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石川県能登町 の取り組み

教育現場のICT化②

ICTで教育現場を魅力化し統廃合の波から地域の学校を守る

能登町長 持木 一茂

石川県立能登高等学校 校長 大窪 直二

いま、「学校こそが地域活性化の原動力」との発想から教育政策に力を入れる地方自治体が増えている。石川県能登町もそうした自治体のひとつである。地元高校生の学力レベル向上を目的に、県内初の公営塾を開設したのが3年前。今年はこの公営塾と地元の県立能登高校を結んだICT教育プラットフォームを導入し、新たな教育環境の整備を意欲的に進めている。町長の持木氏と能登高校校長の大窪氏に、ICT導入のねらいや期待する効果などについて聞いた。
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※下記は自治体通信 Vol.5(2016年7月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―今年度から能登高校でICT教育が本格化されます。その背景を聞かせてください。

 かつて3高校と1分校が存在した能登町ですが、統廃合の結果、いまでは能登高校が唯一の高校となっています。人口減少でさらなる統廃合の懸念が残るなか、町としては能登高校の存続は地域の重要問題と認識。「能登高校を応援する会」を発足させ、さまざまな支援をしてきました。今回のICT教育導入もその一環です。学習支援クラウドサービス『Classi』を導入し、学校の授業のみならず自宅学習まで一貫してサポートすることで生徒の学力を高め、存続できる学校にするのがねらいです。

―町にとって能登高校の存在は非常に大きいのですね。

 はい。「高校は地域の重要な基盤」が地域の共通認識です。能登高校には「地域支援隊」という組織があり、能登を代表する「あばれ祭」など地元の行事に積極的に参加。地域を支える存在になっています。若いうちから地域社会の一員という意識が芽生えるため、地元就職率も高い。だから地域にも自然と高校を支援する風土が育つのです。

―高校になにを期待しますか。

 まずは地元の中学生に選ばれる高校になってほしい。ソフトテニスでは全国的な強豪校として知られるほか、県内唯一の水産コースがあるなど、県内でも特徴のある高校です。しかし能登高校が真に選ばれる高校になるためには、大半の中学生が進学する普通科の学力向上が必要です。そのために3年前、県内初の公営塾「鳳ほうすう雛塾」を開設。町と「応援する会」が費用を全額負担して生徒の学業を支援しています。こうした支援を活かし、ゆくゆくは全国から生徒を集める高校になってほしいですね。

―教育政策における今後のビジョンを教えてください。

 ICT教育を今後は中学校、小学校にも普及させたい。同時に公営塾という貴重な資産を義務教育の段階から活用する方法も検討する必要があります。こうした教育政策の結果として、将来的に能登町を背負って立つ人材が多く育ってくれることを期待します。

―今年から本格化するICT教育の概要を教えてください。

 当校は能登町唯一の高校という事情から、将来的にも存続を期待する声が強く、学力向上によって学校の魅力を高める必要性に迫られてきました。
 学力向上には、学習内容を定着させるための「学び直し」が重要です。その学び直しの場として3年前、能登町では「鳳雛(ほうすう)塾」という公営塾を開設し、生徒に無料で学習できる環境を整備しました。この公営塾をより有効に機能させるために、ICTで高校と公営塾とを連携させ、学校内外で生徒の学習を総合的にサポートしようと考えました。そこで新たに導入を決めたのが学習支援クラウドサービス『Classi』でした。

―ICT導入で期待することはなんですか。

 生徒たちに自ら学ぶ姿勢が育つことです。ICTによって学習への興味が増せば、生徒は学ぶ喜びを実感できます。思考力・判断力・表現力を重視する新しい学力基準、いわゆる「21世紀型スキル」も育成されていくでしょう。
 一方で、現状ではセンター試験に代表される従来型の学力を問う現実もある。そこでは知識をしっかりと定着させることが必要です。こうした知識定着型の学習に際しても、『Classi』は効果的に機能してくれると期待しています。

―ICT導入を成功させるカギはどこにあると考えますか。

 先生たちがいかにICTを使いこなせるかにあると思います。じつは当校では、2年前からICT導入を進めてきました。しかし当時のシステムは煩雑で、使用することが先生たちの新たな負荷となってしまい、使用頻度が上がらず十分な効果を得られませんでした。
 先生を中心に位置づけ、使いやすさを重視したプラットフォーム設計を採用した『Classi』は、先生が簡単に生徒にアプローチしていける仕組みで、生徒の状況をつかみやすい。試験導入段階から先生たちの評判がよく、「これなら使える」との声が多かったことが採用の決め手となりました。

―今後、能登高校がめざす将来の姿を教えてください。

 ひと言でいえば、「それぞれの花を咲かせられる学校」です。農業高校や水産高校など5つの高校が統廃合されて誕生した歴史をもつ当校には、いろいろな進路目標をもった生徒が入学してきます。
 ただし、選択肢が多くあるということは強みになる反面、従来の一斉授業だけでは対応できない局面も増えてくる。学力差もつく。そのとき、ICT教育が大きな力を発揮するはずです。ICTの力で多様な生徒の夢を実現させる教育が、当校のめざす理想の姿です。

石川県能登町データ

人口1万8,520人(平成28年5月1日現在)
世帯数7,829世帯(平成28年5月1日現在)
予算規模274億2,843万3,000円(平成28年度)
面積273.27km²
概要1300年以上続く農村文化や田の神様を祭る神事「あえのこと」(ユネスコ無形文化遺産)、あばれ祭など、伝統的な文化が多く残る。農村の暮らしと結びついた風習や文化が高く評価され、「能登の里山里海」は国連食糧農業機関(FAO)によって世界農業遺産に認定されている。

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