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鹿児島県薩摩川内市 /熊本県天草市 の取り組み

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地域活性化策“成功”のカギは独自人材の積極登用にあり

薩摩川内市 商工観光部 観光・シティセールス課 シティセールスグループ長 中村 年男

天草市 総合政策部政策企画課課長 塩先 敏彦

「地方創生」の流れを受け、まちの魅力を掘り起こし、地域の活性化を図ろうとの意識は各自治体とも確実に高まっている。だが一方で、いまだにその魅力を見つけられずに悩んでいる自治体も多いのが実情だろう。そうしたなか、まちに眠った資源から新たな魅力を“創り出し”、地域活性化に成功する自治体が出はじめてきた。その成功のカギは、独自の視点をもった人材の積極登用にあった。
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※下記は自治体通信 Vol.6(2016年10月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

 昨年10月、富山市(富山県)は民間人材のノウハウをまちおこしに活用しようと、あるユニークなイベントを開催し、注目を集めた。「CAサミットinとやま」がそれだ。その名が示すとおり、富山市が期待したノウハウの持ち主とはCA、すなわち航空会社のキャビンアテンダント(客室乗務員)であった。

 当日は30人のCAが一堂に会した。2日間のモニターツアーとシンポジウムにて市内をつぶさに観察した彼女たちが、独自のセンスで埋もれた魅力や可能性を発掘、富山市に多くの“気づき"をもたらした。

「この取り組みは、人的資産などのソフト面こそが重要という、今後の地方活性化策のヒントを示している」。こう語るのは、ANAグループで地域活性化支援事業を担っているANA総合研究所の代表、岡田氏だ。過去10年で延べ60自治体の地域活性化支援を手がけてきた同社の実績をもとに、地域活性化策を成功に導く秘訣を同氏に聞いた。

地域活性化施策は資源依存から知恵の勝負に

―自治体による地域活性化策はいま、どんな傾向にありますか。

 これまで施設などハード面の整備に偏りがちだった活性化施策に対し、ハードをどう活かすかという工夫や戦略、いわゆるソフト面こそが重要という意識が強まっているようです。つまり、名所や名産品といった観光資源に頼りがちになっていた施策が、地域にある資源を掘り起こし、どう魅力を吹き込むかという知恵を競い合う形に変わってきているのです。それにともない、一級の観光資源に恵まれていなかった自治体でも、「どこかに魅力は眠っている」という意識が高まっています。

―自治体はソフト面をどのように強化しているのでしょう。

 民間企業と提携し、その知恵やノウハウを活用することで、ソフト面を強化する自治体が増えています。ただし、協力内容は進化しており、従来のような報告書の提出といった表面的なものではなく、独自のノウハウをもつ民間人材の受け入れ、それも長期にわたって常駐させる形が増えています。「民間人材には自治体職員と一緒になって現場でイチから地域活性化策の立案・実施に関与してほしい」ということです。

―自治体現場で民間人材を登用するイメージですね。

 そのとおりです。しかも、登用される民間人材には地域活性化策に対する高いレベルのノウハウはもとより、独自の視点や経験を求める傾向があるようです。たとえば当社では「地域活性化支援事業」の一環として2つのタイプの人材を自治体に派遣しています。ひとつは航空や観光、物流などANAグループが有する各事業のノウハウをもったスタッフ。観光施策立案の実務を担うための人材です。もうひとつは航空機の客室乗務員、すなわちCAです。世界各地を訪問して身につけた彼女たちの豊富な見聞にもとづくセンスは、観光素材の開発や地域の魅力発掘に大きな力になるからです。60年以上にわたる航空事業で蓄積したサービスの技術やおもてなしの精神も、観光客を受け入れようとする地域のホスピタリティ向上に貢献できます。このCAや実務スタッフが提携自治体に常駐し、地域活性化事業を現場で支えるのです。

CAの独自のセンスがまちの観光施策を変える

―CAの派遣とはユニークですね。地域振興に貢献している実例はありますか。

 はい。富山市との提携のなかから昨年実現した「CAサミット inとやま」というイベントはその好例
です。この2日間のイベントには実に30人のCAが派遣されましたが、市内各地を視察した彼女たちが独自のセンスで富山市の魅力を分析。新たな観光素材の開発にさまざまなアイデアを出し合いました。

