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「県費負担教職員にかんする権限移譲」と「総合窓口化」

行政事務に変化の波 対応の鍵は業務洗い出し

りらいあコミュニケーションズ株式会社 公共・ライフライン本部 BPO事業部 BPOサービス室 室長 鈴木 潤一

 自治体行政の現場ではいま、大きな制度変更と改革への取り組みが動き出している。そのひとつが「県費負担教職員の給与負担等の道府県から指定都市への移譲」。全国約14万人の県費負担教職員への給与振り込みや勤務条件などを指定都市が定めることになったのだ。

 また、平成27年に閣議決定された「骨太方針」により、行政事務の民間委託推進や(※)BPRを通じた質の高い公共サービスの展開などが、歳出改革の基本方針に掲げられた。いずれも自治体の事務作業に大きな影響を与えることは必至。行政サービスの現場は、この変化にどう対応しようとしているのか。

 次ページからは、自治体の事務作業のアウトソーシングで実績を積む、りらいあコミュニケーションズで(※)BPOに携わり、包括的なBPRを熟知する2人に、変化に対応する鍵はなにかを聞いていく。


※BPR(Business Process Reengineering) : 顧客の視点から見て不必要なプロセス(非付加価値業務)を省いて業務を最適化し、再構築すること
※BPO(Business Process Outsourcing) : 業務の一部ではなく、窓口業務・事務処理業務・ コールセンター業務・ITサポート業務などを包括的に外部委託すること

※下記は自治体通信 Vol.6(2016年10月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

平成25年3月に閣議決定された「県費負担教職員の給与負担等の道府県から指定都市への移譲」の実施がいよいよ来年度に迫ってきた。りらいあコミュニケーションズで自治体の事務業務のアウトソーシングに長年携わってきた鈴木氏に、制度改変にともなう自治体の課題と対策を聞いた。

小中学校の教職員だけでも 約 13 万4000人対象の改変

―県費負担教職員にかんする権限が平成29年4月に指定都市へ移譲されます。なにが変わるのですか。

 これまでは道府県から支給されていた給与が、指定都市から支給されます。また、給与制度などの勤務条件は指定都市が定め、学級編成基準、教職員定数も国の標準をもとに指定都市が定めるようになります。

―権限が指定都市に移譲されることで、どのような影響が予想されますか。

 新たに発生する事務作業面での人手不足が予想されます。今回の権限移譲の対象となる全国20の指定都市の教職員数は、小中学校だけでも約13万4000人。さらに特別支援学校の教職員も対象ですから、大変な人数です。

 制度改変後は指定都市が給与計算、各種手当申請、出張旅費精算などに取り組むのですが、もともとは道府県が行っていた作業。そのための人員を現行の職員から探すのか、あるいは新たにくわえるのかという問題に指定都市は直面しています。

―ほかにもありますか。

 公立学校共済組合、財形貯蓄、市立学校教職員互助会の通常手続きにかんする業務の移譲は、自治体の判断に任されています。

 移譲されることになれば、人事、給与系の業務の増大が予想されます。対策としては、人事・給与・福利厚生系の業務を含む処理体制の強化が必要になります。

アウトソーシングにより効率化できる業務を可視化

―事務作業の増大に自治体はどのように対応しようとしているのでしょう。

 アウトソーシングを検討している自治体が多いと聞いています。

―どういうアウトソーシング方法がありますか。

 事務作業だけのアウトソーシングと、事務作業の処理も含めたシステム選定から行うアウトソーシングがあります。

 事務作業だけの場合、①事務集中センターのようなものを設け、指定都市に移管される事務作業すべてをアウトソーシングする方法と②補助的事務のみを集中して処理する庶務事務の拠点を設立して、職員対応とアウトソーシングで処理にあたる方法があります。

 一方、有給休暇や旅費交通費の申請のような、給与・福利厚生などにかんする事務は本人が行えるシステムを導入したうえで、そういった各種の申請を集中的に処理する事務センターの設置とセットの総合的なアウトソーシングの運用も考えられます。

―システム導入の予算化は簡単ではありませんね。

 そうですね。ただし、現在利用しているシステムをどう活かすかを主眼に考えますので、ゼロからの計上にはならないでしょう。 

 今回の制度変更の対象となる自治体のなかで県費負担教職員数が最少の静岡市でさえも、3000人超の毎月の給与を処理しなければなりません。等級や号俸に応じvた複雑な給与計算はシステムで対応したほうが効率的だと思います。でも「人員の追加で対応したい」ということでしたら、繁忙期と閑散期の事務スタッフの人数を調整しながらの対応も可能です。

