような理念のもと進められていますか。

 「救える命を救う」という理念のもと、進めています。施策の中心は、南海トラフ地震とそれにともなう津波災害対策です。東日本大震災のあと、国と県は南海トラフ地震による被害想定を新たに発表しました。その数字が非常に衝撃的なもので、美波町に襲来する津波の高さは最大20.8メートル、死者数は2400人。いずれも徳島県下24市町村で最悪の数字でした。

 この被害想定を受け、町では避難路の整備や公共施設の高台移転を段階的に進めるなどハード面の対策に力を入れながら、先進的なデジタル防災行政無線の導入を中心としたソフト面の対策も同時に重視しながら進めてきました。

―デジタル防災行政無線の導入を重視した理由はなんでしょう。

 津波襲来の際、迅速かつ的確に情報伝達できるかが住民の生死を分けるからです。美波町には南海トラフ地震の被害を繰り返し受けてきた歴史があり、住民のDNAにも情報伝達の重要性が刻まれています。そのため、「命を救う」防災対策では、先進的な防災行政無線の整備を最優先に位置づけてきました。

 さらに、整備にあたって必須要件としたのは、同報親局(操作卓)から一斉放送する同報系無線のみならず、緊急時には移動端末からも放送できる移動系無線も一体化した機能を備えていることです。

南三陸町の悲劇を決して繰り返してはいけない

―それはなぜでしょう。

 東日本大震災における南三陸町の悲劇を教訓としたためです。南三陸町では、津波襲来の直前まで防災庁舎から無線で住民に避難を呼びかけていた町職員が、津波にのまれてお亡くなりになりました。歴史的に津波被害が繰り返されてきた美波町の人間としては、あの悲劇を「決して繰り返してはいけない」という想いから、移動系無線の一体化を図りました。

―実際の運用で感じる導入効果を教えてください。

 音質の良さと通信エリアの広さなどの性能には非常に満足しています。高齢者が多く、密閉した家屋が広く分布している美波町では、家屋内にも伝わるきれいな音質と、通信エリアの広さは重要な機能です。幸いなことに、移動系無線を実践的に運用する機会はまだありません。ただ、運用実験ではその活用可能性を実感しており、周辺自治体からも注目を集めています。

 美波町では、町内放送で毎日のように防災行政無線を活用しています。いつ、どこで起こるかわからない災害への備えを住民に喚起するうえで、防災行政無線が日々、力を発揮しています。

徳島県美波町データ

人口7,160人(平成28年11月1日現在)
世帯数3,417世帯(平成28年11月1日現在)
予算規模112億9,690万円(平成28年度当初)
面積140.85km²
概要平成18年3月に旧日和佐町と旧由岐町が合併して誕生。徳島県の南東部に位置し、海岸線は風光明媚なリアス式海岸で千羽海崖やアカウミガメの産卵地大浜海岸などを有し、室戸阿南海岸国定公園の中心に位置する。その地理的条件ゆえに、歴史的に南海トラフ地震の被害を繰り返し受けてきた地域としても知られる。町内に立つ「康暦の碑」は、康安元年(1361年)の大地震・大津波による多数の死者を供養するために建立された日本最古の地震津波碑とされ、当時の被害の大きさをいまに伝えている。

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