 たとえば、観光標識の表記一つひとつに対する女性ならではの配慮や、古民家が続くまち並みを観光名所化するための工夫やおもてなしなど、興味深い提案がいくつも出されました。それらのアイデアは富山市の観光施策に活かされようとしています。

 そのほか、宇和島市(愛媛県)では、派遣されたCAが地元産出の真珠に着目。用途開発や宇和島真珠の知名度拡大を目的に「パールデザインコンテスト」を発案しました。今年で10年目を迎えるこのイベントは、生産量日本一を誇る宇和島真珠のプロモーションに一役買っています。

―ほかにも自治体への人材派遣で成果をあげた事例はありますか。

 はい。航空事業の知見をまちおこしに活かした事例としては、「萩・石見空港マラソン」や「ふくしまおおぞらフェスタ」の成功があります。前者は当社と石見空港を抱える益田市(島根県)との提携が生んだ成果です。当時、益田市には石見空港という資産を十分に活かせていないという問題意識がありました。そこで当社から、空港の滑走路と周囲のまち並みを使ったマラソン大会の開催を提案しました。通常運用している空港の滑走路を使用したマラソン大会は全国初、世界でもまれな大会ということが呼び水となり、いまでは全国から数千人の参加者を集める人気の大会となっています。

地域活性化成功のカギは「首長の指導力」と「住民参加」

―福島での「フェスタ」についても紹介してください。

 今年5月に開催した「ふくしまおおぞらフェスタ」は、空港の駐機場を野外フェスティバルの会場に使った全国初の試みでした。これも福島空港という貴重な資産を地元の活性化につなげ、「東北の復興に貢献できないか」という発想です。飛行機を降りたら、そこが会場。奇抜な発想と理念に、多くの有名ミュージシャンが賛同してくれました。各地からの観覧ツアーも多数組まれ、当日は4000人以上の観客が集まりました。

―これらの成功の秘訣はなんでしょう。

 ハードを重視しがちだった従来型の観光施策からの脱却です。たとえば、空港を利用したふたつの取り組みでは、空港という資産にどういう魅力を付加するかという問題意識がありました。これらの地方には、「空港をつくっただけでは人を呼び込むことができなかった」という苦い経験があったためです。まさにソフトの時代を理解し、そこに「全国初」という付加価値をつけ、人を呼び込む仕掛けを生み出すことができました。

 そして、その取り組みの重要性を理解し、指導力を発揮して推進する地元首長、さらには取り組みを一緒につくり上げた地元住民の存在も成功を支えた要素です。仕掛けやプラットフォームづくりをお手伝いするのが我々の役割ですが、あくまでも施策の主役は地元住民でなければ成功は難しいです。

 これらの要素がそろった事例としてはほかに、薩摩川内市(鹿児島県)や天草市(熊本県)での成功があります(次ページ参照)。

鹿児島県薩摩川内市データ

人口9万7,138人(平成28年8月1日現在)
世帯数4万6,019世帯(平成28年8月1日現在)
予算規模813億9,805万円(平成28年度当初)
面積682.92km²
概要薩摩半島の北西部に位置する。平成16年10月12日、川内市、樋脇町、入来町、東郷町、祁答院町、里村、上甑村、下甑村、鹿島村が合併し、新たに「薩摩川内市」が誕生。東シナ海に面した変化に富む白砂青松の海岸線、市街部を悠々と流れる一級河川「川内川」、藺牟田池をはじめとするみどり豊かな山々や湖、地形の変化の美しい甑島、各地の温泉など、多種多様な自然環境を有する。

熊本県天草市データ

人口8万4,482人(平成28年7月末現在)
世帯数3万7,528世帯(平成28年7月末現在) 
予算規模524億9,368万円(平成28年度当初)
面積683.32km²
概要本渡市・牛深市・有明町・御所浦町・倉岳町・栖本町・新和町・五和町・天草町・河浦町の2市8町が合併し、平成18年3月27日に誕生。熊本県南西部に位置し、青く美しい海に囲まれた天草諸島の中心部に位置している。面積は県内最大。

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