―アウトソーシングすることでどのような成果が期待できますか。

 事務作業内容と業務にかかる費用が洗い出され、効率化が可能な個所が可視化されます。私たちは市の職員の方々にコアな業務に集中できる環境を提供できます。制度改変の過程を乗り切るサポートをしていきたいですね。

総務省は窓口業務を改革し、総合窓口化するモデル事業を7自治体に委託。優良事例は全国展開しようとしている。こうした動きを受けて、BPRが自治体で活発化している。りらいあコミュニケーションズでBPO事業に携わる鐘本氏に、最新の動向を聞いた。

住民負担を軽減するために総合窓口化が進行

―住民が指摘する窓口業務の課題にはどんなものがありますか。

 「もっと手続きを簡便化してもらいたい」という声は、つねに自治体に寄せられています。たとえば出生にかんする窓口届や申請では、市民課や国民年金係など最低3つ以上の担当課を回らなければいけません(図版参照)。しかもそれぞれの窓口で待ち時間が発生する。住民負担をいかに減らすかを考えるべきです。

―どうすればいいでしょう。

 総務省も推進していますが、窓口業務のあり方の検討をおススメします。最近の傾向としては、各種申請などにかんする受付部署を複数からひとつに集約する「総合窓口」の設置が進んでいます。実際、(※)平成27年の時点で約190自治体が総合窓口を導入しました。

※「地方行政サービス改革の取組状況等に関する調査」(総務省 平成28年3月25日公表より)

―総合窓口にして業務を効率化するためにはなにが必要ですか。

 総合窓口が有機的に動くためにはBPRが必要です。BPRを実施することで各課の作業内容を把握し、総合的な視点から業務のムダが可視化されるのです。BPRの結果、「出産・死亡のようなライフイベント関連」「福祉関連」「税関連」と業務内容で分類する窓口設置のほうが、状況によっては効率的だというケースも考えられます。

 もしBPRを実施せずに、各課の受付業務を総合窓口に集中させてしまうと、かえって業務が滞る可能性も大きいでしょう。

本人確認と申請内容の確認を総合窓口に移譲する

―BPRの実施で留意すべきポイントを教えてください。

 自治体業務のみならず、多角的な分析による各課の業務スクリーニングが重要です。

 当社ではBPRの知見をもつスタッフを各課に派遣して、「業務で使用している情報システム」と「事務作業のフロー」を徹底的にヒアリング。その結果、「入力項目、作業の確認ポイント、確認の目的」がすべて可視化され、ムダが洗い出されます。そして最終的にはシステムのあり方も含めた業務再構築を提案します。

―BPRでどのような効率化が図れますか。

 たとえば、同じ書類を複数の課で重複チェックしているのであれば、それを1回にする業務フローが考えられます。

 これはひとつの案ですが、住民の各種手続きに必要な個人情報を各課から総合窓口に集約。申請手続きの際の本人確認と、申請書の内容確認は総合窓口で済ませるようにすることも可能だと思います。ある程度の権限を総合窓口に移譲するのです。

―BPRの相談はどこにすればいいのでしょう。

 自治体業務に精通した企業に相談するのがいいでしょう。当社には自治体のアウトソーシング先としての実績が多数あります。その知見を活かしながら、自治体それぞれの予算や実態に合ったITベンダー企業との協業が可能です。BPRについてわからないことがあれば、ご相談ください。

鈴木 潤一(すずき じゅんいち)プロフィール

北海道生まれ。平成9年に株式会社もしもしホットライン(現:りらいあコミュニケーションズ株式会社)入社。官公庁・自治体向け総務・事務センターやSSO(Shared Services Outsourcing )業務設計・運営に取り組む。

りらいあコミュニケーションズ株式会社

設立 昭和62年6月
資本金 9億9,826万円
売上高 815億円(平成28年3月期:連結)
従業員数 正社員:1,142人 契約社員:1万9,555人(平成28年3月現在:連結)
事業内容 コンタクトセンター事業、バックオフィス事業、フィールドオペレーション事業、海外事業など
URL http://www.relia-group.com/
お問い合わせ電話番号 0120-610-810(平日 9:00~17:30)

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