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茨城県かすみがうら市 /茨城県阿見町 の取り組み

水道事業の「シェアードサービス」で 大幅なコストダウンを実現

かすみがうら市元・上下水道部長 田﨑 清

阿見町産業建設部 上下水道課長 坪田 博

茨城県のかすみがうら市と阿見町。このふたつの自治体が、平成27年の4月から全国初となる取り組みを開始した。それが水道料金徴収業務の共同発注である。水道事業の広域化事例として注目を集めているこの取り組みの詳細を、両自治体の担当者と協力企業に聞いた。
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※下記は自治体通信 Vol.5(2016年7月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

先細りする水道事業対策で新たな方法を模索していた

 全国や茨城県の平均と比べ、水道の普及率が低かった阿見町。普及率向上のため計画を策定したところ、膨大な費用がかかることに。「その費用をねん出するため、業務の一部を民間に委託し、正職員を減らす施策を実行。平成13年度に11名だったのが23年度には4人に。しかしこれ以上は限界があり、新たな経費削減の方法を探していました」と話す坪田氏。

 一方のかすみがうら市は、平成17年に合併して生まれた新しい市。合併当初、水道事業は一般会計から1億2000万円の補助金を受けていたが、平成26年度には3700万円にまで減少。

 「さらに東日本大震災以降、節水意識の高まりにより収益が減少。それと相反し、電気料金は震災と前後して1.6倍に上昇。そうした状況をどうにかしたいという背景があったのです」と話す田﨑氏。

 それぞれが水道事業の課題を抱えるなか、「自治体同士が共同で委託を行えば、業務効率が図れるうえにコスト削減につながる」と、民間から提案があった。これまで経験したことのない新しいビジネスモデルに可能性を感じた両自治体は、さっそく検討に入った。

 当初は近隣の土浦市、美浦村、稲敷市を含めた5自治体で勉強会を開始。複数の事業体が共同してひとつの民間企業を選定するため、「共同で委託などできるのか、選定における障壁はなにか、法律に抵触しないか」といったところから検討を重ねていった。さらに「自治体の職員だけでは判断できない」と、アドバイザーとして日本水道協会に相談。それぞれ可能性を検討していった結果、最終的にかすみがうら市と阿見町の2自治体が共同で行うことが決まった。

年間コストダウンに成功し総務省も注目

 業者の選定に関しては透明性を確保するため、引き続き日本水道協会の協力をあおぎつつ、大学の教授を委員長とした委員会を立ち上げて進めていくことに。結果、インターネットで参加資格の要件を提示し、全国から公募するというプロポーザル方式を採択した。

 「委員会の立ち上げと平行して、課題となったのは、どこまで共同で委託するか。かすみがうら市さんは料金徴収を委託していましたが、阿見町は浄水場の管理など広範囲を委託していました。ただかすみがうら市さんもすぐに委託範囲を広げるわけにもいかないため、今回は料金徴収の部分だけを委託する業者を選定することになりました」(坪田氏)

 さらに検討を重ねるなか、「共同で委託」するのではなく「共同で発注」することに決定した。

 「今回私たちが行ったのは、一緒に業者の選定をしただけ。つまり契約は別なんです。連名の契約を交わそうとすると、それぞれ議会の承認を得ないといけないなどハードルが高くなってしまいますから。結果、スムーズに広域化が図れたのです」(田﨑氏)

 そうした手順を踏んだすえ、第一環境に共同発注することに決定。こうして全国初の取り組みは平成27年4月から開始された。

 結果、阿見町では年間720万円、かすみがうら市では900万円のコストダウンを実現。さらに、総務省が今回の事例を広域化の足がかりとなる成功事例として「シェアードサービス」と命名し、全国からも注目されることに。

 両自治体の水道事業の共同化は、まだまだ始まったばかり。今後もさらなる事業体の参画をうながすなど、新たな取り組みは続く。

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